あの痛みを伴う帯状疱疹に効き目のある新薬が2017年9月より発売されています。
発売されたからといって、市販薬ではありません、医療用医薬品として発売されました。
既存の抗ヘルペス薬に比べてメリットがあるそうですがいかがでしょう。
新しい帯状疱疹治療薬アメナリーフとは、薬としての効果と副作用について紹介します。
Contents
帯状疱疹治療薬アメナリーフとは
日本では2017年9月より販売されている、帯状疱疹などの原因となるヘルペスウイルスに効く抗ウイルス薬の1つである「アメナリーフ」。
出たてほやほやの新薬で、この先、薬の負担を減らそうとおもっても、ジェネリック医薬品は当分出ないお薬になります。
アメナリーフの成分名はアメナメビルである。
帯状疱疹はヘルペスウイルスの1種、水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こります。
水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染すると、水ぼうそうとして発症します。
子供のころにかかった人もいるでしょう。
治療により水ぼうそうが治ったあと、水痘・帯状疱疹ウイルスは体内の神経節に潜んでいます(潜伏感染)。
その後、加齢やストレス、過労などが引き金となってウイルスに対する免疫力が低下すると、かくれていたウイルスが再び活動をはじめ、神経を伝わって皮膚までやってきて、帯状疱疹として発症することになります。
なので、水ぼうそうにかかったことのある人は、誰でも帯状疱疹を発症する可能性があります。
通常、一生に1回とか言われていますが、免疫力などによりまちまちでしょう。
アメナビルはヘルペスウイルスDNAの複製に必須の酵素であるヘリカーゼ・プライマーゼ複合体の活性を阻害することで、二本鎖DNAの開裂及びRNAプライマーの合成を抑制し、抗ウイルス作用を示します。
これまで日本で発売されていた経口抗ヘルペスウイルス薬はすべて核酸類似体であり、デオキシグアノシン三リン酸と競合的に拮抗してウイルスDNAの複製を阻害することで抗ウイルス作用を示します。
このように、既存の経口抗ヘルペスウイルス薬と作用機序が異なるため、交差耐性を示しません。
つまりは、これまでの薬が効かなくなっていても関係なく効果を発揮するということです。
アメナビルは水痘・帯状疱疹ウイルス及び単純ヘルペスウイルスに対して高い抗ウイルス活性を有することが確認されています。
ただ、今回は帯状疱疹として臨床試験を行い、適応症は「帯状疱疹」のみを取得しています。
禁忌
1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2)リファンピシンを投与中の患者(相互に効き目が低下するおそれがある)
用法用量
帯状疱疹
通常、成人にはアメナメビルとして1回400mgを1日1回食後に経口投与する。
本剤はつぶすことなく服用すること(コーティングしている)。
本剤の投与は、できるだけ早期に投与を開始すること、目安としては、皮疹出現後5日以内が望ましい。
本剤は、原則として7日間使用すること。改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合は、速やかに他の治療に切り替えること。
本剤は、悪性腫瘍や自己免疫性疾患など免疫機能の低下を伴う患者に対する有効性及び安全性は確立していない。
成人で帯状疱疹の場合の薬価比較では、
薬価はアメナリーフ錠200mgが1錠1469.7円です。1日薬価は2939.4円
ゾビラックス錠400mgが1錠352.3円のため通常の1日薬価は3523円
バルトレックス錠500mgが1錠405.6円のため通常の1日薬価は2433.6円
ファムビル錠250mgが1錠489.9円のため通常の1日薬価は2939.4円
ゾビラックスもバルトレックスもジェネリック医薬品があるのでアメナリーフよりもかなり安くなりますが、効き目の方はどうでしょうか?
個人差があるのでなんとも言えないですね。
慎重投与
ミダゾラム、レンドルミン(ブロチゾラム)、アダラート(ニフェジピン)等と併用するとこれらの薬剤の作用を減弱するおそれがある。
ノービア(リトナビル)、クラリス・クラリシッド(クラリスロマイシン)等と併用するとアメナリーフの血中濃度が上昇するおそれがある。
グレープフルーツジュースを飲むと、一定期間、アメナリーフの血中濃度が上昇するおそれがある。
サンディミュン、ネオーラル(シクロスポリン)と併用するとアメナリーフの血中濃度が低下し作用が減弱するおそれがある。
ミコブテイン(リファブチン)、テグレトール(カルマバゼピン)、フェノバルビタール等と併用すると相互に効き目が低下するおそれがある。
セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有製品を摂取すると相互に効き目が低下するおそれがある。
ストックリン(エファビレンツ)と併用するとエファビレンツの薬の作用を減弱するおそれがある。
高齢者は生理機能が低下していることが多いため慎重に投与すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。
授乳婦では本剤投与中は授乳を避けること。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない)
薬としての効果
帯状疱疹のための新しい作用機序の薬なので、交差耐性がなく良好な効果がもたらされると期待できます。
今までの薬と違い1日1回の投与で有効となりました。(帯状疱疹の場合)
アメナメビルは主に糞中に排泄されるため、他の帯状疱疹の薬に比べ、腎機能による影響が小さくクレアチニンクリアランスに応じた投与設定の必要性がありません。
副作用について
主な副作用としては、β-NアセチルDグルコサミダーゼ増加、α1ミクログロブリン増加、フィブリン分解産物増加、心電図QT延長である。
その他では薬疹(紅斑、湿疹、発疹等)、BUN増加、尿中蛋白陽性、好塩基球数増加、好酸球数増加、リンパ球数増加、赤血球数減少、白血球減少、白血球増加、血小板数増加、Al-P増加、GPT増加、肝機能検査異常、肝酵素上昇、直接ビリルビン増加、血中ビリルビン増加、下痢、胃炎、悪心、高血圧、ST上昇、血中尿酸増加、尿糖陽性、歯周炎、歯膿瘍、アミラーゼ増加、血中クロール減少等があります。
使用されるにつれて、副作用がもっといろいろわかってくるかもしれないですね。
まとめ
アメナリーフという帯状疱疹に効き目のある新薬が2017年9月より発売されています。
新しい作用機序ということで、効き目に期待が持てます。
これで1つの選択肢が増えました。