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テロメアとは 若さを保つにはどうする?健康寿命へのあくなき挑戦

投稿日:2019年10月16日 更新日:

 

 

 

若さを保つことは昔からの人間の希望であった。

 

でも、長きにわたってそれは不可能ではないかとされてきました。

 

その想いに、一筋の光明がそそがれたのは、1つのノーベル医学・生理学賞の受賞から始まりました。

 

テロメアとは 若さを保つにはどうする?健康寿命へのあくなき挑戦について紹介します。

 

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テロメアとは

 

テロメアとは遺伝情報をもつ染色体のある部分のことを言います。

 

テロメアはギリシャ語で「末端」を意味する(teros)と「部分」を意味する(meros)から作られた言葉である。

 

名前の表すとおり染色体の末端部分の構造のことを言います。

 

人間の体にある37兆2千億個の細胞それぞれには核がありその中に染色体が存在します。

 

染色体にその細胞に必要な遺伝情報が保持されていて、細胞分裂するときに新しい細胞へと受け継がれてきます。

 

染色体とは遺伝情報の発現と伝達を担う生体物質であり、細胞核内にあるヒストンと呼ばれるタンパク質にDNAが巻き付いた、細胞分裂期に観察される棒状の塊のことを言います。

(ヒストンは細胞核に最も多く存在する塩基性のタンパク質でDNAを核内に収納する役目を担います)

 

1つの細胞の中に44個の常染色体と2個の性染色体が存在し、性別を決めるカギを握っています。

 

人間の染色体はミトコンドリアや細菌などが持つ環状のDNAではないので、末端複製問題が起こります。

 

直鎖状染色体DNAが複製されるとき新生DNA鎖の5’末端はもとのDNAに比べて短くなるのです。

 

分裂を繰り返すたびに短くなってくるという問題が末端複製問題と呼ばれています。

 

DNAが短くなって正確に遺伝情報がコピーできなくなるのを防ぐために、テロメアというのが存在するのです。

 

もし、ちゃんとコピーできなければ、基本的に細胞はアポトーシス(細胞死)することになりますが、そうならずに生き残ってしまう場合があります。

(アポトーシス:個体をより良い状態に保つために、管理・調節された(プログラムされた)細胞の自殺のこと)

 

これが、病気のもとになったり、がん化する細胞のもとになったりします。

 

テロメア短縮で生じる病気の例としては、

 

エイズ、アルツハイマー病、癌、心臓血管疾患、ダウン症、全身免疫不全、慢性閉そく性肺疾患、特発性肺線維症、肝硬変、加齢黄班変性症、筋ジストロフィー、変形性膝関節症、骨粗しょう症、関節リウマチ、などがあります。

 

この中にビル・アンドリュース博士は「老化」というものを病気として加えています。

 

ゆえに、細胞分裂がちゃんとされることは極めて重要なことだと言えます。

 

細胞分裂がちゃんとされるためには、テロメアの保護が重要なことになります。

 

テロメアは真核生物の細胞の中にある染色体の末端にあり、特徴的なくりかえし塩基配列をもつDNAととさまざまなタンパク質からなる構造である。

(真核生物・・・動物、植物、菌類、原生生物など、身体を構成する細胞の中に細胞核と呼ばれる細胞小器官をもっている生物のことである。)

 

テロメアの塩基部分は、人間などの哺乳類ではTTAGGGの6つの塩基の反復になっています。

A・・・アデニン、G・・・グアニン、T・・・チミン

このような一見無意味な構造が繰り返されています。

 

末端のすり減っていく部分なので、遺伝情報として認識されないためにこういうふうな配列になっているのかもしれないですね。

 

そして構造に含まれるさまざまなタンパク質は、テロメアの形成・保護・長さの調節に関わり、細胞の状態に応じて組成や酵素活性が変化しテロメアの制御をしていると考えられている。

 

テロメアの保護・伸長にかかわるものとしてテロメラーゼという酵素が発見されています。

 

テロメラーゼはテロメア末端転移酵素とも呼ばれています。

 

