調剤薬局で服薬指導していると溶連菌感染の子供さんに当たることもあります。
溶連菌感染症は子どもに多く、大抵似たような処方内容で出されています。
溶連菌に感染した子供さんは一定期間、園や学校を休むようです。
溶連菌感染症とは、園や学校への出席停止と何度も感染するのかについて解説します。
Contents
溶連菌感染症とは
勤務している調剤薬局は小児科の専門医院の門前にあるわけではないので、溶連菌感染症での調剤はそれほどあるわけではないですが、時折、服薬指導することがあります。
レンサ球菌は常在菌の一種で、溶連菌感染症はそのレンサ球菌が何らかの原因で病原性を持つことになったものである。
溶連菌感染症とは、大きなくくりで言えば、グラム陽性球菌のうちのレンサ球菌属によっておこされる感染症すべてのことなのですが。
医療の中で注目されるのは、よくおこる化膿レンサ球菌のことについてである。
溶連菌は正しくは、A群β-溶血性連鎖球菌と言います。
主な症状はのどの痛み、発熱などがあります。
なので、抗菌薬と痛み止めや抗炎症薬、解熱鎮痛薬などが処方されていることが多いです。
抗菌薬はペニシリン系が一番多く、次にセフェム系、その次にマクロライド系が処方されています。
ぺニシリン系ではアモキシシリン(サワシリンなど)がほとんどとなります。
処方日数はだいたい10日~14日である。
予防はワクチンがないので、マスクの着用や手洗いうがいが主になります。
治療のタイミングが早く服用をきっちりすれば、特に問題なく経過するようです。
園や学校への出席停止について
感染症の流行を防ぐために定められている「学校保健安全法」というものがあります。
その中で、溶連菌感染症は第3類に分類されています。
園や学校への出席の可否については「医師の判断による」とされているので正確な日数は決められていません。
でも、たいていは受診して抗菌薬が処方されて服用すれば、24時間で感染力が弱まり、他人にうつらなくなるといわれています。
目安としては高熱が治まっていることや、発疹が治まっていることなどがあるでしょう。
受診した医師の判断にゆだねることになることが通例であるといえます。
「***なら通園していいです」「++++ならOKです」などの条件を提示してもらえる場合と、「再度受診して判断します」と言われる場合があるでしょう。
一般的には、「抗菌薬をのんでから1~2日経てば、発熱や発疹が治まります、そうなって元気があれば、登園・登校をしてもかまわない。」とされています。
2~3日経てば大抵は許可がおりるでしょうが、個人差があります、その都度判断することになるでしょう。
園や学校によっては登園許可証などの書類の提出の必要がある場合があるかもしれません。
事前に施設に確認するようにしましょう。
2~3日で許可が出れば、合併症などのために、あと7~12日間抗菌薬をのみながらの登園・登校になります。
再感染はあるのか
感染症は、一度感染すれば免疫を獲得して感染は起きないこともあるのですが、溶連菌感染症は何度も感染することがあるようです。
溶連菌(A群β-溶血性連鎖球菌)にはいろいろなタイプがあります。
それぞれが別ものですから、1つのタイプに感染してもそのタイプの免疫はそのタイプにしか働きません。
つまりは、そのタイプの数だけ感染が起こりえます。
だから、一度感染しても他のタイプに感染することがあるので、注意が必要になります。
このことは心しておくべきことです。
まとめ
溶連菌感染症は子どもに多い感染症です。
学校保健安全法の中では第3類に分類されていて出席停止の期間があります。
大抵は医療機関を受診後に抗菌薬を服用して2~3日で園や学校への出席停止がとかれることになります。
そして出席再開後一定期間は抗菌薬をのみながら出席することになります。
原因菌は数種類のタイプがあるので、何度もかかることもあります。