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川崎病

川崎病とは、治療と注意すべき点などについて

投稿日:

昨今の世界的な新型コロナウイルスの猛威も落ち着きつつあるなか、

 

最近では欧米諸国で川崎病らしい症状が出たとの報道があります。

 

日本川崎病学会では5月7日に声明を発表し、過度の心配をしないようにと呼びかけています。

 

そんな川崎病とは、治療と注意すべき点について紹介します。

 

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Contents

川崎病とは

 

川崎病とは、川崎富作博士がこの病気を発見したので世界的に「川崎病」と呼ばれています。

 

日本赤十字社中央病院に川崎博士が勤務していたことがきっかけになっている。

 

症状などより、一時的に、小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群と呼ばれたこともあります。

 

日本での患者は年々増加の一途をたどり、2014年では1年間に1万5千人くらいの子どもが発病していました。

 

乳幼児がかかる病気で、4歳以下に多く、生後6~11ヶ月がピークになります。

 

女児よりも男児が1.3倍ほど多く発病し、地域的な流行があったり、兄弟あるいは姉妹で同じ時期(多くは10日以内)に間をあけて発病することがある(1~2%ほど)。

 

過剰な免疫反応が引き金になっているとも考えられていますが、原因はよくわかっていません。

 

ヨーロッパ諸国に比べ日本での罹患率が10~20倍と非常に高いことなどから遺伝的要因の関与も示唆されています。

 

発病は夏と冬に多く、アジアの国々に多いというのは、なんらかの感染症が引き金ではとの可能性を示している。

 

冠動脈瘤という合併症が狭心症や心筋梗塞発症の危険因子になりえるので、急性期の対応が重要になります。

 

 

川崎病は全身の血管に炎症が起こり、以下のような症状を呈します。

 

<主な症状>

発熱(5日以上続く)

白眼(両目)の充血

唇や舌が赤くなる

発疹(BCGのあとも赤く腫れる)

手足が赤く腫れる

首のリンパ節が腫れる

などです。

 

これらの症状が数日以内にそろってでます。

 

川崎病の病態は、自然免疫系の過剰な活性化が特徴で、炎症性サイトカインおよびケモカインの上昇を伴います。

 

 

経過としては、

 

発病から約10日目の急性期・・・多くの症状が現れる時期、この時期に全身の炎症を抑える治療をすることが大事。

 

発病から10日目から1ヶ月後の回復期・・・熱が下がり、他の症状もおさまってきます。

 

発病から1ヶ月以後の遠隔期・・・急性期の状況により変化があります。

 

 

急な発熱から始まることが多く、上記の主な症状のうち5つ以上、または4つに加えて冠動脈病変が確認された場合に、

 

「川崎病」と診断されます。(ただ、症状が不十分な不全型も20%程度あります)

 

治療について

 

急性期の強い炎症反応をできるだけ早く抑え、冠動脈瘤ができないようにすることが大事です。

 

一般的には、アスピリン療法と免疫グロブリン療法が行われます。

 

重症例には、免疫グロブリン療法に加えステロイド剤などの投与も行われます。

 

アスピリン療法

血管の炎症を抑え、血液が固まりにくくして血栓を予防する効果のあるアスピリンを内服して対処します。

 

症状の軽い患者さんでは、この治療法のみですることもあります。

 

免疫グロブリン療法

現時点でもっとも効果的な治療法で、免疫グロブリン製剤を静脈内に投与し、全身の炎症を抑えて冠動脈瘤ができるのを防ぎます。

 

日本では患者さんの約90%で免疫グロブリン療法が行われています。

 

たいていは、免疫グロブリン製剤を1~2日投与すれば改善されますが、改善できない場合は以下のような薬剤や療法を併用することもあります。

 

ステロイド剤

重症例では免疫グロブリン療法とステロイド剤を使うことで冠動脈瘤を合併するリスクを減らせるという研究報告があります。

 

抗TNF-α薬

炎症のもととなるTNF-αの働きを抑えることで、炎症をしずめ症状を改善します。

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薬品としてはインフリキシマブがありレミケードという商品名で田辺三菱製薬から販売されている。