テロメラーゼは、テロメアを延ばすための鋳型となるべきRNA構成要素と逆転写酵素活性を持つ触媒サブユニットおよびその他の制御サブユニットで構成されている。

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この構成がテロメア末端転移酵素と呼ばせているのである。

 

この酵素が発現されている細胞ではテロメアの長さが維持されヘイフリック限界がなくなります。

 

つまりは、テロメアが短くなって50~60回で終わる細胞分裂が永遠に続くようになり、ひいては寿命が延びるということです。

参考記事⇒ヘイフリック限界とは 細胞老化や寿命、テロメアとの関係について

 

ただ、テロメラーゼは人間の通常の細胞では発現せず、生殖細胞やがん細胞、幹細胞(少し発現)の3種類の細胞で発現しています。

 

これは長い年月で作り上げた人間の営みなのだと思います。

 

精子や卵子という生殖細胞が分裂回数を重ねることでテロメアが短縮すれば、受精した生殖細胞になって、育成に必要なテロメアの長さを持たない状態で生まれてくることになり、早く老化したり、早く亡くなってしまうという健全でない状態がもたらされます。

 

だから、生殖細胞はテロメラーゼが発現している状態なのだと考えられています。

 

がん細胞がテロメラーゼが発現し続けて増殖し続けるのは、いまだに解明されていませんが、おそらく何かが死へと誘導しているのだと思います。

 

それから、幹細胞が少しだけ発現しているのは新しい細胞をいろいろ分化させるためでしょう。

 

このように人間の生死は、ある意味テロメラーゼでコントロールされています。

 

人間には約270種類の細胞があることがわかっているので267種類ほどはテロメラーゼが発現しない細胞になります。

 

テロメアの塩基は生まれる前は1万5千ほどありますが、生まれてすぐに1万になり、細胞分裂を停止する前には5千ほどになってしまいます。

 

若さを保つには

 

テロメアを欠いた染色体は細胞によって異常なDNA末端とみなされ酵素による分解や、修復機構による染色体末端同士の異常な融合が起こります。

 

つまりはDNAのコピー異常が起こるのです。

 

がん化するのもこのことが原因と考えられています。

 

つまりはテロメアの長さをある程度維持できていれば人間は健康に長生きできるのではと考えられています。

 

テロメアの伸長には、テロメラーゼの発現が必要とされていますが、

 

発現させるには、効果的な運動や食事、睡眠、環境、ストレス対処法などによっても可能とする研究結果が発表されています。

 

詳しいことは、テロメアの発見者ブラックバーン博士の「テロメアエフェクト」という本をご覧ください。

参考記事はこちら⇒テロメアの先駆者エリザベス ブラックバーン教授について

 

また、ビル・アンドリュース博士の研究で発見されたテロメラーゼ誘導活性物質(TAM)の力でテロメラーゼの発現を後押しすることもできるようです。

参考記事⇒ビル・アンドリュース博士とは ヒトテロメアの第一人者?功績は?

 

世の中に存在する生き物の中にはロブスターのようにテロメラーゼが発現し続けて、400年とか500年もの間生き続けるものがいくつか存在します。

 

そういう生き物の生きざまを見れば、テロメラーゼをコントロールできれば寿命をコントロールできるのではと、ビル・アンドリュース博士の研究が始まり、

 

テロメラーゼ誘導活性物質の発見につながったのでした。

 

最適な生活習慣やテロメラーゼ誘導活性物質などで健康寿命が延ばせれば、良い人生が送れると思いませんか。

 

 

まとめ

 

長い間の人間の悲願である若さの維持・長寿の獲得への道しるべが少しづつ見えています。

 

研究成果からのいろんなことを実践してみませんか。

 

そうすれば願いが叶えられる可能性がでてきます。

 

参考記事⇒テロメア測定世界リーダーのライフ・レングス社とは テロメア分析テクノロジーについて

参考記事⇒テトラヒメナとは ノーベル賞に貢献 テロメアの研究にも使われる

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