疲れが溜まったりすると口に水ぶくれが出ることがあります。
そういうときは、口唇ヘルペスであることが多く、抗ウイルス薬での治療が必要になります。
その時に医療機関で出される抗ウイルス薬はいろいろあります。
単純疱疹治療薬バルトレックスとは、薬としての効果と副作用について紹介します。
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単純疱疹治療薬バルトレックスとは
日本では2000年10月より販売されている、単純疱疹などの原因となるヘルペスウイルスに効く抗ウイルス薬の1つである「バルトレックス」。
(顆粒剤は2002年2月より販売)
ゾビラックスの次に販売されたお薬で、ゾビラックスを改良し吸収しやすくし、飲む回数を減らした(5→1~2回)ものとなります。
もう、ジェネリック医薬品が発売されていて、支払いを抑えることができます。
ゾビラックスよりも高いお薬なのでかなり安くなるでしょう。
バルトレックスの成分名はバラシクロビルである。
経口投与後バラシクロビルが代謝によりアシクロビルに加水分解され抗ウイルス作用を発現する。
単純疱疹はヘルペスウイルスの1種、単純ヘルペスウイルスによって起こります。
単純ヘルペスウイルスはⅠ型とⅡ型が大半を占めることになります。
Ⅰ型によるものは、口唇ヘルペスなどの上半身のものが多く。
Ⅱ型によるものは、臀部ヘルペス、性器ヘルペスなどの下半身のものが多いです。
症状は帯状疱疹ほど激しくはなく、場合によっては気がつかないままに治ることもあるようです。
単純ヘルペスウイルスは感染力が強いですが、主に接触感染でうつることになります。
タオルや食器などの物を介してうつることもあるので注意する必要があります。
帯状疱疹のように空気感染することはありません。
初感染の時の症状が一番強く、再発するにつれて症状が弱くなるようです。
ほとんど7割の人がウイルスを保持していて、再発による発症がほとんどになります。
ストレスや過労などが引き金となってウイルスに対する免疫力が低下すると、かくれていたウイルスが再び活動をはじめ再発します。
口唇ヘルペスなどは年に1回程度発症します。
臀部ヘルペスなどは年に数回ほど再発を繰り返します。
これら単純疱疹の症状はそれほどひどくなく後遺症は特にありません。
水疱の出現の仕方は帯状疱疹のように不規則な大きさが並ぶことはなく、どちらかと言えば均一な大きさのものが並ぶ傾向があるようです。
経口投与後バラシクロビル(バルトレックス)が代謝によりアシクロビルに加水分解され、そのアシクロビルは核酸類似体でありデオキシグアノシン三リン酸と競合的に拮抗してヘルペスウイルスDNAの複製を阻害するすることで、抗ウイルス作用を示します。
既存の経口抗ヘルペスウイルス薬と作用機序が同じため、交差耐性を示すことがあります。
バルトレックスは水痘・帯状疱疹ウイルス及び単純ヘルペスウイルスに対して抗ウイルス活性を有していて帯状疱疹や単純疱疹などにも適応症があります。
禁忌
1)本剤の成分あるいはバラシクロビル塩酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者
用法用量
単純疱疹、造血幹細胞移植における単純ヘルペス感染症の発症抑制、性器ヘルペスの再発抑制(他にも適用があります)
通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。性器ヘルペスの再発抑制にはバラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口投与する。なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/㎣以上)にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。
通常、体重40kg以上の小児には1回500mgを1日2回経口投与する。性器ヘルペスの再発抑制にはバラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口投与する。なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/㎣以上)にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。
通常、体重10kg以上40kg未満の小児には体重1kg当たりバラシクロビルとして1回25mgを1日2回経口投与する。ただし、1回最高用量は500mgとする。
