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腸管出血性大腸菌の就業制限について その内容と対応の仕方について

 

 

 

腸管出血性大腸菌の場合、汚染した食材が原因で感染を広げることもありますが、食材そのものではなく、腸管出血性大腸菌が付着した手で調理することが原因で汚染した飲食物を作ってしまい。それを食べることで腸管出血性大腸菌に感染してしまうことがあるようです。

 

そんなことを防ぐためには、特定の業務に対しては就業制限が必要なのだと思います。

 

腸管出血性大腸菌の就業制限について、その内容と対応の仕方について紹介します。

 

 

Contents

腸管出血性大腸菌の就業制限について

 

感染症法では、飲食物の製造、販売、調整又は取り扱いの際に飲食物に直接接触する業務に従事することにより感染症をまん延させるおそれがある場合に、その業務への就業を制限しています。

 

腸管出血性大腸菌に感染しているとそういう特定な業務には就けないということです。

 

腸管出血性大腸菌の感染の仕方を考えると、口から感染するので飲食物に直接触れる可能性がある業務には、感染(保菌)していないことが証明されるまで就くことができないと判断していいでしょう。

 

その内容

 

腸管出血性大腸菌は感染症法では第三類に属し、

 

患者(特有の症状があり病原体も保持している)の場合は就業制限あり、

 

類似症患者(特有の症状があるが病原体を保持しているかは不明)の場合は就業制限なし、

 

無症状病原体保持者(特有の症状はないが病原体を保持している)場合は就業制限あり、

 

となっている。

 

飲食物の製造、販売、調整又は取り扱いの際に飲食物に直接接触する業務に従事することにより感染症をまん延させるおそれがなくなるまでの期間、従事してはならない。

 

となっています。

 

要するに、腸管出血性大腸菌を保菌している者は飲食物の製造、販売、調整又は取り扱いの際に飲食物に直接接触する業務に従事することができないということですね。

 

上記のような業務以外には、就業制限がないので、腸管出血性大腸菌に感染しているからといって他の業務に就けないという扱いにはなりません。

 

症状が腸管出血性大腸菌に似ていても感染(保菌)していなければOKだということです。

 

腸管出血性大腸菌のほとんどはO157であるが、他にO26、O111、O128などもあります、ベロ毒素を産生するかどうかによります。

ベロ毒素を産生しないのであれば就業制限はありません。

 

さて、それで感染者がわかり、その該当業務から外れてもらいましたが、復帰する時の判断はどうするかですが。

腸管出血性大腸菌の場合は以下のように決められています。

 

感染のおそれがなくなったことの確認方法

 

*患者の場合は24時間以上の間隔をおいて実施された2回の検便が陰性になった時、

*無症状病原体保持者の場合は直近の検便1回で検出されなかった場合

 

このようなときに感染のおそれがなくなったと判断します。

そして就業制限は解除されることになります。

 

対応の仕方

 

腸管出血性大腸菌に感染していると疑われる症状があれば、医療機関にかかり医師の診察を受けましょう。

検便をして腸管出血性大腸菌の検査をしてもらうことになると思います。

 

それで腸管出血性大腸菌が検出されれば、医師は最寄りの保健所に届け出をします。

そして医療の観点から入院を促すこともありますから、それに従われる方がいいでしょう。

もし入院するほどでもないなら、周りに感染しないように配慮(排便時の注意)して通常の生活はおくれますが、

保健所への届け出をしたことで保健所から職員がやってきて、過去の患者の行動調査(喫食調査、動物との接触など)や患者の家族の健康調査、利用した施設の調査、関係食品などの試験検査などが行われます。

 

調査の結果食中毒と判断されれば、被害拡大の防止のため、原因食品の回収・廃棄や原因施設の営業の禁停止などの措置がとられます。

また、感染症であった場合は、感染源の消毒などが行われます。

もちろん感染している本人は、感染がなくなるまで、飲食物の製造、販売、調整又は取り扱いの際に飲食物に直接接触する業務に従事することができなくなります。

 

業務に復帰する場合には感染(保菌)しているかどうかの確認を行います。

その確認には検便を用い、患者の場合は24時間以上の間隔をおいて実施された2回の検便が陰性になった時、無症状病原体保持者の場合は直近の検便1回で検出されなかった場合に感染のおそれがなくなったと判断し復帰が可能になります。

 

もし腸管出血性大腸菌が検出されなければ医師も保健所に届けることもなく、症状の程度によっては問題なく業務に従事することが可能です。

 

まとめ

 

O157のような腸管出血性大腸菌は感染力が強く50~100個の菌数でも感染します。

そして腸管出血性大腸菌の怖いところはベロ毒素を産生するところにあります。乳幼児、小児や基礎疾患をもっている高齢者で重症になることがあり、場合によっては死亡することもあります。

だから、感染が拡大することを警戒して就業制限というのが設けられているんです。

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