調剤薬局で服薬指導をしていると、時々、帯状疱疹後神経痛に悩まされている患者さんに出くわすことがあります。
その患者さんは、まさか帯状疱疹なんかとは思わなかった、どのお医者さんも教えてくれなかったと悔やんでいます。
あの時皮膚科をまっさきに受診していれば、こんなに後々苦しむこともなかったとおっしゃってました。
帯状疱疹は早期治療が重要、その見極め方と注意すべき点について紹介します。
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帯状疱疹は早期治療が重要
子どもの頃にかかった水疱瘡(水痘)のあとで、水痘・帯状疱疹ウイルスが神経節の中に潜んでしまい、免疫力が強いうちは隠れて出てこないが、免疫が弱ることになると神経の中を通って皮疹や痛みやかゆみの症状の広がりをみせることがあります。
全てがそうだというわけではないのですが、帯状疱疹であることを気づくのが遅れると、ひどい痛みが続いたり、治りが遅れたりするので注意が必要になります。
なんらかの原因で免疫力が弱まり、水痘・帯状疱疹ウイルスが活発になって神経の中で暴れると、神経が障害され、水痘・帯状疱疹ウイルスの活動が弱って神経節などに隠れてしまっても、さも神経の中で暴れているかのごとくに強い痛みを継続することがあります。
その見極め方
皮疹が出てくる前に、痛みが出ると、部位によって脳外科(くも膜下出血など)、眼科(緑内障など)、耳鼻科(中耳炎など)、整形外科(腰痛・関節痛・肋間神経痛など)、内科(狭心症、胃潰瘍、腹痛など)と皮膚科以外の科に受診してしまうことになり、帯状疱疹とわからず時間だけが過ぎてしまうことがあります。
そうなれば、専門外の医師が帯状疱疹と気が付かずに別の病名をつけて、治らないまま治療を続けてしまうことになります。
もし、帯状疱疹と疑って皮膚科を受診していれば、早期治療ができて軽症で済んだり、治療の長期化を防げたりするかもしれない。
そのためには、患者自身が子供の頃に水疱瘡(水痘)になったことがあるか否かを知った上で、あとあと大変になるという意味で、用心してチェックすることが必要になります。
痛みやかゆみが出たときに、まず疑ってみる、とりあえず帯状疱疹でないことを確認しておく方が良いでしょう。
帯状疱疹でないと打ち消した後で、それぞれの部位の専門医に診てもらう方が、あとあと悩むことがなくなると思います。
注意すべき点について
帯状疱疹を発症したなら、早期に抗ウイルス薬を投与することで、ウイルスの活動を弱め神経障害を如何に軽度で抑えるかにかかっています。
そうしないと、帯状疱疹後神経痛がひどくなり、治るまで時間がかかったりひどいときは一生痛み続けることになります。
水痘・帯状疱疹ウイルスが原因であることがわかった場合は、如何に早く抗ウイルス薬の治療に入れるかを注意したいですね。
まとめ
うっかり帯状疱疹と気づかずに治療が遅れると、もう治らないとお医者さんに言われて苦しみを背負うことになるかもしれない。
そうならないように、まずは帯状疱疹でないことを見極めた後に他の病気を疑うようにしましょう。