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骨粗しょう症治療薬フォルテオとは 注射としての効果と副作用について

 

 

近年、骨粗しょう症の治療薬はいろいろ開発されバリエーションが豊富になりつつあります。

それらの薬には、それぞれメリットやデメリットがあり、患者さんの状況に応じて最良のものを選択する必要がありそうです。

 

2010年に発売されたフォルテオという注射剤があります。

発売後ある程度の時間が経ったのでここで一度この薬剤について検証してみたいと思います。

骨粗しょう症治療薬フォルテオとは、注射としての効果と副作用について紹介します。

 

Contents

骨粗しょう症治療薬フォルテオとは

 

フォルテオは遺伝子組み換え技術により作られた副甲状腺ホルモンです。

副甲状腺ホルモンにはワンポイントに投与すると骨形成を促進する働きがあり、その効果を期待して作られた製剤です。

1日に1回投与するというワンポイントが良いようです。

 

フォルテオの成分名はテリパラチドといい、病院などで使用されるテリボンと同じもので使用方法に違いがあります。

フォルテオはご自身で自分の身体に注射する”自己注射”の製剤で、テリボンは医療機関で使用するか、医療機関から在宅に来ていただいて使用する製剤です。

正式名称はフォルテオはフォルテオ皮下注キット、テリボンはテリボン皮下注用です。

 

 

用法用量

通常、成人には1日1回テリパラチドとして20ugを皮下に注射する。

注射はキットになっていて、説明書をよく読んで使用すれば簡単に20ugを皮下に投与できるようになっています。

針も細いのがあるので痛みもさほど感じないと思います。

なお、本剤の投与は24ヶ月間までとすること。

一生涯で24ヶ月に限定するようです、使いすぎると動物実験のデータにより人間にも骨腫瘍性病変の発生の可能性があるみたいなのでそうなってるようです。

 

 

使用上の注意

 

慎重に投与する場合

*腎障害のある場合(テリパラチドの濃度に影響がありえるから)

*重度の肝障害がある場合(データーが少なく不明のため)

*尿路結石がある場合及びその既往歴がある場合(症状を悪化させるおそれ)

 

基本的な注意

*血清カルシウム値の変動に注意する(吐き気や嘔吐、便秘、嗜眠、筋力低下などには要注意)

*心疾患がある場合には要注意

*閉経前の使用に関し安全性や有効性は確立されていない。

*腎障害がある場合には定期的に腎機能検査をすること。

*起立性低血圧、めまいが起きることもあるので、高所での作業や自動車運転などの危険を伴う作業に従事する場合には要注意

 

 

 

相互作用

 

併用注意

1.活性型ビタミンD製剤

アルファカルシドールなど・・・血清カルシウム値が上昇するおそれ

2.ジギタリス製剤

ジゴキシンなど・・・ジギタリスの作用が増強されるおそれ

 

 

使用禁忌

フォルテオには次のような場合には使ってはいけないことになっていますので医師にちゃんと告げるようにしましょう。

1.高カルシウム血症である場合

2.骨ページェット病である場合

3.原因不明のアルカリフォスファターゼ高値を示す場合

4.小児等及び若年者で骨端線が閉じていない場合

5.過去に骨への影響が考えられる放射線治療を受けたことがある場合

6.原発性の悪性骨腫瘍もしくは転移性骨腫瘍のある場合

7.骨粗しょう症以外の代謝性骨疾患のある場合(副甲状腺機能亢進症など)

8.妊娠または妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦

9.本剤の成分又はテリパラチド酢酸塩に対し過敏症の既往歴のある場合

 

注射としての効果

 

骨粗しょう症のお薬にはいろいろありますが、フォルテオという注射剤は造骨細胞(骨芽細胞)の働きを促進して、骨密度を上げ骨を丈夫にする効果があります。

フォルテオは現時点では、骨を丈夫にする効果が一番ある藥と言えましょう。

 

私が知る限りでは、痛みを訴えている患者さんに処方されて、痛みがとれてよかったという言葉を何度か聞きました。

もう、かなりいろんな骨粗しょう症の藥を使われている方ばかりでしたが。

骨粗しょう症関連の痛みに効くことがあるようです。

 

フォルテオは「骨粗しょう症の予防と治療ガイドライン2015年版」によれば

 

骨密度:上昇効果がある(A)

推体骨折:抑制する(A)

非推体骨折:抑制する(A)

大腿骨近位部骨折:抑制するとの報告はない(C)

テリパラチド(遺伝子組み換え)はいわゆる第一選択薬ではない。ビスホスホネート製剤やSERMなどの治療でも骨折を生じた例、高齢者で複数の推体骨折や大腿部近位部骨折を生じた例、骨密度低下が著しい例などでの使用がすすめられる。

 

というふうに書かれています。

(A)とか(C)とかは評価ですね、もちろん(A)が良いほうです。

椎体骨折とは背骨(脊椎)の骨折のことをいいます。非椎体骨折はろっ骨や骨盤、大腿骨など背骨以外の骨折のことをいいます。

次に大腿骨近位部骨折で抑制するとの報告がないと書かれているのは、単純に報告例がないと判断しておきましょう。

ビスホスホネート製剤とは破骨細胞(骨をこわす細胞)の働きを促進するお薬、SERMとは骨に対して女性ホルモンのエストロゲンと同じような働きをする薬で骨の吸収(破壊)を防ぎます。

それぞれにはボナロン・フォサマック・ボノテオなどと、エビスタ・ビビアントなど(SERM)があります。

これらのことから考えると、フォルテオは骨折の恐れが差し迫っている場合に使うものです。

薬の説明書にも「骨折の危険性の高い骨粗しょう症」というふうに書かれています。

効き目がある方ですが薬価のこともあるので、こういうふうになっているのかなと想像します。

(1ヶ月分でほぼ4万4千円、3割負担で約1万3千円、1割では約4千3百円です)

もちろん、薬には副作用もあるので漫然と使うべきではないということでしょう。

 

副作用について

 

フォルテオはご自身で自分の身体に注射する”自己注射”の製剤ということで、慣れない人には使用に抵抗があるようです。

このことから、少なからず副作用を訴える傾向が増えていると思える部分があります。

副作用発生率は19.8%と報告されていますが、同じように対象試験としてプラゼボ(薬が入っていないもの)で注射した場合でも10.5%の副作用がでているようですから、注射という要素が少なからず影響を与えていることが推測されます。

 

国内での臨床試験でのデーターでのフォルテオの主な副作用は

 

血中尿酸上昇(3.6%)

頭痛(2.8%)

悪心(2.8%)

ALP上昇(2.0%)

筋痙縮(1.2%)

高尿酸血症(1.2%)

食欲不振(1.2%)

血中尿素上昇(1.2%)

 

などで、これらは一過性に血中カルシウム濃度が変動することにより起こると考えられています。

 

頻度はまれで少ないですが重篤な副作用として

ショック・アナフィラキシー(呼吸困難、血圧低下、発疹など)があらわれることもあるようです。

 

その他副作用として

口渇、胃炎、嘔吐、腹部不快感、上腹部痛、めまい、神経過敏、関節痛、筋肉痛、動悸などいろいろあるようですが、人それぞれで起こる場合起らない場合がありますので過度の心配は必要ないと思います。

かゆみを感じた場合には、医療機関ではかゆみの薬を処方することで対応していることが多いようです。

 

まとめ

 

今のところ骨量を増やすことでは一番効果があるとされているフォルテオ、「骨折の危険性の高い骨粗しょう症」に使用して骨粗しょう症による骨折で寝たきりなどにならないようにしていきたいですね。

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