吸入薬指導加算とは2020年診療報酬改定にて初めて新設された薬剤服用歴管理指導料の1つである。
原則として3ヶ月に1回30点を算定できる。
算定要件は、該当する患者の同意や求めがあったかどうか、適切な吸入手技の指導ができているか、服薬情報提供書などが提出されているかなどが必要です。
吸入薬指導加算やその算定要件や服薬情報提供書についての詳細は本文を参照してくださいね。
Contents
吸入薬指導加算とは
吸入薬指導加算とは2020年診療報酬改定にて初めて新設された薬剤服用歴管理指導料の1つである。
喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者が吸入器を適切に使用し、治療効果の向上や副作用の回避につながるよう以下の1)2)を行った場合に3ヶ月に1回に限り算定できる。
1)文書および練習用吸入器を用いて、吸入手技の指導を行い、患者が正しい手順で吸入薬が使用されているか否かなどの確認などを行うこと。
文書などについては群馬県薬剤師会にて「吸入薬の標準吸入手順」が示されてますので参考にしてください。
2)保健医療機関に対し、文書による吸入指導の結果等に関する情報提供を行うこと。(手帳により情報提供をすることでも差し支えない)
ただし、患者への吸入指導を行った結果、患者の当該吸入薬の使用について疑義などがある場合は、処方医に対して必要な照会を行うこと。
なお、保健医療機関に情報提供した文書などの写しまたはその内容の要点などを薬剤服用歴の記録に添付または記載すること。
また、以下の3)4)の場合に患者の同意を得て行うものであること。
3)保健医療機関の求めがあった場合。
4)患者若しくはその家族等の求めがあった場合等、吸入指導の必要性が認められる場合であって、医師の了解を得たとき。
当該加算に係る吸入指導を行うにあたっては、日本アレルギー学会が作成する「アレルギー総合ガイドライン2019」などを参照して行うこと。
事前準備について
・処方箋の備考欄に「吸入薬指導」と記載すること
・吸入薬指導の依頼書を発行すること
・フィードバック方法
などについて門前の医院に対しては直接相談したり、総合病院などに対しては、薬剤師会や医師会などを通すなどして相談しておく。
吸入薬指導加算 30点の注意点!
当該加算の算定では同じ患者に、服薬情報等提供料やかかりつけ薬剤師指導料(包括管理料)との同時算定はできない。これはかかりつけ薬剤師以外の保険薬剤師が吸入指導した場合でも算定はできない。
当該加算の算定に関する保健医療機関への情報提供については、服薬情報等提供料は同時に算定できない。
3ヶ月に1回算定可能の例外!
ただし、当該患者に対し他の吸入薬が処方された場合であって、必要な吸入指導などを別に行ったときには、前回の吸入指導加算の算定から3ヶ月以内であっても算定できる。
算定要件
算定要件を以下に示します。
1.喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者に対し行うものであること。
2.吸入薬の投薬が行われている患者本人あるいはその家族から求めがあった場合等、吸入指導の必要性が明らかであり、なおかつ医師の了解を得ている、または保健医療機関の求めに応じて、患者本人の同意を得た上で行うこと。
3.文書および練習用吸入器を用いて、吸入手技の指導を行い、患者が正しい手順で吸入薬が使用されているか否かなどの確認などを行うこと。
4.保健医療機関に対し、文書による吸入指導の結果等に関する情報提供を行うこと。
5.薬剤服用歴の記録に保健医療機関に情報提供した文書などの写しまたはその内容の要点などを添付または記載すること。
服薬情報提供書について
吸入服薬指導の服薬情報提供書は保健医療機関に提出するためにテンプレート化しておくほうがいいです。
エクセルなどで作っておくといいでしょう。(エクセルなら生年月日から年齢を自動計算できる)
その内容の概略
・保健医療機関相手先情報
保健医療機関名、担当医師名など
・報告日
・患者情報
患者ID、患者氏名、ふりがな、性別、生年月日、年齢、処方箋発行日、指導日、患者の同意など
・手技内容(患者を指導して「できる」「不安がある」「できない」と判断したか?、それに対する備考)
残量の確認、カバーの開閉、レバーをかちりと鳴らせる、早く深く吸入する、デバイスに息を吹き込まない、水平にして吸入できる、3~4秒息を止める、カバーを閉じる(レバーを動かさず)、うがいできる、など。
・薬剤師からのコメント
・報告薬局の情報
薬局名称、住所、電話番号、FAX番号、担当薬剤師名など
まとめ
吸入薬指導加算とは2020年診療報酬改定にて初めて新設された薬剤服用歴管理指導料の1つである。
例外はありますが、原則として3ヶ月に1回30点を算定できます。
吸入薬指導加算は、患者若しくはその家族等の求めがあった場合には、吸入指導の必要性が認められる場合であって医師の了解を得たとき、または保健医療機関の求めがあった場合に、文書および練習用吸入器を用いて、吸入手技の指導を行い、患者が正しい手順で吸入薬が使用されているか否かなどの確認などを行い、吸入服薬指導の服薬情報提供書を作成して保健医療機関に提出します。
ちゃんと患者さんに役立てるように算定要件を確認し服薬情報提供書の作成もぬかりなく行い医療機関に提出するようにしましょう。
もちろんレセプトもぬかりないように薬剤服用歴の記録や処方箋の記載などはチェックしてくださいね。