骨粗しょう症は特に女性に多い病気で、患者さんの80%以上が女性といわれています。
だから女性は若いころより男性よりも骨粗しょう症のことを気にかけておく必要があります。
そのためにはどうしたらいいかですが。
骨粗しょう症の原因についてと、日ごろから気を付けるべきことと栄養素について紹介します。
Contents
骨粗しょう症の原因
骨粗しょう症とは、なんらかの原因によって骨の新陳代謝のバランスが崩れて、骨吸収が骨形成を上回り、骨量の減少が著しくなることによって起こります。
その原因というのは以下のようなものがあります。
1)女性ホルモンの低下
女性ホルモンのエストロゲンは骨の代謝に大きな関わりをもっています。
エストロゲンの分泌の減少により骨の吸収が抑えられなくなったことで骨の形成が吸収に追いつかなくなり、骨量が減少することになります。
2)加齢
加齢とともに性ホルモンの変化や運動不足などにより、骨粗しょう症になる可能性が増えていきます。
3)栄養のアンバランス
まんべんなく栄養素を摂ることが必要ですが。特にはカルシウム、タンパク質、ビタミンD、ビタミンKなどの栄養素の摂取が重要でそれらの栄養素の絶対量の不足や吸収効率の低下などにより骨量は減りやすくなります。
4)運動不足
骨には適度な刺激が加わっていないと、形成が促進されないようです、そのため運動不足になると骨の吸収が進みがちになり骨量が低下するようになります。
5)喫煙
喫煙も骨粗しょう症を起こす1つの危険因子と考えられています。
6)飲酒
飲酒も骨粗しょう症を起こす1つの危険因子と考えられています。
7)無理なダイエットなどの生活習慣
食事制限のし過ぎの無理なダイエットをすれば栄養バランスを維持することができなくなり骨粗しょう症を起こしやすくなります。
8)病気や薬
原発性副甲状腺機能亢進やクッシング症候群などの内分泌系の病気や、糖尿病、間接リウマチなどの病気、ステロイド薬、メトトレキサート、ヘパリン製剤、ワーファリン、抗てんかん薬、リチウム製剤、タモキシフェン、アロマターゼ阻害薬などの薬によって、骨粗しょう症になりやすくなります。
9)遺伝や体質
家族に骨粗しょう症の方や足のつけね(大腿骨近位部)などの骨折をしたことがある人がいると、骨粗しょう症になる可能性が高くなります。また、痩せ体質の人の方が骨粗しょう症になる可能性があるともいわれています。
日ごろから気を付けるべきこと
1.食事に気を配るよう心がける
若いころより栄養バランスの良い食事をとるようにして骨の健康に欠かせない栄養素を十分に摂取しておくこと。
ダイエットを間違ったやりかたですると骨粗しょう症の可能性を高めるので注意しましょう。
栄養やカロリーのバランスが良い食事を規則的に摂ることがもとめられます。
2.骨を強くする運動を心がける
骨は、負荷がかかるほど骨をつくろうとする細胞の働きが活発になり、強くなろうとします。
散歩を日課にしたり、エレベータよりも階段を利用することで、日常生活の中で積極的に骨に刺激を与えるようにしましょう。
骨密度を上げるのに有効な運動には、ウォーキング、ジョギング、エアロビクスなどがありますが、ご自身のからだの状況に応じた方法を選択することが大切です。無理をし過ぎない程度にしましょう。
3.定期的に骨密度検査をする
症状がなくても、女性は40歳を過ぎたら定期的に骨密度検査をすることが望ましいです。
特に閉経後にはより注意することが必要です。骨密度の状態を把握しておくことで治療の時期を逃さないようにしましょう。
栄養素について
骨の健康にかかわる栄養素はたくさんあります。
バランスの良い食事を心がけることが骨粗しょう症予防の基本ですが、
なかでも骨の材料となるカルシウムは重要です。
日本人はカルシウムが不足しがちですから、成人以降は推奨量より100mg多めに摂ることを心がけましょう。
*女性のカルシウムの摂取推奨量:12~14歳(800mg)、15歳~(650mg)
*男性のカルシウムの摂取推奨量:12~14歳(1000mg)、15~29歳(800mg)、30~49歳(650mg)、50歳~(700mg)
カルシウムの多く含まれる食材:プロセスチーズ、牛乳、ヨーグルト、木綿豆腐、厚揚げ、高野豆腐、ひじき、サクラエビ、イワシ丸干し、小松菜、ちんげんさい、切り干し大根など
カルシウムは体に吸収されにくい栄養素です。
カルシウムを効率よく摂取するためには、カルシウムの吸収を助ける栄養素やそうでない栄養素も知っておきましょう。
カルシウムの吸収を助ける栄養素:ビタミンD(魚介類、干しシイタケ、きくらげなど)、ビタミンK(納豆、ブロッコリー、ホウレンソウ、チーズ、レバーなど)
カルシウムの吸収を妨げる栄養素:リン(インスタント食品、スナック菓子、炭酸飲料など)、食塩(漬物、加工食品、干し魚など)
骨を丈夫にするには、骨のコラーゲンの劣化防ぐことも重要です。
劣化を防ぐのに有効なものは、ビタミンB6(レバー、マグロ赤身、にんにく、ごまなど)、ビタミンB12(さんま、貝類、レバーなど)、葉酸(のり、緑茶、枝豆、モロヘイヤなど)です、
ビタミンDは日光を浴びることで確保することもできます。人間の皮下脂肪には日光(紫外線)を浴びることでビタミンDに変わる物質が含まれています。
1日に夏なら木陰で30分程度、冬なら1時間程度の日光浴で充分な効果が期待できます。ただ、ガラスを通した日光には紫外線が少ないため、窓越しの日光浴にはあまり期待できないことも知っておきましょう。
まとめ
骨粗しょう症の対策は食事管理と運動管理と言えるでしょう。まだ若いうちから生活の中に取り入れていくことが必要です。
日ごろから気を付けるようにして過ごしていきましょう。