生活習慣病の高血圧症の治療においてβ遮断薬は、いろんな面で最近ではあまり使われることがなくなりましたが、
うまいこと使えば、ゆっくりとした脈拍にして降圧効果が得られ古くからあるコストパーフォーマンスに優れた降圧剤になります。
高血圧症治療薬ハイパジールとは、薬としての効果と副作用について紹介します。
Contents
高血圧症治療薬ハイパジールとは
日本では1988年11月より販売されている、血圧を下げるために使われるβ遮断薬の1つである「ハイパジール」。
まだジェネリック医薬品が発売されていないので、薬の負担が減らそうとジェネリック医薬品の選択はできません。
ただ、あまり使われていない気がするので、なかなかジェネリック医薬品を製造するメーカーが出ないでしょう。
ハイパジールの成分名はニプラジロールです。
高血圧の自覚症状はこれといったものがないようです。
長く続いた高血圧から合併してできた症状で結果的に知ることになることが多いようです。
そしてその発症は、生活習慣の乱れなどからいろんなことが原因となり起こりえます。
その原因には、塩分の摂りすぎなどによる心拍出量の増加(心臓が送り出す血液が増える)や循環血液量の増加(体の中を流れる血液が増える)や末梢血管の抵抗の増加(末梢の血管の流れが悪くなる)や脱水症状を起こしたり、食習慣の悪化などによる血液の粘調度の増加(血液の粘調度で流れにくくなる)または、食習慣の悪化による動脈の硬化や劣化の増加(血管の弾力性がなくなり流れが悪くなる)などがあります。
ハイパジールは心臓にある交感神経のβ受容体を遮断することにより心臓の拍動が抑えられ降圧作用をもたらします。
禁忌
高度の徐脈、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)、洞房ブロックのある患者(症状が悪化するおそれがある)
糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者(心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある)
気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者(症状が悪化するおそれがある)
心原性ショックの患者(症状が悪化するおそれがある)
肺高血圧による右心不全のある患者(症状が悪化するおそれがある)
うっ血性心不全のある患者(症状が悪化するおそれがある)
未治療の褐色細胞腫の患者(症状が悪化するおそれがある)
妊婦または妊娠している可能性のある婦人
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸(バイアグラ、レバチオ)、バルデナフィル塩酸塩水和物(レビトラ)、タダラフィル(シアリス、アドシルカ、ザルティア))またはグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト(アデムパス))を投与中の患者(過度に血圧が下がるおそれがある)
用法用量
本態性高血圧症(軽症~中等症)
通常、成人にはニプラジロールとして1日6~12mgを1日2回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高用量は1日18mgとする。
褐色細胞腫の患者には単剤で用いることのないようにしましょう。(急激に血圧が上昇することがある)
剤型
錠剤
ハイパジールコーワ錠3 34.90円/1錠
ハイパジールコーワ錠6 63.70円/1錠(1990年6月販売開始)
慎重投与
うっ血性心不全のおそれのある患者(症状がでやすくなる)
甲状腺中毒症の患者(症状がわかりにくくなる)
特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者(低血糖を起こしやすく、その症状がわかりにくくなる)
重篤な肝、腎機能障害のある患者(薬物の代謝などに影響がでるおそれがある)
重度でない末梢循環障害(レイノー症候群など)のある患者(症状が悪化するおそれがある)
徐脈、房室ブロック(Ⅰ度)のある患者(症状が悪化するおそれがある)
異型狭心症の患者(症状が悪化するおそれがある)
手術前24時間は投与しないことが望ましい。(褐色細胞腫の手術に使用する場合を除く)
めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転などの危険を伴う機械を操作する際には注意すること。
交感神経に対し抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン、β遮断剤(チモロール等の点眼剤を含む)など)との併用で交感神経系の過剰の抑制(徐脈、心不全など)をきたすことがある。
カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピンなど)との併用で相互に作用を増強させる。
血糖降下剤(インスリン、トルブタミド、アセトヘキサミド等)との併用で血糖降下作用が増強されることがある。また、その症状がわかりにくくなることがある。
クロニジン(カタプレス)投与中止後に本剤を投与するとリバウンド現象(血圧上昇、頭痛、嘔気など)を増強するおそれがある。
ジソピラミド、プロカインアミド、アジマリン、などとの併用で過度の心機能抑制(徐脈、心停止など)があらわれることがある。
ジギタリス剤(ジゴキシン、ジギトキシン)との併用で房室伝導時間が延長し、徐脈、房室ブロックなどが発現することがある。
非ステロイド性抗炎症剤(インドメタシンなど)との併用で本剤の降圧作用が減弱することがある。
降圧作用を有する他の薬剤(硝酸薬など)との併用で相互に作用を増強させる。
高齢者は生理機能が低下していることが多いので、副作用(脳梗塞など)が出やすく、本剤の投与には慎重に対応すること。
本剤投与中は授乳を避けさせること。(動物実験で母乳中へ移行することが報告されている)
小児に対する安全性は確立していない。
薬としての効果
古くからあるお薬で、うまいこと使えば、ゆっくりとした脈拍にして降圧効果が得られるコストパーフォーマンスに優れた降圧剤になります。
インデラルと同じく気管支などにも影響しやすいお薬です。
副作用について
主な副作用としては、徐脈、めまい、ふらつき、倦怠感、頭痛、等である。
その他では発疹、低血圧、眠気、目の乾燥、動悸、浮腫、不整脈、便秘、食欲不振、末梢循環障害、喘息様症状、悪心・嘔吐、下痢、口渇、味覚障害、咳、CPK上昇、γ-GTP上昇、GPT上昇、GOT上昇、Al-P上昇、LDH上昇、LAP上昇、尿酸値上昇、高脂血症、糖尿病悪化、BUN上昇、クレアチニン上昇、などがあります。
重大な副作用
心不全、完全房室ブロック、洞停止、高度な徐脈(0.1未満)
まとめ
古くからあるお薬で、うまいこと使えば、ゆっくりとした脈拍にして降圧効果が得られるコストパーフォーマンスに優れた降圧剤になります。
インデラルと同じく気管支などにも影響しやすいお薬です。
主な副作用としては、徐脈、めまい、ふらつき、倦怠感、頭痛等です。
重い副作用はほとんどありませんが、まれに喘息を誘発したりするので念のため注意しておく必要があるようです。