あの痛みを伴う帯状疱疹にかかるのは免疫力が弱っている人になります。
年齢には関係なく、無理をするなどして免疫力が低下した時にかかることになります。
その時に医療機関で出される抗ウイルス薬はいろいろあります。
帯状疱疹治療薬アラセナ-A点滴静注用とは、薬としての効果と副作用について紹介します。
Contents
帯状疱疹治療薬アラセナ-A点滴静注用とは
日本では1984年3月より販売されている、帯状疱疹などの原因となるヘルペスウイルスに効く抗ウイルス薬の1つである「アラセナ-A点滴静注用」。
アラセナ-A点滴静注用にも、もう、ジェネリック医薬品がでていますが薬価が同じです。
ゆえに支払いは同じになります。
アラセナ-A点滴静注用の成分名はビダラビンである。
帯状疱疹はヘルペスウイルスの1種、水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こります。
水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染すると、水ぼうそうとして発症します。
治療により水ぼうそうが治ったあと、水痘・帯状疱疹ウイルスは体内の神経節に潜んでいます(潜伏感染)。
その後、加齢やストレス、過労などが引き金となってウイルスに対する免疫力が低下すると、かくれていたウイルスが再び活動をはじめ、神経を伝わって皮膚までやってきて、帯状疱疹として発症することになります。
なので、水ぼうそうにかかったことのある人は、誰でも帯状疱疹を発症する可能性があります。
アラセナ-A点滴静注用は核酸類似体でありデオキシグアノシン三リン酸と競合的に拮抗してヘルペスウイルスDNAの複製を阻害するすることで、抗ウイルス作用を示します。
既存の経口抗ヘルペスウイルス薬と作用機序が同じため、交差耐性を示すことがあります。
アラセナ-A点滴静注用は水痘・帯状疱疹ウイルス及び単純ヘルペスウイルスに対して抗ウイルス活性を有しています。
警告
ペントスタチン(コホリン)との併用で、腎不全、肝不全、神経毒性などの重篤な副作用が発現したとの報告があるので併用しないこと。
禁忌
1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2)ペントスタチン(コホリン)を投与中の患者
用法用量
免疫抑制患者における帯状疱疹(単純ヘルペス脳炎にも適用があります)
本剤は、通常、5%ブドウ糖注射液または生理食塩液を用いて用事溶解し、輸液500mlあたり2~4時間かけて点滴静注する。
通常、輸液500mlに本品1バイアル(300mg)を、輸液から10mlを取りバイアル内に中に注入して懸濁液を作成し輸液本体に戻し調整する。(2バイアル溶解する場合は結晶の析出に十分注意すること)
他剤との混注は可能なかぎり避け、溶解後は速やかに使用すること。
ビダラビンとして、通常1日5~10mg/kg、5日間点滴静注する。なお、症状・腎障害の程度により適宜増減する。
帯状疱疹患者に投与するときは、可能な限り早期(発症から5日以内)に投与を開始することが望ましい。
帯状疱疹の治療においては原則として皮疹出現後5日以内に治療を開始すること。
帯状疱疹の治療においては本剤を7日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること。
筋肉内及び皮下への投与は行わないこと。(低溶解性で吸収が不良である)
帯状疱疹に適用がある剤型は
注射剤
アラセナ-A点滴静注用300mg 5887.0円/1瓶
ジェネリック医薬品がでています。
慎重投与
腎障害のある患者(本剤の作用が増強されることがある)
骨髄機能抑制のある患者(骨髄機能抑制を助長するおそれがある)
膠原病の患者(副作用が出やすいとの報告がある)
アロプリノール(ザイロリック)、フェブキソスタット(フェブリク)と併用するとビダラビンの副作用が増強するおそれがある。
高齢者は腎機能が低下していることが多く、主に腎臓から排泄される本剤の排泄が滞り高い血中濃度が維持されるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(動物実験で催奇形作用が報告されています)
授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。(動物実験で乳汁中へ移行することが報告されています)
乳・幼・小児に対しては必要最小限の使用にとどめるなど、慎重に使用すること。特に、低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していないので、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
薬としての効果
帯状疱疹の注射薬のアラセナ-A点滴静注用は、重症例、合併症を伴う症例または免疫低下を伴う症例では本剤による治療を考慮する。
古くからあるゾビラックス点滴静注用が効果が無いときにも使われることがあります。
副作用について
主な副作用としては、悪心・嘔吐、食欲不振、GOT上昇、GPT上昇、発熱等の局所刺激症状である。
その他ではAl-P上昇、BUN上昇、クレアチニン上昇、頭痛、不眠、めまい、発疹、下痢、便秘、全身倦怠感、疼痛、筋肉痛、等があります。
重大な副作用
精神神経障害(0.1~5%未満)(振戦、四肢のしびれ、痙攣、意識障害、幻覚、錯乱など)
骨髄機能抑制(0.1~5%未満)
ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー様症状
まとめ
帯状疱疹治療薬としての注射薬アラセナ-A点滴静注用。
重症例、合併症を伴う症例または免疫低下を伴う症例では本剤による治療を考慮します。
主な副作用としては、悪心・嘔吐、食欲不振、GOT上昇、GPT上昇、発熱等である。
重い副作用はまれですが、過量投与になると精神神経症状(振戦、痙攣など)や骨髄機能抑制などが出やすくなります。