生活習慣病の高血圧症の治療にはβ遮断薬があまり使われることがなくなりましたね。
有効に使用すれば、ゆっくりとした脈拍にして心臓に負担がかからずに降圧効果が得られます。
この系統の薬は古くからあるコストパーフォーマンスに優れたものになります。
高血圧症治療薬カルビスケンとは、薬としての効果と副作用について紹介します。
Contents
高血圧症治療薬カルビスケンとは
日本で販売開始したのは1973年1月になります。
降圧剤として使われるβ遮断薬の1つである「カルビスケン」。
ジェネリック医薬品は発売されているので、医師の許可があった上で希望をすればジェネリック医薬品の選択ができます。
ただ、それほど高い薬ではないので、それほどメリットはないです。
カルビスケンの成分名はピンドロールです。
高血圧の自覚症状はこれといったものがなく進行がわかりにくいとされています。
長く続いた高血圧から合併してできた症状で結果的に知ることになることが多いです。
そしてその発症は、生活習慣の乱れなどいろんなことが原因となり発現することになります。
その原因には、塩分の摂りすぎなどによる心拍出量の増加(心臓が送り出す血液が増える)や循環血液量の増加(体の中を流れる血液が増える)や末梢血管の抵抗の増加(末梢の血管の流れが悪くなる)や脱水症状を起こしたり、食習慣の悪化などによる血液の粘調度の増加(血液の粘調度で流れにくくなる)または、食習慣の悪化による動脈の硬化や劣化の増加(血管の弾力性がなくなり流れが悪くなる)などがあります。
カルビスケンは心臓にある交感神経のβ受容体を遮断することにより心臓の拍動を抑えて血圧低下をもたらします。
禁忌
本剤の成分および他のβ-遮断剤に対し過敏症の既往歴がある患者
気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者(症状が悪化するおそれがある)
糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者(心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある)
高度の徐脈(激しい洞性徐脈)、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者(症状が悪化するおそれがある)
心原性ショック、肺高血圧による右心不全、うっ血性心不全の患者(症状が悪化するおそれがある)
異型狭心症の患者(症状が悪化するおそれがある)
低血圧症の患者(症状が悪化するおそれがある)
重症の末梢循環障害(壊疽など)のある患者(症状が悪化するおそれがある)
未治療の褐色細胞腫の患者(症状が悪化するおそれがある)
チオリダジン(メレリル)を投与中の患者(不整脈、QT延長などがあらわれることがある)
妊婦または妊娠している可能性のある婦人
用法用量
本態性高血圧症(軽症~中等症)
通常、成人にはピンドロールとして1日5mgを1日3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
褐色細胞腫の患者には単剤で用いないようにする。(急激に血圧が上昇することがある)
剤型
錠剤
カルビスケン錠5mg 14.00円/1錠
慎重投与
うっ血性心不全のおそれのある患者(症状がでやすくなる)
甲状腺中毒症の患者(症状がわかりにくくなる)
低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者(低血糖を起こしやすく、その症状がわかりにくくなる)
重篤な肝、腎機能障害のある患者(薬物の代謝などに影響がでるおそれがある)
末梢循環障害(レイノー症候群など)のある患者(症状が悪化するおそれがある)
徐脈、房室ブロック(Ⅰ度)のある患者(症状が悪化するおそれがある)
手術前24時間は投与しないことが望ましい。
めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転などの危険を伴う機械の作業に注意させること。
交感神経に対し抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン、β遮断剤(チモロール等の点眼剤を含む)など)との併用で交感神経系の過剰の抑制(徐脈、心不全など)をきたすことがある。
レセルピンとの併用で、脈拍の増加等があらわれることがある。
カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピンなど)との併用で相互に作用を増強させる。
血糖降下剤(インスリン、トルブタミド、アセトヘキサミド等)との併用で血糖降下作用が増強されることがある。また、その症状がわかりにくくなることがある。
クロニジン(カタプレス)投与中止後に本剤を投与するとリバウンド現象(血圧上昇、頭痛、嘔気など)を増強するおそれがある。
ジソピラミド、プロカインアミド、アジマリン、アオミダロンなどとの併用で過度の心機能抑制(徐脈、心停止など)があらわれることがある。
麻酔剤(エーテルなど)との併用で過剰の交感神経の抑制を起こすおそれがある。
ジギタリス剤(ジゴキシン、ジギトキシン)との併用で房室伝導時間が延長し、徐脈、房室ブロックなどが発現することがある。
非ステロイド性抗炎症剤(インドメタシンなど)との併用で本剤の降圧作用が減弱することがある。
降圧作用を有する他の薬剤(硝酸薬など)との併用で相互に作用を増強させる。
交感神経刺激剤(アドレナリンなど)との併用で昇圧反応を引き起こすことがある。
高齢者は生理機能の低下から、副作用(脳梗塞など)が出やすい場合が多く、慎重に本剤を投与すること。
授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。(母乳中へ移行することが報告されている)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していない。
薬としての効果
古くからあるお薬で、効果的に使えば、心臓に負担を与えずゆっくりとした脈拍にして効果が得られる降圧剤になります。
インデラルやハイパジールなどと同じく気管支などにも影響しやすいお薬で注意が必要です。
副作用について
主な副作用としては、頭痛、倦怠感、不眠、悪心・嘔吐、脳貧血様症状、めまい、ふらつき、等である。
その他では発疹、低血圧、眠気、目の乾燥、動悸、徐脈、浮腫、振戦、便秘、食欲不振、下痢、口渇、CPK上昇、GPT上昇、GOT上昇、Al-P上昇、LDH上昇、尿酸値上昇、などがあります。
重大な副作用
心不全の誘発・悪化、心胸比増大(1%未満)
喘息症状の誘発・悪化(0.1%未満)
まとめ
古くからあるお薬で、効果的に使えば、心臓に負担を与えずゆっくりとした脈拍にして効果が得られる降圧剤になります。
利尿降圧剤のようにそれほどコストがかからないのはメリットの1つです。
インデラルやハイパジールなどと同じく気管支などにも影響しやすいお薬で注意が必要です。
主な副作用としては、頭痛、倦怠感、不眠、悪心・嘔吐、脳貧血様症状、めまい、ふらつき、等です。
注意する症状として徐脈があります。
重い副作用はほとんどありませんが、まれに喘息を誘発したりするので念のため注意しておきます。