昔は、知られていなかったノロウイルスも今では冬場になると騒がれるようになりました。
以前、勤めていた病院でも、10月以降の冬場の対策には頭を悩ませてました。
そんなノロウイルスの対策にも時間とともに新たな展開が望めそうです。
ノロウイルスの対策について ワクチンの可能性は その他の予防法について紹介します。
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ノロウイルスの対策について
消毒については、ノロウイルスは脂質の膜をもたないので、アルコールの効き目は限定的である。
一番効果的とされているのは次亜塩素酸ナトリウムであるが、使うところが限定される側面があります。
次亜塩素酸ナトリウムと言えば、家庭で使うものとしてハイターなどがありますね。
キッチンハイターなどはまな板を漂泊したりしているので、漂泊作用があるのはご存知ですね。
また、次亜塩素酸ナトリウムには金属を腐食する作用もあるので、濃度により注意が必要になります。
ノロウイルスへの効果のためには濃度を上げることが必要とされているので、じれったい話です。
なるべくなら高濃度ということなので、不確かなものを使うことになります。
漂泊作用や腐食作用があるので、もちろん人体には要注意です。
なので、効き目がそれほどない消毒用アルコールなどを使うことになります。
あとはせっけんなどで物理的にもこすりおとすよう働きかけます。
流水で洗い流すなどします。
つまりは、ノロウイルス対策では、
1)手洗いとしては、せっけんなどを使って流水で洗い落とした後で、消毒用エタノールで消毒する。
2)汚染が激しいとされるトイレには次亜塩素酸ナトリウム(1%)を使って消毒する。
3)マスクを着用する。(口から侵入するので、確実とは言えないが少しは効果がある)
などが有効とされてきました。
最近の動向が少し変わってきたので以下で報告したい。
ワクチンの可能性は
以前よりワクチン作成のためにノロウイルスの増殖が必要とされていましたが、増殖する方法が見つからず、ワクチン開発には暗雲がたちこめていました。
そんななか、2016年に海外で、人間の小腸から採取した細胞を使ってノロウイルスを体外で増やすことに成功しています。
ただ、日本では倫理的な問題があるため腸の組織を人間からとることはできません。
そして、採取して行うやりかたでは、ある組成の胆汁を加えなけれならないので、詳細な情報を知らないと増殖はできない。
そこで大阪大微生物研究所の佐藤准教授らのチームが人のiPS細胞から作成した腸管上皮細胞で増殖させられることを発表しました。
iPS細胞から腸管上皮細胞へ分化させることが難しく、それを成し遂げたことが功績ですね。
分化を促す増殖因子や化合物の組み合わせを発見したようです。
このことでワクチン開発やウイルス検出キットの開発に期待がもてるようになりました。
今後の研究を見守りたいですね。
その他の予防法について
いろんなところで新しい研究がなされています。
北海積大学では、ある種の腸内細菌にはノロウイルスだけを吸着する作用があることから、ノロウイルスをまとめて補足する研究をしているし、
広島大学では、渋柿に含まれるタンニンにノロウイルスを固め、感染できない状態にしてくれることを解明し消毒薬として使うことを提案している。
また、乳製品に含まれるラクトフェリンはノロウイルスの予防効果があると言われている、毎日摂取している人とそうでない人では、摂取している人の感染率が3分の1だったとか。
今後日の目をあびるものが出てきそうですね。
期待しておきましょう。
まとめ
今後のノロウイルスの対策に明るい材料が出てきましたね。
ワクチンの開発やウイルス検査キットができれば、ノロウイルスの感染に神経質になっている患者さんに新たな希望が出てくるでしょう。
今後の推移を見守りましょう。