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O157による食中毒の潜伏期間はどれくらい その症状と予防について

 

 

年間を通じて、どの時期にも起こり得る腸管出血性大腸菌O157による食中毒。

感染症の潜伏期間の長さが、感染を広める恐れや、感染経路の特定に影響することがあります。

かかっていても症状がでていなければ、保菌者かどうかわからないし、時間が経って原因となった感染源がなくなってしまってからでは何から感染したかなどを調べることが不可能になるからです。

O157による食中毒の潜伏期間はどれくらいなのか、その症状と予防について紹介します。

 

Contents

O157による食中毒の潜伏期間はどれくらい

 

腸管出血性大腸菌O157による食中毒の潜伏期間は4~8日間といわれています。

例外もあるでしょうが、ほぼ大半はこの期間なのでしょう。

1~2日間であるノロウイルスよりも長いですから、いろんなところにまき散らす可能性がよりありますね。

また、成人では感染しても、無症状だったり、軽い下痢程度で治ってしまうことも多いようです。

潜伏期間が長かったり、無症状や軽い症状の人がいる感染症の場合、感染の拡大を抑えることが非常に難しくなります。

 

その症状について

 

O157の症状ですが

激しい腹痛を伴った水っぽい下痢(水様便)をたびたび起こすうちに、血の混じった下痢(血便)が出るようになります。

発熱はほとんどないのですが、一過性に発熱することもあります。

それから、症状がひどくてもひどくなくても、ベロ毒素により溶血性尿毒症症候群などがみられることがあり、後遺症発現や死亡の可能性が高まります。

 

溶血性尿毒症症候群

(下痢・腹痛などが始まってから数日~2週間以内にO157の感染者の6~7%に発生します、血便を起こした場合は10%にに発生します。)

顔などの血色が悪くなったり、全身のだるさが襲ったり、尿が少なくなったりし、むくみが出たりします。

眠気や、幻覚、けいれんなどもみられることがあります。

赤血球が壊れ(溶血)貧血になり。

血小板数が減少する。

腎臓の働きが低下します。

 

脳症(以下のような症状)

頭痛、うとうとしたり、不穏、口数が多くなる、幻覚を見るなどが予兆として起こり、数時間~12時間後にけいれん、昏睡が始まります。

 

場合によっては死亡することもありますが、これらの症状が回復しても予後が悪ければ、数年~数十年後に死亡することもあるようです。

 

予防について

 

O157では潜伏期間が4~8日間ありますし、O157に感染しても、知らないうちに治ってしまう人もいます。

大人では、大半が、特別な治療をしなくても、5~10日間で症状はなくなります。

ただ、症状がなくなっても、1~2週間ほど排菌されますから。

周りの人は消毒などの予防は続けて行う必要があります。

周りの誰が排菌しているか特定不能なため、O157が口から体の中に入らないように、手洗いをきっちりしたり、菌の付着した食物などを食べないようにしなければなりません。

O157の感染力は非常に強く、100個程度のO157が体の中に入っただけで食中毒を起こします。

(多くの食中毒では、100万個以上の菌が体の中に入らないと食中毒は起きません)

O157は水の中、土の中で数週間~数か月間生きています。

低温にも強く、冷蔵庫内でも生きています。

酸性にも強く、胃酸では死なずに腸まで届いてしまいます。

ただ、熱には弱く、75℃1分間の加熱で死滅します。

増殖は、温かく栄養分と水があるところで盛んになります。

清潔、乾燥、低温を保つと増殖を抑えることができます。

O157は主に家畜(牛、羊、豚など)の大腸に生息しています。感染は家畜糞便から水や食物を介して感染したり、感染した人から人へ感染します。

汚染食材からの感染を防ぐために、食材の調理に際しては、75℃1分の加熱を十分にするか。汚染食材からほかの食材に汚染しないように注意したり、もし汚染した怖れがあるならちゃんと洗浄消毒するようにします。

人から人への感染予防では、O157を口に入れないように、外から帰ってすぐ、食事前、トイレの後、料理の前には、手をせっけんを使って洗い、流水で洗い流したあと、消毒エタノールなどで消毒します。

菌が付着している怖れがあるところは、充分消毒しましょう。

O157はノロウイルスと違い、消毒用エタノールでも効果があります。

もちろん次亜塩素酸ナトリウムはより効果が大です。

井戸水からも検出されることがありますから、水質検査を受けておきましょう。

汚染しているのかがわからないうちに、どうしても井戸水を飲みたいなら、煮沸してからにしましょう。

 

[患者が家族内に発生したら]

 

1.患者の糞便の処理

衛生的に対応することが必要です。(ゴム手袋で処理するなど)特に乳幼児のおむつ交換などでは十分に注意してください。

 

2.手洗いの励行・消毒

患者の糞便に触れた場合には、せっけんと流水で充分に手を洗い、逆性せっけんまたは消毒用アルコールなどで消毒してください。

せっけんはできれば液体せっけんの方が望ましいです。

また、患者さんが用便をした後も同様に充分に手洗いと消毒を行っていただいて後、患者さんが触れたであろうところ(ドアノブなど)を

消毒しましょう。(消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウム溶液などで)

使用部位が金属なら、次亜塩素酸ナトリウムを使ったあと、少し時間をおいてから水で洗い流し、さび付かないよう注意しましょう。

トイレで患者さんが使うタオルは共用にせず、ペーパータオルや専用のタオルを使うようにしてください。

 

3.患者さんが使用した寝間着、下着等は、他の家族のものとは別に家庭用漂白剤につけてから洗濯し、天日で充分乾かすようにしてください。

 

4.入浴等

患者がお風呂を使用する場合は、混浴やタオルの共用は避け、家族の一番最後に入るようにしましょう。

また、お風呂の水は毎回交換するとともに、浴槽や汚染しているであろうところ(イスなど)は消毒するようにしてください。

 

5.検便検査

患者が回復したら、O157が腸管内にいないことを確認した方がいいです。

 

 

[学校などでO157患者が発生したら]

 

O157は口からさえ入らなければ大丈夫です。日ごろの手洗いの励行や、個人のハンカチなどを携帯するなどの工夫が必要です。

 

まとめ

 

O157の食中毒の潜伏期間は4~8日間でした。不顕性感染の恐れもありますから、流行期には手洗いの励行は欠かせません。

日ごろからマイハンカチを携帯するなどして、手洗いを適切にするようにしてください。

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