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ビスホスホネート製剤とは 顎骨壊死という副作用についてと対応策

 

 

年齢を重ねると、ホルモンバランスなどの影響で骨粗しょう症を患うことが多くなります。

 

骨粗しょう症の治療を開始すると、大抵はビスホスホネート製剤のお世話になることになります。

 

それらの薬での治療中に歯の治療をすると顎骨壊死が起こりやすいということがあるようです。

 

ビスホスホネート製剤とはどんなもので、顎骨壊死という副作用についてとその対応策について紹介します

 

Contents

ビスホスネート製剤とは

 

ビスホスホネート製剤(以下BP製剤と略します)とは 骨粗しょう症の治療薬で有用であるとされ推奨されています。

 

内服のBP製剤は食事やカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分と一緒に服用すると吸収が阻害されるため服用に注意が必要なのですが。

 

近年では注射剤も薬価収載されていて骨粗しょう症に使うことが可能になりました。

 

患者さんの負担軽減の意味で投与頻度の問題がありますが。

 

*4週間に1回投与するもの:

アレンドロン酸の注射製剤(ボナロン)、ミノドリン酸の経口製剤(ボノテオ、リカルボン)

 

*1ヶ月に1回投与するもの:

リセドロン酸の経口製剤(ベネット、アクトネル)、イバンドロン酸の経口・注射製剤(ボンビバ)

 

*1年に1回投与するもの:

ゾレドロン酸の注射剤(リクラスト)

 

などを選択することが可能になっています。

 

リクラストと同じ成分で(ゾメタ点滴静注)、悪性腫瘍の骨への転移、悪性腫瘍による高カルシウム血症に対し用いられているのもあります。

 

ビスホスネート製剤一覧

成分名 商品名 投与間隔
第一世代 エチドロン酸ナトリウム ダイドロネル錠200mg 毎日
第二世代 アレンドロン酸ナトリウム ボナロン(フォサマック)錠5mg 毎日
第二世代 アレンドロン酸ナトリウム ボナロン(フォサマック)錠5mg 週1
第二世代 アレンドロン酸ナトリウム ボナロン経口ゼリー35mg 週1
第二世代 アレンドロン酸ナトリウム ボナロン点滴静注バッグ900㎍ 4週1
第二世代 イバンドロン酸ナトリウム水和物 ボンビバ錠100mg(静注1mgシリンジ) 月1
第三世代 リセドロン酸ナトリウム アクトネル(ベネット)錠2.5mg 毎日
第三世代 リセドロン酸ナトリウム アクトネル(ベネット)錠17.5mg 週1
第三世代 リセドロン酸ナトリウム アクトネル(ベネット)錠75mg 月1
第三世代 ミノドロン酸水和物 ボノテオ錠(リカルボン)1mg 毎日
第三世代 ミノドロン酸水和物 ボノテオ錠(リカルボン)50mg 4週1
第三世代 ゾレドロン酸水和物 リクラスト点滴静注液5mg 年1

 

骨は骨吸収と骨形成により状態を保っています。骨吸収では骨をこわす細胞(破骨細胞)が働いて骨をこわし、骨形成では骨をつくる細胞(造骨細胞)が働いて骨をつくります。この2つのがバランスがとれていることが必要なのです。

骨粗しょう症とは何らかの原因で骨吸収が骨形成を上回っていて骨がもろくなり骨量の減少をまねいている状態である。

 

BP製剤は破骨細胞に作用して破骨細胞の働きを抑えることで、骨粗しょう症の状態の改善をはかります。

 

顎骨壊死という副作用について

 

日本口腔外科学会が実施した調査によると、日本国内のBP製剤投与に関連する顎骨壊死などの発生頻度は、0.01~0.02%程度と推定されています。

このことは1万人に1~2人が起こす可能性があるということを示します。

 

非常にまれですが、BP製剤の治療中に、

 

*ある種の医薬品(抗がん剤、がん治療に用いるホルモン剤、副腎皮質ステロイド剤など)の使用、

*局所(あご付近)への放射線治療、

*抜歯などの歯科処置、

*口腔内の不衛生、

 

などの条件が重なった場合、

あごの骨の炎症・あごの骨の壊死などがあらわれる可能性が高くなると示唆されています。

 

奥羽大学が以下のようなことを提唱してまして、研究してちゃんとしたエビデンスを示してくれることに期待しています。

 

「顎骨の骨髄炎・骨壊死の直接の原因は、口の中の細菌です。細菌が骨の中に侵入して、炎症を起こします。

細菌がヒトの体の中に侵入した場合は、白血球が細菌を取り込んで殺菌してくれます。

細菌を殺すために白血球はさまざまな物質を産生して放出します。

それらの物質は細菌に対して有害作用を持ちますが、ヒトに対しても傷害的に作用します。

特に殺菌物質を白血球が必要以上に過剰に産生した場合は細菌を殺すだけでなく、ヒトの体を損傷してしまいます。」

 

歯科治療などをすると骨がむき出しになることが多く、細菌にさらされることが増えるから顎骨炎症や壊死が起きやすくなるんだと思えますね。

そしてこの白血球の作用をBP製剤は増強するというデーターが得られたようです。

なので、BP製剤が顎骨の炎症や壊死を起こすメカニズムが明らかにされつつあるのだと思います。

このようなメカニズムで顎骨炎症や壊死が起きているとすれば、口腔内の雑菌のコントロールや白血球のコントロールができれば顎骨炎症や壊死を起こさないようにできるかもしれません。

 

対応策

 

口腔内が不衛生な状態に放置されているときに、顎骨壊死は起きやすいといわれています。

 

口の中には雑菌が多く、いつもきれいに保つのは容易ではないですが、歯茎の状態をチェックし、ブラッシングや歯石除去などを行うことが大切です。

 

奥羽大学が提唱している説が正しいとするなら、口腔内の雑菌を制御できれば、白血球の連鎖を生み出すこともなく炎症や壊死が起こらないのではないかという期待があります。

 

そして、BP製剤の化学構造を変えることで、骨粗しょう症は抑えるが、白血球には作用しないようにすることができるBP製剤を生み出すこともできるのではという期待もあります。(実際、このような薬剤ができているらしいです)

 

また、BP製剤の服用を止めることが可能なら3ヶ月間の休薬期間を設定し、その中で歯の治療を行うのが良いようです。

 

あまり起こることではない副作用ですが、BP製剤服用時に「口の中の痛み」「歯ぐきに白色あるいは灰色の硬いものがでてきた」「あごが腫れてきた」「下唇がしびれた感じがする」「歯がぐらついてきて自然に抜けた」「膿がでる」などの症状がみられた場合は放置せずに速やかに、医師、歯科医師、薬剤師に連絡するようにして顎骨壊死の前兆でないかを慎重に検討しましょう。

 

まとめ

BP製剤は骨粗しょう症治療において有用な薬剤です。顎骨壊死という副作用はいろいろ解明されつつあります、そのうちにちゃんとした対応策ができればいいですね。

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