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脂質異常症治療薬コレバインとは 薬としての効果と副作用について

 

 

生活習慣病の脂質異常症(高脂血症)の治療において処方されることのあるコレバイン。

 

コレステロールが高い場合には補助的に併用で処方されることがあります。

 

調剤薬局ではこの薬剤はコレステロールが高い場合で追加とかでたまに調剤されることがあります。

 

脂質異常症治療薬コレバインとは、薬としての効果と副作用について紹介します。

 

Contents

脂質異常症治療薬コレバインとは

 

日本では1990年6月より販売されている、コレステロールを下げるため補助的に使われる薬の1つである「コレバイン」。

 

クエストランを改善したお薬です。

 

ジェネリック医薬品は発売されていないので、薬の負担を減らそうとジェネリック医薬品の選択は不可能である。

 

コレバインの成分名はコレスチミドである。

 

脂質異常症は血液中のコレステロールやトリグリセリド(中性脂肪:TG)の数値異常がおこり、動脈硬化を早めたりするなど様々な病気を合併することになります。

 

コレステロールは小腸での吸収や肝臓での合成で作られ、全身に運ばれて性ホルモンへの合成などに使われることになります。

そして、余ったコレステロールは肝臓で胆汁酸に変えられて、胆管をとおして小腸に排泄され、90%以上が再吸収され残りが体外に出ていくことになります。

 

コレバインの有効成分はコレスチミドで陰イオン交換樹脂でできたお薬です。

コレバインは主に食物中にある胆汁酸と結合してその糞中への排泄量を増やすことで、血清コレステロールを低下させる作用があります。

中性脂肪(TG)には影響しません。

なお、臨床成績ではHDLコレステロールは上昇したとの報告があります。

脂質異常症治療薬としての効果はそれほどでもなく、たまに追加で、スタチン系の薬と併用で使うことがあるようです。

 

 

 

禁忌

胆道の完全閉塞した患者(胆汁酸がかかわっているため)

 

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

 

腸閉塞の患者(本剤が腸管内で膨潤して、腸管穿孔を起こすおそれがある。)

 

 

 

用法用量

高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症

通常、成人にはコレスチミドとして1回1.5gを1日2回朝夕食前に水とともに経口投与する。

(十分な水(200ml)で服用すること、のどの奥に残っている場合にはさらに水を追加で飲ませること)

ただし、症状、服用状況を考慮して朝夕食後とすることが可能である。

なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日4gまでとする。

 

剤型としては錠剤でコレバイン錠500mgと顆粒剤でコレバインミニ83%があります。

コレスチミド1.5g=コレバイン錠500mg(3錠)=コレバインミニ83%(1.81g)

クエストラン9gに比べるとかなり少ない量で済むことになります。

 

温水(湯、温かいお茶等)で服用すると膨らんで服用できない場合があるので、常温の水あるいは冷水で服用させること。

 

錠剤の場合は1錠ずつ服用させること。

 

口中に長く含んでいると膨らんで服用できない場合があるので速やかに嚥下させること。

 

治療に際しては脂質異常症治療の基本である食事療法、運動療法などを検討し、薬剤の使用が妥当である場合のみに使用します。

定期的に検査を実施し、治療効果が認められない時には投与を中止すること。

 

 

 

慎重投与

便秘の患者または便秘を起こしやすい患者

 

腸管狭窄のある患者

 

腸管憩室のある患者

 

高齢者または嚥下困難のある患者

 

痔疾患のある患者

 

消化管潰瘍またはその既往歴のある患者

 

出血傾向のある患者(ビタミンKの吸収阻害に関係する)

 

肝疾患・肝機能障害またはその既往歴のある患者

 

長期使用するとさまざまな薬剤などを吸着することにより影響がでることが考えられます。

葉酸塩やビタミンA、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンなどの吸収を阻害することもわかっているので注意すること。

 

高齢者では、便秘、腹部膨満感などの症状が発現しやすいので注意する。

 

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回る場合に投与すること。

 

小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない)

 

薬としての効果

 

コレステロールが高いときはスタチン系が第一選択薬で、中性脂肪(TG)が高いときはフィブラート系が第一選択薬になります。

 

コレバインはコレステロールが高くてスタチン系で抑えられていない時に併用で使用を考慮することが多いお薬になります。

 

副作用について

 

主な副作用としては、便秘、腹部膨満感、嘔気、腹痛などである。

 

その他では嘔吐、消化不良、下痢、食欲不振、発疹、肝機能障害、動悸、CK上昇、頭痛、めまい、口内炎、倦怠感、浮腫、軟便などである。

 

まれに腸閉塞や腸管穿孔、横紋筋融解症があることも。

 

腸管穿孔や腹部膨満感、腹痛などはコレバインの吸着による膨張が原因となっています。

 

コレバインは下痢、腹部膨満感、腹痛などの胃腸症状が起こりやすいといえます。

 

まとめ

 

生活習慣病でよくありがちな脂質異常症の治療で、コレステロールの値を下げたいとかになった場合にはコレバインが補助的に使われることがあります。

 

副作用は少ない方ですが、便秘や腹部膨満感、軟便などの胃腸症状がでるかもしれません、まれに、腸閉塞や腸管穿孔、横紋筋融解症がみられることがあるので注意してください。

 

長期使用するとさまざまな薬剤などを吸着することにより影響がでることが考えられます。

葉酸塩やビタミンA、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンなどの吸収を阻害することもわかっているので注意すること。

 

参考記事⇒脂質異常症治療薬クエストランとは 薬としての効果と副作用について

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