生活習慣病の高血圧症の治療においてαβ遮断薬は、β遮断薬の単剤に比べると降圧作用が高まり、副作用が軽減されます。第一選択薬として使われることがあります。
高血圧症治療薬アロチノロールとは、薬としての効果と副作用について紹介します。
Contents
高血圧症治療薬アロチノロールとは
日本では1985年12月より販売されている、血圧を下げるために使われるαβ遮断薬の1つである「アロチノロール」。
発売当初はアルマールという商品名でしたが、経口糖尿病治療薬であるアマリールと名称が似ているため、取り違えによる医療事故などがきっかけとなり名称を変更することになりました。
アマリールの方が使用頻度が多かったのでアルマールの名称を変更することになったのだと私は推測しています。
アロチノロールも見方を変えれば、他の薬剤に似ているようには思うのですが、事故が実際起こるかどうかで対策されることが決まります。
ジェネリック医薬品が発売されているので、ジェネリック医薬品を選択できます。
アロチノロールの成分名はアロチノロールです。
高血圧の自覚症状はこれといったものがないようです。
長く続いた高血圧から合併してできた症状で結果的に知ることになることが多いようです。
そしてその発症は、生活習慣の乱れなどからいろんなことが原因となり起こりえます。
その原因には、塩分の摂りすぎなどによる心拍出量の増加(心臓が送り出す血液が増える)や循環血液量の増加(体の中を流れる血液が増える)や末梢血管の抵抗の増加(末梢の血管の流れが悪くなる)や脱水症状を起こしたり、食習慣の悪化などによる血液の粘調度の増加(血液の粘調度で流れにくくなる)または、食習慣の悪化による動脈の硬化や劣化の増加(血管の弾力性がなくなり流れが悪くなる)などがあります。
アロチノロールは心臓にある交感神経のαとβの受容体を遮断することにより血管を拡張したり心臓の拍動が抑えられ降圧作用をもたらします。
禁忌
心原性ショック、肺高血圧による右心不全、うっ血性心不全の患者(心臓のポンプ機能を低下させるおそれがある)
高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者(症状が悪化するおそれがある)
糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者(心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある)
気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者(症状の悪化及び誘発を招くおそれがある)
未治療の褐色細胞腫の患者
妊婦または妊娠している可能性のある婦人には投与しない。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
用法用量
本態性高血圧症(軽症~中等症)
通常、成人にはアロチノロール塩酸塩として1日20mgを2回に分けて経口投与をする。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、効果不十分な場合は1日30mgまで増量することができる。
褐色細胞腫の患者では、本剤投与で急激に血圧が上昇するおそれがあるので、単独では投与しないこと。
剤型
錠剤
アロチノロール塩酸塩錠5mg 16.30円/1錠
アロチノロール塩酸塩錠10mg 24.30円/1錠
慎重投与
うっ血性心不全のおそれのある患者(症状が悪化するおそれがある)
突発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者(低血糖が起きやすく、その症状をわかりにくくする)
低血圧、徐脈、房室ブロック(Ⅰ度)のある患者(症状が悪化するおそれがある)
重篤な肝・腎機能障害のある患者(薬物の代謝などに影響がでるおそれがある)
末梢循環障害(レイノー症候群、間欠性跛行症など)を有する患者(症状が悪化するおそれがある)
手術前48時間は投与しないことが望ましい。
降圧作用に基ずくめまいなどがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転などの危険を伴う機械を操作する際には注意すること。
交感神経に対し抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン、β遮断剤(チモロール等の点眼剤を含む)など)との併用で交感神経系の過剰の抑制(徐脈、心不全など)をきたすことがある。
カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピンなど)との併用で相互に作用を増強させる。
血糖降下剤(インスリン、トルブタミド、アセトヘキサミド等)との併用で血糖降下作用が増強されることがある。また、その症状がわかりにくくなることがある。
クロニジン(カタプレス)投与中止後に本剤を投与するとリバウンド現象(血圧上昇、頭痛、嘔気など)を増強するおそれがある。
ジソピラミド、プロカインアミド、アジマリン、アミオダロン、ソタロールなどとの併用で過度の心機能抑制(徐脈、心停止など)があらわれることがある。
ジギタリス剤(ジゴキシン、ジギトキシン)との併用で房室伝導時間が延長し、徐脈、房室ブロックなどが発現することがある。
フィンゴリモド(イムセラ、ジレニア)の投与開始時に本剤を併用すると重度の徐脈を引き起こすことがある。
非ステロイド性抗炎症剤(インドメタシンなど)との併用で本剤の降圧作用が減弱することがある。
硝酸剤(ニトログリセリンなど)、他の降圧剤(二フェジピンなど)との併用で相互に作用が増強されることがある。
高齢者は生理機能が低下していることが多いので、副作用(脳梗塞など)が出やすく、本剤の投与には慎重に対応すること。
授乳婦への投与中は授乳を避けさせること。(動物実験で乳汁中へ移行することが報告されている)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していない。
薬としての効果
αβ遮断剤という系統のお薬は、β遮断薬の単剤に比べると降圧作用が高まり、副作用が軽減されます。
降圧薬として第一選択として用いることもあります。
アロチノロールはα遮断作用とβ遮断作用の比はほぼ1対8になります。
気管支にも影響が出やすく、中枢性の副作用が少なめなのが特徴です。
副作用について
主な副作用としては、徐脈、めまい、ふらつき、倦怠感、GOT上昇、GPT上昇、中性脂肪上昇、尿酸値上昇、等である。
その他では発疹、低血圧、立ちくらみ、頭痛、動悸、眠気、抑うつ、涙液分泌減少、LDH上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、BUN上昇、クレアチニン上昇、気管支痙攣、喘鳴、咳、悪心・嘔吐、食欲不振、口渇、便秘、下痢、浮腫、CK上昇、筋肉痛、手足の冷え、しびれ感などがあります。
重大な副作用
心不全、房室ブロック、洞房ブロック、洞不全症候群(0.1%未満);徐脈(0.1~5%未満)
まとめ
αβ遮断剤という系統のお薬は、β遮断薬の単剤に比べると降圧作用が高まり、副作用が軽減されます。
降圧薬として第一選択として用いることもあります。
アロチノロールはα遮断作用とβ遮断作用の比はほぼ1対8になります。
気管支にも影響が出やすく、中枢性の副作用が少なめなのが特徴です。
主な副作用としては、徐脈、めまい、ふらつき、倦怠感、GOT上昇、GPT上昇、中性脂肪上昇、尿酸値上昇、等です。
注意する副作用として徐脈があるので、注意してください。
まれですが気管支痙攣や喘鳴などが起こりえますので用心しておきましょう。