長いひげの持ち主で個性的ないでたちのオーブリ―・デ・グレイ博士は、
ぱっと見ただけでは偉大な研究をしている人だとは想像がつきません。
シリコンバレーで不老不死の研究をしているオーブリ―・デ・グレイ博士にせまってみたいと思います。
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オーブリ―・デ・グレイ博士とは
オーブリ―・デ・グレイ博士とは、
1963年4月20日にロンドンで生まれ、ケンブリッジ大学で最初はコンピューターサイエンスを学び、
その後、老化に関する研究を開始している。
このことは彼の妻が同大学遺伝学研究室に働いていることからもたらされたようである。
コンピュータープログラマーとして妻の研究を手伝っているうちに興味が湧いていったらしい。
イギリスの生物学者であり老年学者であるオーブリ―博士。
シリコンバレーにおけるアンチエイジング研究の中心的人物である。
「老化を止める」技術の開発を目標とするSENS研究財団の共同創立者兼最高化学責任者を務めている。
「人間の寿命は1000歳まで延びる」と主張していることでも知られる。
不老不死の研究
オーブリ―博士は、人間が老化するのは、身体に溜まる「ゴミ(老廃物)」が原因と考える。
だから、人間の体から、溜まったゴミなどを除去すれば老化を防ぐことができると考えている。
工学者ならではの発想に基づいたものですね。
「老化は決して避けられない運命ではなく、体にさまざまなダメージが蓄積された結果として起こる[病気]に過ぎない。人体のダメージを包括的に修復すれば、老化は治癒できる」
と主張しています。
「老化を止める7つの科学-エンド・エイジング宣言」(2008年7月)という本はオーブルー・デ・グレイとマイケル・レイによるものである。
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この本によると、長寿を阻む原因を以下の7つと書いている。
1)組織の硬化
2)細胞内にあるミトコンドリアの突然変異
3)細胞内に溜まるゴミ
4)細胞外に溜まるゴミ
5)衰えて機能しない細胞
6)死んだ細胞からの毒素
7)細胞核の突然変異=がん
これらをどうするかが問題としています。
例えば、細胞内に溜まるゴミをどうするかについては、オーブリ―博士は、外からなにかそれらのゴミを分解するものを与えればいいのではと考えているようである。
その分解するものは、例えばバクテリアのようなもの、お墓の自浄作用からそこに棲むバクテリアが使えるのではと考察されています。
これらの中で特に問題なのは細胞内にあるミトコンドリアの突然変異をどうするかですが、現在では成功のめどが立っています。
動脈硬化の原因となる細菌を見つけ、その撃退に成功したことが大きな足掛かりになりました。
次に問題なのはがんの克服についてでした、
このことについてはがん細胞のテロメアーゼの拡大阻止により増殖を止められるとにらんでいます。
ただ、正常な細胞にもテロメアーゼが必要なので、幹細胞療法の開発により解決しようと試みています。
今の時点ではもうすべてが解決されているかもしれないですね。
オーブリ―博士は、寿命脱出速度(LEV)をカーツワイルとともに主張している。
全ての人の平均余命は1年経過するごとに1年以上伸びていけば寿命が永遠に伸び続けます、これが寿命脱出速度(LEV)である。
今後25年以内に人類はLEVに到達すると予想している。
起業家グレッグ・ベイリーは、アンチエイジングの分野での重要な発見の大半は、過去5年間に集中していて、コンピューターの半導体にシリコンチップが使われるようになった時に匹敵する。
「爆発的な技術進化」が起きているという。
今がアンチエイジングに投資する最適なタイミングであると断言している。
あらたな一面
また、オーブリ―博士には別の側面があります。
60年にわたって数学者を悩ましてきた「ハドヴィガー=ネルソン問題」の解決に大きな貢献をしている。
科学論文のプレプリント投稿サイト「arxiv.org」に論文を2018年4月に掲載したのである。
専門外の彼がなぜ難解な数学の問題を解き明かすことができたのでしょうか。
老化の問題に挑んでいる彼だからこそできたと思いたいですね。
まとめ
細胞を家を掃除するごとくに掃除できれば寿命が延びるという考え方には驚かされましたが、
よく考えてみるとそうかもしれないと思うようになりました。
死なないという考えは今の時点では受け入れがたいですが、デ・グレイ博士の言葉を信じてみたい気がします。
ビル・アンドリュース博士とともにオーブリ―・デ・グレイ博士の研究のこれからを見守っていきたいですね。
参考記事⇒ビル・アンドリュース博士とは ヒトテロメアの第一人者?功績は?
参考記事⇒テロメアとは 若さを保つにはどうする?健康寿命へのあくなき挑戦