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O157が発症するには 腸内細菌の役割は 乳酸菌は予防効果ある?

 

 

O157に触れる機会があっても、どうなるかは人それぞれで、発症しない人、発症しても軽症ですぐに治る人、症状がでて医療機関を受診する人、受診後に重篤になり入院する人、運悪く命をなくす人など様々です。

 

なぜ、このような差があるのでしょうか、腸内細菌について着目し考察してみたいと思います。

 

O157が発症するメカニズム、そのときの腸内細菌の役割はどうなのか、乳酸菌は予防効果があるのか検討してみましょう。

 

Contents

O157が発症するには

 

腸管出血性大腸菌O157が口から入り発症するには、身体の多くの防御網をかいくぐる必要があります。

(他の食中毒菌なども、細かく言えば違う部分もありますが、おおむねこの防御網をくぐり抜ければ感染し発症となります。)

 

1)胃酸で防御

 

2)腸内に定着している腸内フローラによる防御

 

3)腸管粘膜上皮に付着して腸内で増殖しないよう防御

 

4)腸内で増殖する時に毒素の産生を抑える防御

 

5)産生した毒素が腸管から吸収されて脳や腎臓にダメージを与えるのを防御

 

などの防御網をかいくぐれば、発症して後に重篤な症状をもたらすことになります。

 

O157は胃酸に対して強く、胃酸では防げないです。

ここは突破です。

腸内フローラにはO157の増殖から毒素を産生したり腸管から吸収されるのを妨害したりすることが期待できそうですが、個人差がみられるでしょう。

このことはあくまで期待であり、確実かどうかは定かではないです。

 

腸内細菌の役割は

 

上記で示したように、腸内細菌に、ある程度は期待したいですね。

食中毒からからだを守ってくれることをね。

 

腸内細菌には大きく分けて、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種があります。

 

善玉菌は消化吸収の補助や免疫刺激などの健康維持や老化防止などへの影響がある菌で、代表的なものにビフィズス菌や乳酸菌があります。

 

悪玉菌は反対に病気の引き金になったり老化を促進するなどからだに悪影響を及ぼすとされていて、代表的なものにウェルシュ菌、ブドウ球菌、大腸菌(有害菌)があります。

 

また、日和見菌は健康な時は目立たなくて、からだが弱ってくると腸内で悪い影響をもたらす菌で、代表的なものにバクテロイデス、大腸菌(無毒株)、連鎖球菌があります。

 

これらの菌のバランスが良いと(善玉菌が優位の時)健康で免疫力の充実がみこめますが。

悪玉菌が優位になると免疫力の低下により病気を引き起こしやすくなります。

O157は悪玉菌の1種ですから、善玉菌が優勢な腸内フローラの中では猛威をふるう可能性が低くなることが期待できそうです。

 

乳酸菌は予防効果ある?

 

乳酸菌やビフィズス菌は腸内フローラの善玉菌です。

日々の食べ物などから十分補給できていたりして

これらの菌が腸内で幅をきかせていると、善玉菌が増えやすい環境をつくりだしているため悪玉菌や日和見菌が増えにくく、かつ日和見菌はおとなしくなっています。

 

細菌というのは、他の細菌を排除するような環境をつくりだすようです。

腸内細菌が効果的に思えることとして、O157などが乳幼児や高齢者での発症が多いことがあげられます。

乳幼児や高齢者は腸内フローラの状況が充分でないことがそういう事態をまねいているとも推測することができます。

 

まとめ

O157が発症するには、口から腸内に入り腸内で増殖することが必要になります。その際に腸内フローラがしっかりしていると、O157を排除するよう働きかけることも考えられます。

常日頃から腸内細菌のバランスを良くして、腸内フローラを強化し、ひいては免疫力の強化につなげていればO157に触れることがあって口から侵入されたとしても、発症せずに済むか、または発症しても軽症で済むことがありえると思います。

乳幼児や高齢者で発症したり、重症化したりする確率が高いことも、このことが説明してくれそうですね。

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