小さいころに水痘にかかった人の中で、治療した後に疲れやストレスなどで免疫力が低下したときに発症することがある帯状疱疹。
その帯状疱疹の原因ウイルスの感染力はどうなのか、消毒などはどうすればいいのか、予防法についてはどうなのか知りたいですよね。
帯状疱疹の原因ウイルスの感染力は 消毒の仕方と予防法について解説します。
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帯状疱疹の原因ウイルスの感染力
帯状疱疹はヘルペスウイルスの1種、水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こります。
子供のころなどに、水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染すると水ぼうそうとして発症します。
治療により水ぼうそうが治ったあと、水痘・帯状疱疹ウイルスは体内の神経節に潜んでいます(潜伏感染)。
通常はあまり表には出てこないのですが。
その後、加齢やストレス、過労などが引き金となってウイルスに対する免疫力が低下すると、かくれていたウイルスが再び活動をはじめ、神経を伝わって皮膚までやってきて、帯状疱疹として発症することになります。
水痘・帯状疱疹ウイルスの感染力は麻しんより弱いがおたふくかぜや風疹よりは強いとされています。
強い方ですから要注意です。
ただ、水痘を発症したことがあれば、新たに感染することはないのです。
水痘にかかっていなくて、ワクチンなどで免疫ができていない場合に感染する可能性があります。
感染の仕方ですが、主に接触感染で手に着いたウイルスなどが口や鼻から感染することになります。
気道分泌物にも出ますから、くしゃみなどの飛沫感染がありえます。
また、空気感染の報告例があるようです、おそらく患者の口などから放出されたウイルスが口や鼻から入ってうつるとされています。
うつった場合はまず水痘を発症することになります。
感染してすぐ帯状疱疹として発症することはないのです。
消毒の仕方とは
帯状疱疹を発症すると水痘・帯状疱疹ウイルスが皮膚の表面や気道分泌物などに出てきます。
でてきたウイルスを口や鼻などに入れないようにすることが必要になるのですが。
水痘・帯状疱疹ウイルスはエンベロープを有するウイルスであるので、消毒薬に対する抵抗性は弱いとされています。
なので、仮に、水泡のあたりに付いていたウイルスがドアノブなどに付いた場合は、消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウムなどで不活化が期待できます。
熱湯80℃10分、次亜塩素酸ナトリウム(200~1000ppm)、イソジン(ポピドンヨード)、消毒用エタノールなどが有効と考えられます。
1000ppmは0.1%のことなので、キッチンハイターなどはほぼ5~6%なので50倍に薄めると約1000ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液になります。
(200ppmの場合は1000ppmの溶液を5倍希釈します。)
500mlのペットボトルに10mlのキッチンハイターを入れて水をいれて500mlにすればほぼ1000ppmの溶液ができます。
ハイターのキャップの容量は通常20~25mlとされています。容器に書かれていると思いますから確認してください。
予防法について
水疱瘡に感染していないか、水痘ワクチンを接種して免疫を獲得していない場合は、水痘・帯状疱疹ウイルスに感染する可能性があります。
水痘ワクチンは比較的免疫を獲得しやすいワクチンですが。1割以下の人で免疫が獲得できていない場合があるそうです。
また、ワクチンで免疫を獲得しても、その免疫がいつまで持続するのかは個人によりまちまちです。
なので、水疱瘡を発症していない場合は、帯状疱疹の患者さんとの接触は避けた方がいいでしょう。
なお、場合によっては空気感染の可能性も考慮し、患者にマスクを着用させたり、扉の閉る部屋に隔離することも考えます。
また、患者以外の人でもマスクを着用したりして、うがいや手洗いの励行が必要になります。
要は口や鼻からの侵入を防ぐことが大事です。
ワクチンがあるのでそれを接種するという手もあります。
事前でなくとも、患者と接触した後3日以内に接種すれば発病の予防または症状の軽減化ができるとされています。
まとめ
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスに感染して一旦治癒した後に、疲労やストレス、糖尿病、ガン、重度の感染症などで免疫力が低下したときに発症することが多い病気です。
水痘・帯状疱疹ウイルスは主に接触感染によりうつるとされていますが、飛沫感染や空気感染の可能性を否定できない報告例もあります。
ウイルスの感染力は比較的強い方ですので注意しましょう。
消毒は、熱湯80℃10分や消毒用エタノール、次亜塩素酸ナトリウムなどが有効と考えられています。
予防法は、通常はうがいや手洗いの励行で対処しますが、場合によってマスクの着用や隔離、またはワクチンの接種を考えることもあるようです。
予防法などは水痘にかかっていなくてワクチンを接種して免疫を獲得していない人に対してのものになります。