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インフルエンザ

インフルエンザが冬に流行しやすい理由 その予防と治療について

投稿日:2017年8月29日 更新日:

 

寒くなると、そろそろインフルエンザに用心しなきゃと考える人は増えます。

それは、実際に流行してきているのを見ているから、そう考えるのであって、少し考えると、ふしぎなことだと思いませんか?

動物で冬に冬眠するものがいたり、細菌では暖かいところで増えたりするんですよ。

寒いとかえって活動が低調になり繁殖なんかしないというのが常識のような気がします。

インフルエンザが冬に流行しやすい理由とその予防や治療について紹介します。

 

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Contents

インフルエンザが冬に流行しやすい理由

 

インフルエンザウイルスが寒い方を好むという情報もありますが。

理由はそれだけなんでしょうか?

周りの環境や感染される側の人間の問題が流行を引き起こすのを手伝っているようにも思えます。

ウイルスというものは細胞の中でしか生存し続けることはできません。

そんなウイルスが流行するための条件としては、

 

1)ある人に感染して増殖したウイルスが次に感染する人間に到達すること。

 

2)次に感染する人間がウイルスに対して感受性がある(要は発症しやすい)こと。

 

があげられます。

 

1)については

空気が乾燥しがちな冬は、咳やくしゃみをしたときに出るウイルスを含んだ飛沫が、瞬時に水分を奪われ空気中に浮遊しやすいエアロゾルに

なります。湿気の多いときは、ほとんどが咳をした周囲1メートル半径くらいに落下することが多くなります。

つまりは、乾燥した環境の方がウイルスを含んだエアロゾルが浮遊する確率が高まり、別の人間に到達しやすくなると言えます。

 

2)については

インフルエンザウイルスは増殖に適した温度が約33℃とされています。

冬には外気と接する鼻やのどの粘膜上皮の温度が体温よりも下げられ33℃くらいになり増殖に良い環境になりがちです。

また、空気が乾燥していることで、より感染しやすい状況が整っていることも想像できます。

なぜなら、粘膜上皮に分泌される粘液に含まれるウイルス感染を抑える抗菌ペプチドや広範囲に効く抗体が乾燥により不十分なものになる可能性があるからです。

なお、日照時間が短いこともインフルエンザウイルスに感染しやすくなる状況をつくりだすと言われています。

冬になり日照時間が短くなると、皮膚に当たる太陽光線も減ってきます。人間の体内で紫外線が皮膚にあたることによりつくられるビタミンがあります。

それはビタミンDであります。

ビタミンDは抗菌ペプチドを導きますし、その抗菌ペプチドにはインフルエンザウイルスに抗ウイルス作用を示すものがあります。

研究者の中にこれが流行に関連していると考えている人がいます。

実際に、細菌性の病気である結核が、日光に当たることで回復するという事実が以前より報告されています。

 

以上のような事柄がインフルエンザが冬に流行しやすい理由とされています。

(湿度が低いときだけでなく、非常に高いときもインフルエンザはよく繁殖するという研究発表も、近年ありました、研究の進展を待ちましょう)

 

予防について

 

適切な手洗いやうがいなどが有効とされています。

 

適切な手洗いとは、せっけんを使い流水でよく洗い流す(指の間とか爪の間を念入りに)、補助的にウエルパスなどを使うのもOK。

 

うがいは水道水でもOKのようです。(うがい薬が有効でないとのデーターを示されている医師もいますので)

 

マスクは、鼻やのどの粘膜が乾燥し過ぎることの予防と言う意味で感染予防を助ける可能性がありますが、かかっている人がつける方が意味がありそうです。

ウイルスを含んだ飛沫などを遠くへ飛散させないという意味においてです。

 

ワクチンで予防することができる確率は低いと今は言われてます。

インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型があり、人間で毎年流行するのはA型とB型です。

まれにC型もあるらしいですが流行するには至らないようです。

B型は散発的に流行することもありますが(特にA型が流行った後で、2~3月ごろ)主に流行しているのはA型となります。

A型はタイプが144種類も存在するので、ワクチンのタイプを当てる確率も下がります。

その特性(A型は変異しやすい)からシーズン前のタイプを当てようと予測して生産しても、作っているうちにかなり時間が経つので、当初の予測通りのタイプになることは難しいようです。

タイプを当てることが命のワクチンがそんな状態らしいです。

そして実際に感染するのが、のどや鼻の粘膜なので、皮下に注射したワクチンでは専門家の間では予防には無意味と言われています。

皮下に注射したワクチンは粘膜に存在する抗体を作らないのだそうですから。

(実際にインフルエンザに罹った場合は粘膜の抗体も血液中の抗体もできます)

