そろそろ日本では終息の兆しが見えてきている、
世界をゆるがしてきた新型コロナウイルス感染症。
いろいろと騒がれてきましたが、情報もいろいろ出てきました。
ここで一旦情報を整理する意味で、
新型コロナウイルスの消毒についてまとめたいと思います。
Contents
新型コロナウイルスについて
ウイルスとは自己で増殖ができない微生物です。
増殖するためには細胞の助けが必要になります。
つまりは細胞が無い状態では増えることができないということです。
ウイルスにはエンベロープを持つものと持たないものが存在します。
エンベロープとは脂質と糖タンパク質からなる膜のことです。
エンベロープを持つウイルスは持たないものに比べて弱い傾向があります。
エンベロープはエタノールなどの有機溶媒に溶けやすい。
他のウイルスの性状では、
ウイルスは60℃で30分間、もしくは100℃で1分間で失活する。
ウイルスは4℃で数週間から数ヶ月、もしくは-70℃で数年間生き延びる。
ウイルスはpH5~pH9では安定状態にある。(エンベロープを持つウイルスは比較的に酸に弱い)
ウイルスは紫外線やX線で直ちに失活する。
ことがありますが、有機物の存在、エアロゾルあるいは液体中で上記の性状が変化するので注意が必要である。
新型コロナウイルスはエンベロープを持つ小さなRNAウイルスになります。
比較的に消毒液や酸、紫外線などに弱いと推測されます。
コロナウイルスには大まかにα、β、γ、δの4種があります。
今回の新型コロナウイルスはβコロナウイルスに属していてSARSやMERSと同じ属になります。
もともとから風邪のウイルスとして確認されているのはαコロナウイルスの中にヒトコロナウイルス229EとヒトコロナウイルスNL63、βコロナウイルスの中に、ヒトコロナウイルスHKU1とヒトコロナウイルスOC43がありました。
他にもいろんな動物に病原性をもつウイルスがたくさん確認されています。
消毒について
新型コロナウイルスは比較的弱いウイルスなので、適切な対応で消毒しましょう。
以下にそれぞれの消毒について列記します。
消毒液など
エタノール
水道水で希釈したものについては、
1分間で50%濃度以上でしか不活化効果がありませんでした。
もちろん消毒用エタノールは70%なのでOKです。
ある情報では30秒でもOKとのこともありますが。1分間使うか、洗剤で洗った後で乾燥した状態で使いたいですね。
(水分を含んだ状態でつけると50%以上にならない場合があるので。)
次亜塩素酸ナトリウム
0.2%の濃度が必要との情報もあるので0.2%にするのが安心ですが、金属腐食性や手荒れを注意しましょう。
別の情報では、
便、嘔吐物で汚れた床などには0.1%(汚れを取り除いた後に使用)
トイレの便座、ドアノブ、手すりなどには0.02%
と記載されていることもある。
次亜塩素酸水
次亜塩素酸水とは塩酸や塩化ナトリウム水溶液を電気分解することで生成される次亜塩素酸の水溶液である。
次亜塩素酸ナトリウム液がアルカリ性なのに対し次亜塩素酸水は酸性である、酸性である方が殺菌成分濃度が多く保たれている。
つまり低濃度で殺菌効果が得られることに優位性があります、毒性が少ない状態でも殺菌効果があるということです。
手荒れが起きにくく、金属腐食性も少ないということです。
ペーパータオルに染み込ませて拭き取ることで、幅広い細菌やウイルス、消臭に効果があるとされ、2002年に食品添加物(殺菌料)として認可されている。
厚労省の資料では次亜塩素酸ナトリウム液よりも高い殺菌活性を有すると記載されています。
充分に新型コロナウイルスに効果があることは推察できると日本電解水協会が示しています。
次亜塩素酸水ペリオトリートというものがありますが、これはうがい用として作られているので、もちろん皮膚の消毒にも有用です。
イソジン液
イソジンに含まれるポピドンヨードは有効との記載が厚労省のSARSのところにもあります。
ただ、厳密には新型コロナウイルスにどうかは不明のようです。
うがい薬としての使用は他の風邪でも言われているとおり、効果があまりないとされています。
洗剤など
北里大学研究所が研究してくれています。
市場に出回っている医薬部外品・雑貨のうち、主にエタノール、界面活性剤成分を含有し、新型コロナウイルスの消毒効果が期待できるものを対象に、
その試験管内でのウイルス不活化評価を行ってくれました。
それぞれの製品のパッケージに表示されている使い方で、希釈は水道水によってなされました。
北里大学の資料⇒医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化効果について
1.手指消毒、拭き取り洗浄
接触時間1分間とする。
かんたんマイペット(原液)
クイックルワイパー 立体吸着ウエットシート 香りが残らないタイプ (しぼり液)
クイックルワイパー 立体吸着ウエットシートストロング (しぼり液)
クイックルJoanシート(しぼり液)
クイックルJoan除菌スプレー(原液)
食卓クイックルスプレー(原液)
セイフキープ(しぼり液)
トイレマジックリン 消臭・洗浄スプレー ミントの香り(原液)
ハンドスキッシュ EX(原液)
ビオレガード薬用泡ハンドソープ(原液)
ビオレu 薬用泡ハンドソープ(原液)
ビオレガード薬用手指消毒用スプレー(原液)
ビオレガード薬用ジェルハンドソープ(3倍希釈)
ビオレu 手指の消毒液(原液)
リセッシュ除菌EXプロテクトガード(原液)
2.洗濯・器具の洗浄
アタック高浸透リセットパワー(3.5g/リットル)
アタックZERO(3000倍希釈液)
クリーンキーパー(100倍希釈)
ワイドハイターEX パワー液体(100倍希釈液)
ワイドハイターEX パワー粉末(5g/リットル)
ワイドマジックリン(10g/リットル)
以上を不活化効果ありとする。
残念ながら、アタック 抗菌EX スーパークリアジェル(1200倍希釈)は不活化効果なしとなりました。
温度
新型コロナウイルスでは70℃以上のお湯にで一定時間つけると不活化できるとされています。
時間としては30分以上でいいのではと推測されます。
紫外線
テルモという企業が紫外線照射ロボを販売しています。
その紫外線照射ロボの製造メーカーによると、5分間の照射を2~3回繰り返すことで薬剤耐性菌やエボラウイルスを除去できるらしく、
新型コロナウイルスではより短時間で除去できるようです。
ある情報では日光に照射すれば短時間でと言われているようですが、これは不確かなのでおいておきましょう。
でも、除去できないまでも感染力をある程度は弱めることが期待できます。
まとめ
消毒用エタノールがひっ迫しているためいろいろと研究がすすみわかってきています。
今後も新しい発見がでてくるでしょう。
新型コロナウイルス自体はそれほど強いウイルスではないので消毒して感染を防ぎましょう。
ものからヒトへの感染が主なので、ちゃんとものなどを消毒することが大事になります。
次亜塩素酸ナトリウム液や次亜塩素酸水などを有効活用することがカギだと思います。
参考記事⇒コロナウイルスとは 中国で多発した肺炎の原因に新型コロナウイルスを確認。
参考記事⇒酸化ストレスとは その原因と対策について