インフルエンザの症状として、特徴的なのは、高熱、頭痛、関節痛などがあります。
それらの症状が治まるのは、良くなってきていると思えてうれしいですが。
時にはタミフルを服用すると、過度に体温が下がることがあるようです。
タミフル服用で熱が下がりすぎといって喜んでいられない理由と注意点について紹介します。
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タミフル服用で熱が下がりすぎ
タミフルを服用して熱が下がったら、あ、治ってきたかなと思いますね。
高熱が下がるのはうれしいですからね。
でも、平熱程度までならいいのですが、過度に下げ過ぎてしまうことがあります。
ウイルスに薬が効いて熱がより下がってると思いますが。
ちょっと待ってください。
タミフルはウイルスには直接効かないのです。
ウイルスをやっつけて減らすわけではないのです。
ほんとに良くなっているのかなと疑ってみてください。
タミフルの役目は人間の免疫機構がウイルスと戦っているのを助けるだけです。
免疫機構がウイルスに対する防御態勢を作り上げるまで、時間の猶予を与えてくれてるだけなんです。
細胞で増えたウイルスが外に出るのを阻害しているだけなので、薬の効き目がなくなれば、ウイルスは外に出てきて、他の細胞にうつっていきます。
その増える速度が速いので、本来は体は高熱を出して対抗しているのです。
なので、人間の防御作用が効果を出してウイルスが少なくなったのではなく、薬の作用で熱を下げたのなら、これは問題になります。
喜んでいられない理由とは
タミフルの副作用のなかに、低体温というのがあります。
その他の副作用の中の1つで、頻度は0.1%以上と薬の説明書(添付文書)に書いてあります。
(この数字は、今後の低体温の頻度や他の副作用の頻度により変動していくと思います。)
以前の記事でも書いてますが、タミフルにはアルコールや睡眠剤、安定剤、麻酔剤と似ているところがあるらしく、強く作用すると、体温中枢が抑制されて”低体温”になります。
人によっては過度に作用して34℃まで下がったこともあるようです。
タミフルでインフルエンザウイルスの増殖が抑えられているんだけど、わざわざウイルス排除のために体がしていることを止めてしまうことになるんですね。
この副作用が出るということは、次の段階である呼吸抑制の副作用の恐れを考えなければなりません。
タミフルがより強く作用すると呼吸中枢に作用して呼吸がゆっくりになるようなのです。
呼吸がゆっくりになると、血液内の酸素が不足するようになり、「多呼吸」「過換気」の症状がでてきます。
そして状況によっては低酸素性のけいれんや脳の障害を起こすこともあるようです。
もっとひどくなれば、呼吸停止が起こることも考えねばなりません。
死亡の恐れもあるということです。
なのであまり軽く考えずに、状況により医療機関と相談して対応したほうがいいでしょう。
注意点について
副作用の起き方は人それぞれで違ってきます。
Aさんではなかったのに、Bさんでは極度の低体温というように。
大人では体重が千差万別なのに37.5kgの用量である75mg(オセルタミビルリン酸塩の量として)を服用します。
なので、体重が少ない人では、作用が強めに出やすいとも考えられます。
また、肝臓の解毒能力も個々人で違ってきますので、藥が分解されるまで時間がかかる人とかからない人がいることは明白です。
肝臓の解毒が遅れると、タミフルの作用も強いままなので低体温の副作用が出る確率が上がります。
また、タミフルに対する体温中枢や呼吸中枢の反応度合いの違いというものもあるのかもしれません。
なので、もし、低体温の症状がでたら、次の段階で起こりうる呼吸抑制のためにも医療機関に相談することを考える方がいいですね。
まとめ
タミフルの副作用はマスメディアの報道などで”異常行動”が目立っていますが、低体温という副作用にも注意する必要があります。
過度な心配はいりませんが、場合によっては呼吸中枢にも影響が出始めるかもしれないので、観察を充分にして医療機関に相談されることをおすすめします。