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脂質異常症治療薬リピディルとは 薬としての効果と副作用について

 

 

生活習慣病の脂質異常症の治療において脇役的な役割を担っているフィブラート系の薬剤。

 

LDLコレステロールが高くない場合で中性脂肪(TG)が高い場合には処方されることになります。

 

なので調剤薬局ではこの種類の薬剤はスタチンほどではないですが良く調剤されています。

 

リピディルと同じ成分の先発薬でトライコアがあります。

 

脂質異常症治療薬リピディルとは、薬としての効果と副作用について紹介します。

 

Contents

脂質異常症治療薬リピディルとは

 

日本では2011年12月より販売されている、中性脂肪を主に下げるため使われるフィブラート系の薬の1つである「リピディル」。

 

これと同じ成分で用量が違うカプセル剤があります、フェノフィブラートカプセル67mgとフェノフィブラートカプセル100mgは今現在発売されています。

(吸収率の問題でリピディル錠53.3mgとフェノフィブラートカプセル67mg、リピディル錠80mgとフェノフィブラートカプセル100mgはそれぞれ同等とされています。)

正式なジェネリック医薬品としては2017年の12月ごろ発売予定です、薬の負担を減らそうとするならジェネリック医薬品の選択が可能になります。

(フェノフィブラートカプセルは今のところ見たことありません。)

 

 

フィブラート系は何種類かあるのですが、今、使われているのはほぼ2種類と言っていいくらいです。(ベザトールSRとリピディル)

 

リピディルの成分名はフェノフィブラートです。

 

同じ成分の先発薬でトライコアがありますが、リピディルに比べると使用されているのが少ないように思います。

 

脂質異常症は血液中のコレステロールやトリグリセリド(中性脂肪:TG)の数値異常がおこり、動脈硬化を早めたりするなど様々な病気を合併することになります。

 

PPARα(ペルオキシゾーム増殖剤活性化受容体α)を刺激することがわかったフィブラート系薬剤は肝臓においてタンパク質合成を促進し、中性脂肪(トリグリセライド(TG))の分解にかかわる酵素としてLPL(リポ蛋白リパーゼ)などのタンパク質の生成が促進されることにより、血液中の中性脂肪を低下させることになります。

また、フィブラート系薬剤はアセチルCoAから中性脂肪を合成するのに必要なアセチルCoAカルボキシラーゼを抑制することで中性脂肪の合成を抑える働きもあります。

HDLコレステロールの構成成分にはApoA-1、ApoA-2というタンパク質があり、PPARαが増加させるため、フィブラート系がPPARαを活性させることにより、HDLコレステロールが増加することになります。

 

リピディル(トライコア)には尿酸トランスポーターを阻害する作用があるため尿酸排泄作用を示し尿酸値が下がります。

 

リピディル(トライコア)は粉砕すると遮光をする必要があります。

 

 

 

禁忌

1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

 

2)肝障害のある患者

 

3)中等度の腎機能障害のある患者

 

4)胆のう疾患のある患者

 

5)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦

 

スタチン系薬剤を服用していて、中性脂肪が下がらない場合やHDLコレステロールが低い場合にフィブラート系の薬剤(メバロチン(プラバスタチン)、リピトール(アトルバスタチン)、リバロ(ピタバスタチン)、クレストール(ロバスタチン))などが併用されることがありますが。

腎機能の臨床検査値に異常がみられる場合には原則的には併用してはいけないことになっています。

副作用のうちの「横紋筋融解症」が起こりやすいことが理由です。

腎機能の臨床検査値に異常が見られない場合でも「横紋筋融解症」には注意が必要になります。

 

 

 

用法用量

高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症

 

通常、成人にはフェノフィブラートとして1日1回106.6~160mgを食後経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減するが、重症の場合は160mgまで増量できる。

 

TGのみが高い高脂血症には状況によって1日53.3mgから投与を開始してもよい。

 

(リピディル錠53.3mgとリピディル錠80mgがあります。)

 

治療に際しては十分な検査を実施し、薬剤の使用が妥当である場合のみに使用します。

 

 

 

慎重投与

肝機能検査に異常があったり肝障害の既往歴がある患者または軽度な腎障害のある患者には慎重に投与し、定期的に検査をして確かめるようにする。

 

胆石の既往歴のある患者は胆石形成が報告されているので慎重に投与する。

 

抗凝血薬(ワーファリン(ワルファリン))を投与中の患者(ワーファリン(ワルファリン)の作用を増強する)

 

高齢者は生理機能が低下していることが多いため慎重に投与すること。

 

小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない)

 

スルホニル尿素系血糖降下薬(アマリ―ル(グリメピリド)、オイグルコン(グリベンクラミド)など)の作用をリピディルは強めるので注意する。

 

陰イオン交換樹脂(クエストラン(コレスチラミン))はリピディルの作用を低下させることがある。

 

サンディミュン、ネオーラル(シクロスポリン)との併用は腎機能への影響を増大させることがある。

 

薬としての効果

 

フィブラート系は脂質異常症の治療においては脇役的な位置づけである、中性脂肪が高い場合によく処方されることが多い薬剤になります。

 

そのフィブラート系のお薬は、どれもそれほど効き目に大差がないとされています。

 

副作用について

 

主な副作用としては、γ-GTP上昇、GOT上昇、GPT上昇、肝機能異常、肝障害、血中クレアチニン増加、BUN上昇、CK上昇、胃部不快感、嘔気等である。

 

その他では発疹、そう痒感、口内炎、鼓腸、便秘、下痢、胸やけ、食欲不振、貧血、全身倦怠感、抗核抗体陽性などがあります。

 

重大な副作用は横紋筋融解症(0.1%未満)や肝障害(0.1~5%未満)、膵炎(頻度不明)があります。

 

頻度は少ないのですが、横紋筋融解症や肝障害には特に注意する必要があります。

手足・肩・腰などの筋肉痛、手足がしびれる、脱力感、全身倦怠感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇(尿が赤褐色になる)などがみられたら横紋筋融解症を疑う必要があります。

CKの値が基準値の10倍となることが横紋筋融解症の目安です。

 

横紋筋融解症よりも少し起こる確率が高い肝障害は、定期的に検査を行い、γ-GTP上昇、GOT上昇、GPT上昇などがあらわれると投与を中止するなど適切な処置を行う必要があります。

このような症状が見られた場合は服用を中止するなどの適切な措置をすることになります。

 

まとめ

 

生活習慣病でよくありがちな脂質異常症の治療で中性脂肪が高い場合にはフィブラート系が使われることがあります。その中で比較的新しいリピディルはよく使われている方です。

 

頻度が少ない重大な副作用で、横紋筋融解症と肝障害には注意する必要があります。

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