通常、体重10kg未満の小児には体重1kg当たりバラシクロビルとして1回25mgを1日3回経口投与する。ただし、1回最高用量は500mgとする。
単純疱疹の治療においては、できるだけ早期に治療を開始することが望ましい。
単純疱疹の治療においては本剤を5日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること。
造血幹細胞移植における単純ヘルペス感染症の発症抑制には造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで投与する。
初発型性器ヘルペスは重症化することがあるので、本剤を10日間まで使用可能である。
本剤による性器ヘルペスの再発抑制療法は性器ヘルペスの発症を繰り返す患者(免疫正常患者においては、概ね年6回以上の頻度で再発する者)に対して行うこと、なお、状況に応じて投与回数や用量を調節すること。また、本剤を1年間投与後、投与継続の必要性について検討することが推奨される。
単純疱疹に適用がある剤型は
錠剤
バルトレックス錠500mg 405.6円/1錠
(苦みを防ぐため錠剤はコーティングされているので、つぶすことなく服用すること)
顆粒
バルトレックス顆粒50% 422.1円/1g
それぞれにジェネリック医薬品があります。
なお、ジェネリック医薬品には粒状錠もあります。
顆粒よりも大きな粒の錠剤みたいなものですね、飲みやすさのためです。
腎障害のある患者または腎機能の低下している患者、高齢者では、精神神経系の副作用があらわれやすいので、投与間隔を延長するなどして注意すること。
なお、腎障害を有する小児患者における本剤の投与量や投与間隔調節の目安は確立していない。
脱水症状をおこしやすい患者などでは、水分補給に気を付けること。
意識障害などがでるおそれがあるので、自動車の運転など、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意すること。(特に腎機能障害がある患者はよりあらわれやすい)
慎重投与
腎障害のある患者(精神神経症状などがあらわれやすい)
高齢者は腎機能が低下していることが多いため精神神経症状等があらわれやすい、慎重に投与すること。
ベネシッド(プロベネシド)と併用するとバルトレックスの活性代謝物の濃度が上昇するおそれがある。
タガメット(シメチジン)と併用するとバルトレックスの活性代謝物の濃度が上昇するおそれがある。
セルセプト(ミコフェノール酸 モフェチル)と併用するとバルトレックスの活性代謝物の濃度が上昇するおそれがある。
テオドール(テオフィリン)と併用するとバルトレックスの活性代謝物がテオフィリンの血中濃度を上げてその中毒症状を生じさせるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。
授乳婦では本剤投与は慎重に行うこと。(活性代謝物のアシクロビルが人母乳中へ移行することが報告されている)
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない)
乳児に対する安全性は確立していない。(使用経験が少ない)
薬としての効果
ゾビラックスをより吸収しやすくずるためプロドラッグ化しています、そして服用回数も1~2回になっています。
吸収しやすくなっているので効果も出やすくなっています。
安全性も副作用もゾビラックスとあまり変わりありませんが、効果が不十分な人がいるかもしれません。
バラシクロビルは主に腎臓から排泄されるため、腎機能による影響がありクレアチニンクリアランスに応じた投与設定の必要性があります。
副作用について
主な副作用としては、腹部不快感、頭痛、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛、傾眠、意識低下、である。
その他では発疹、じんましん、そう痒、肝機能検査値の上昇、めまい、腎障害、排尿困難等があります。
まれですが重大な副作用では、
アナフィラキシーショックなど
血液障害(汎血球減少(0.13%)、無顆粒球症(0.03%)、血小板減少(0.05%)など)
急性腎不全(0.02%)
精神神経症状(意識障害、せん妄、妄想、幻想、錯乱、痙攣、てんかん発作、麻痺、脳症など)(0.24%)
ひどい皮膚症状
呼吸抑制、無呼吸
間質性肺炎
肝炎、肝機能障害(0.05%)、黄疸
急性膵炎
まとめ
単純疱疹治療薬としてゾビラックスを改良して吸収しやすくし服用回数を1~2回にしたバルトレックスは、安全性が確立されていて、比較的副作用が少ない方ですが、効果が不十分な場合もあります。
ジェネリック医薬品が販売されているため、より安く治療できる場合があります。