くすりのサイト

プール熱の原因や症状と 治療薬はあるのか 注意すべき点について

 

 

夏風邪の一つにプール熱があります。

夏に入ることが増えるプールでうつることが多いため、プール熱と呼ばれていますが,プール以外でもうつることがあります。

年間を通じて発生しますが、主に夏季に流行します。

別名「咽頭結膜熱」と呼ばれています。

乳幼児が感染することが多いですが、感染力も強いため、大人が感染するおそれがあります。

プール熱は学校保健安全法で学校感染症の第二種である感染症です。

第二種は飛沫感染するもので、児童生徒等の罹患が多く、学校における流行を拡げる可能性が高いものであるため、7日以内に国へ届けなければなりません。

そんなプール熱の原因や症状、治療薬があるのかとか、注意すべき点について紹介します。

(厚生労働省などの情報によります)

 

Contents

プール熱の原因や症状

アデノウイルスには51種類のタイプ(血清型)が知られていて、その中の3型と7型がプール熱の主な原因ウイルスだと言われています。

他のタイプでもプ―ル熱になることがあります。

なので、1度かかったあとにまたうつることもありえます。

 

アデノウイルスに触れたり、くしゃみなどで浮遊している飛沫を吸いこんだりすることなどでうつります。(接触感染・飛沫感染・糞口感染)

経路としては、口、鼻やのどの粘膜、眼の結膜から体の中に入るので注意しましょう。

うつった(感染した)ところで、必ず発症するわけではないこともおぼえておきましょう。

 

症状は3つが主なものです。高熱・のどの炎症(咽頭炎)・眼の炎症(結膜炎)です。

高熱は、39~40℃の熱が3~7日続いたりします。(手足口病やヘルパンギーナよりも長めです)

のどの炎症は、のどが真っ赤にはれて、痛みを伴うことが多く3~5日続きます。

眼の炎症は、痛みやかゆみがあり、目ヤニがでて、光がまぶしくなったり、涙が止まらなくなったりします。

一般的に片方の眼から症状がでて、そのうちにもう一方の眼にも症状が出るようになることが多いです。

他の症状としては、頭痛や吐き気、腹痛や下痢があります。

かかってから症状がでるまでの潜伏期間は5~7日です。

 

プール熱の治療薬はあるの

アデノウイルスが原因であるため、ワクチンや特効薬はありません。

症状がでたときにそれを緩和する対症療法のお薬だけですね。

以前は、アデノウイルスを検査で確かめることができなかったため、抗生剤を投与して様子を見ることもあったようですが。

今は迅速測定キットがあるため確認することが可能で無駄に投与することはなくなりました。

基本的にはアデノウイルスに効果があるものはないため、対症療法をして人間の免疫で自然に治るのを待ちます。

そのためには、できるだけ安静にして睡眠を十分にとり免疫力を高めるようにしてください。

 

対症療法の薬としては、高熱やのどの痛みのために解熱鎮痛剤、のどの痛みのために非ステロイド性抗炎症薬、

口内炎がひどい場合には弱いめのステロイド剤が入っている塗り薬やパッチ剤を局所に限定的に使うこともあるようです。

眼には目ヤニや結膜炎などの眼の症状を和らげるような点眼薬を使います。

炎症を和らげるという意味でステロイド性抗炎症剤の入った点眼薬と、二次感染を防ぐという意味で抗菌薬の入った点眼薬を使うことが多いようです。

局所に限定的にということで使っているのです。

解熱鎮痛薬・・・カロナールなど

口内炎治療薬・・・トランサミンなど、ケナログなど(塗り薬)

結膜炎など・・・フルメトロンなど

市販の薬はあるものとないものがあります、フルメトロンのようなステロイドの入った目薬はありません。

プール熱の場合は医療機関でちゃんと診断し経過を見てもらう方が良いと思います。

 

プール熱の注意すべき点について

アデノウイルスは、感染力がとても強いウイルスです。咳などで空中に浮遊している飛沫が眼や鼻の粘膜などに付着したり、ウイルスの付着している患者さんの体や使用したタオル、排泄物などに触れ、手などを介して口へ運ぶことなどからも容易にうつることがあります。

タオルを分けて使ったり、患者さんには風呂を最後に入ってもらったり、できれば隔離するほうがいいかもしれません。

 

感染しても症状がでずに、原因ウイルスを排泄している場合があります。

感染して症状が落ち着いて見かけ上治っている場合でも、比較的長い期間(3週間以上)、便などからウイルスが排泄されることがあります。

ですので、誰がウイルスを排泄しているのかは特定しずらいです。

なので、流行っている情報が出ていないときから、しっかりとした手洗いやうがいをすることが重要です。

 

排泄物の処理

排泄物は、ゴム手袋をして、できればマスク、ゴーグルを着用し、ペーパータオルなどで、外側から内側へと周囲に拡大させないように

拭きとります。拭きとったものはビニール袋を二重にして入れ密封して破棄します。

排泄物の付着した所は塩素系消毒剤200ppm程度(キッチンハイターなどを約200倍に薄めて使用)で消毒します。

消毒液は噴霧で使用しないようにします。(病原体が舞い上がることを防ぐため)

処理後、作業をした人はせっけんを使って流水で必ず手を洗うようにします。

200倍に薄める目安は:1Lのペットボトルに水を入れ(1L)そのキャップ1杯(約4ml)のキッチンハイターを入れる。

キッチンハイターでなくとも塩素濃度5~6%の漂白剤であればOK。

 

のどが痛いなどで、食欲不振がちになるので、刺激のない固くない食べ物(ヨーグルト・ゼリーなど)と水分を充分にとるように

心がけてください。

 

子供がかかった場合は「学校保健安全法」により主要症状が治まったのちの2日間は出席停止と定められています。

プール熱と診断されれば学校に速やかに連絡し「傷病証明書」を受け取ります。そして症状がなくなり、

医師の診断で許可が出たら、証明書に登校許可日を記入してもらい、学校へ提出する必要があります。

この場合の欠席は学級閉鎖や忌引きと同じ扱いになります。(証明書をもらった場合)

主要症状とは、発熱・咽頭炎・結膜炎です。

 

大人にはこのような規定はありません、ただ、モラル的には周りにうつさないような配慮が必要でしょう。

マスクをする。咳をなるべくしないようにうがいをよくするなどするようにしましょう。

 

まとめ

感染力の強いプール熱、学校保健安全法でもその対応は重めです。

眼の症状が特徴なので、できれば早めに対応し二次感染をしないようにしましょう。

モバイルバージョンを終了