今のワクチンは血中に存在する抗体を産生するので、発症した後でひどくなるのを抑えてくれるようです。(タイプが当たった場合)

 

 

 

 

 

治療について

 

特効薬は

薬品名 剤型 対象 備考
タミフル カプセル・ドライシロップ A型・B型
リレンザ 吸入剤 A型・B型
ラピアクタ 注射剤 A型・B型
イナビル 吸入剤 A型・B型
アビガン 錠剤 新型・再興型 国家備蓄用

(アビガンはパンデミック対策です、新型や再興型インフルエンザウイルス感染症が発生した時に国が判断して使用)

などです。

他には、シンメトレルというインフルエンザA型に効く治療薬が古くからありますが、最近では耐性ができている場合が多く効かなくなっているようです。

上記の表でアビガン以外はノイラミニダーゼ阻害薬です。

ノイラミニダーゼ阻害薬を簡単に言うと、ウイルスが細胞に入って、自分の仲間をたくさん作って後に、その子孫(仲間)が外に出るのを防ぐ、ひいてはウイルスの増殖を妨げることになる作用をもつお薬のことです。

(シンメトレルはウイルスが細胞に入るのを妨げるお薬です。)

タミフルに耐性があるウイルスも出てきているので、他の薬剤も使用頻度が上がれば同じように耐性をもつウイルスが出てきてもおかしくないですね。

今のところは、タミフルがダメならリレンザかイナビルが使えますからいいですけど。

耐性ができて困らないように国家はアビガンというポリメラーゼ阻害薬という薬効の違うお薬をいざというときの切り札として残しているのでしょう。

ノイラミニダーゼ阻害薬を使うにあたって、守ってほしいのは、できるだけ早く、遅くとも2日以内(48時間以内)に使用しないといけない。

というのは48時間以後だと有効性のある裏付けのとれたデータがないからです。

 

さて、治療薬の選択では、

飲み薬が飲める場合はタミフルでいいでしょう。

リレンザとイナビルは吸入剤ですが、

リレンザは5日間1日2回吸入しなければならず、吸入操作も比較的面倒なので、1日1回のイナビルが簡便でいいです。

お子さんは一様に吸入が苦手のように感じます。

ちゃんと吸えない、吸入自体ができないとか大変です。

まだ、イナビルの方が簡単で、とは言っても吸うのは4~8回吸います。(10歳未満は1個、10歳以上は2個、2つの小部屋に分かれた薬を2回づつ吸う(吸い残し予防のため))

イナビルをすすめますが、吸えないお子さんには、やはり吸えないようです。

飲み薬もダメ、吸入もダメなら、注射薬ですね。

ラピアクタの出番になります。

まあ、注射薬を使ってまでするのかという話です。医師が状況に応じて判断します。

 

年齢によって使えるか否かは、考え方の違いがありそうですが。

以下のような感じです。

0~生後2週未満 抗インフルエンザ薬は使わない

生後2週目~1歳未満 タミフルドライシロップを第一選択

1歳~5歳未満  タミフルを第一選択

5歳~10歳未満  イナビルかリレンザを第一選択、吸入できなければタミフル

10歳~20歳未満  イナビルかリレンザを第一選択

20歳~   タミフルカプセル、リレンザ、イナビルのどれか

 

副作用

有名な副作用は”異常行動発現”でした、最初に発売したタミフルでよく起きたので、今は起こさないように10歳以上はタミフルの服用を自粛するようになっています。

イナビル・リレンザも恐れがあるということを告げ、自宅療養時には少なくとも2日間は患者を1人にさせないようにと家族に説明します。

他の重大な副作用はショック、アナフィラキシーなど薬剤によっていろいろあります。

インフルエンザ脳症については⇒インフルエンザ脳症とは どんな症状があるの 対応と注意点について

その他副作用は、下痢、悪心など薬剤によっていろいろあります。

漫然と使うべきではないですね。

 

 

対症療法の薬は普通風邪や夏風邪で使われているものと同様です。

できれば、早期発見して、症状がひどくなる前にちゃんと安静にしたり、治療薬を服用することによってのりきりたいですね。

 

まとめ

冬にインフルエンザが流行るのは、ウイルスが空気中に浮遊しやすく、うつる人間の状況も感染しやすいようになっているのです。

それらのことをヒントにしてうつるのを防ぐにはどうしたらいいのかを考えるようにしてくださいね。

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