 

通常は、急性期に静脈内に1回点滴します。

 

免疫抑制剤

シクロスポリンという薬品がサンディミュン、ネオーラルという商品名で販売されています。

 

血漿交換療法

患者さんの血液(血漿成分)に病気の原因となるものがあると思われていて、それを取り除くために、

 

血液を体外に取り出し、血漿成分をアルブミン製剤あるいは健常者の血漿で置き換える療法です。

 

注意すべき点など

免疫グロブリン製剤について

免疫グロブリン製剤は日本国内の健康な献血者の血液から作られています。

 

ただ、献血者が感染症をもっていないかどうかははっきりしていないので、感染被害が出る場合があり得ます。

 

もし、感染被害が出た場合は、同じ献血者からの製剤を使用しないように、個人情報管理に留意して保管された投与記録が製造販売元へ提供されます。

(献血者の情報は日本赤十字社に、医療機関への供給記録などは製造販売元で30年間保存されています。)

 

合併症について

合併症については、急性期の治療法は進歩したことで確率はかなり減っていますが、

 

大きさの様々な冠動脈瘤(大きいほど重症)ができることがあります。

(炎症により冠動脈の血管壁が弱くなり血圧で膨らみ瘤となります。)

 

その他、以下のような重症な合併症が起きることがあります。

 

心筋炎、心不全、不整脈、ショック、凝固障害、肝障害、腎障害、イレウス、けいれん、脳症

 

(イレウス・・・腸閉塞のことで、腹部膨満感や腹痛、嘔気、嘔吐などの症状がでる)

 

退院後の管理や治療については

合併症の状況で異なります。

 

合併症がひどければ突然死も引き起こしかねない。

 

そこまででなくても、心疾患リスクのコントロールに注意する必要がある。

 

急性期の適切な治療が大事です。

 

 

特に合併症による後遺症がなかった場合は(軽度で済んだ場合)

 

発症後1ヶ月(3ヶ月、6ヶ月)、1年、5年後を目安に診察を受けるのがよさそうです。

 

場合によっては、年に1回の診察が必要な場合もあります。

 

また、心電図、心エコー検査、胸部X腺などの検査が必要な場合もあります。

 

さらに、最終チェックとして、検査が可能な年齢であれば運動負荷心電図を受けるほうが望ましいようです。

 

急性期の症状がなくなってからは、アスピリンなどの血液を固まりにくくする薬を1~3ヶ月後くらいまで服用することもあります。

 

心筋虚血がなければ、日常生活では特に気を付けることはありません。

 

心エコー検査・・・超音波で血管の状態を観察することができます。

運動負荷心電図・・・心臓に運動などの負荷をかけて心電図をとり、心臓の筋肉に必要な血液が流れているか、虚血状態がないかを調べます。

 

川崎病急性期カードとは

 

川崎病の患者さんの急性期の情報を正確に将来へ伝達するために、日本川崎病学会が監修したものです。手渡しされることもあります。

 

医療費について、

 

後遺症がもし残り、年に数回以上受診する必要があれば、小児慢性特定疾患として医療保険制度から医療費が助成される場合があります。

 

医療機関の医療福祉相談コーナーなどに問い合わせてください。

 

学校生活管理指導表とは

川崎病以外の心臓疾患がある子どもにも適用される指導表で、文科省が平成10年度に改訂した小・中・高等学校の学習指導要領に基づき、日本学校保健会が策定したもの。

 

「小学生用」と「中学・高校生用」がある。A~Eの5段階の指導区分と管理不要に分類されます。

 

川崎病の子供をもつ親の会とは

1982年9月に発足した、正しい情報を共有し川崎病の親のもつ不安を解決したり、医師、研究者に強力し、川崎病根絶を目指していく会。

 

川崎病の子供をもつ親の会ホームページ

 

まとめ

 

川崎病の原因ははっきりしていません、症状などから適切に判断し早期の治療を受けることが必要です。

 

東アジアや日本で多い川崎病、ちゃんとした対応でお子さまの人生を守りたいですね。

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