骨粗しょう症になった人の80%が女性であるとのデーターがあります。
16歳くらいまでに骨を強くするような生活習慣や食事管理をしていれば、骨粗しょう症になりにくい身体を手に入れる可能性が上がりますが。
そうでない場合は骨粗しょう症に対して注意が必要になります。
比較的新しい骨粗しょう症の薬にプラリアという薬があります。
骨粗しょう症治療薬プラリアとは、他の薬との併用と副作用について紹介します。
Contents
骨粗しょう症治療薬プラリアとは
2013年より販売されている骨粗しょう症治療薬プラリアがあります。
商品名はプラリア皮下注60mgシリンジである。
読んで字のごとく皮下に投与する注射薬で6ヶ月毎に1回皮下に注射することになります。
特に使用期間が定められていない注射薬です。
成分名はデノスマブである。
骨粗しょう症以外の効能に間接リュウマチに伴う骨びらんの進行抑制があります。
骨吸収を促進して骨を壊す役割の破骨細胞にRANKLという働きを促進する部位があり、骨粗しょう症患者ではRANKLが増えているので、その働きを阻害するプラリアを投与することで骨吸収を抑え、骨粗しょう症を改善します。
同じ成分のお薬でランマーク皮下注120mgというのがありますがこちらは多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変や骨巨細胞腫に用いられます。こちらは投与量も投与間隔も違います。もちろん併用はできません。
慎重投与
*低カルシウム血症を起こす恐れがある患者
*重度の腎機能障害のある患者
注意すべきこと
*妊娠または妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。(動物実験にて死産などのデーターがあります)
*授乳婦にも投与はしないこと。(抗体が乳汁中へ移行する可能性がある)
*小児等にも安全性が確立されていないため原則として使用しない。
他の薬との併用について
プラリアと他の骨粗しょう症治療薬との併用についてですが、
(1)カルシウム製剤(カルシウムを補充する)
(デノタスやアスパラCAなど)
プラリアによって低カルシウム血症が起こることがあります、血中のカルシウム濃度が高くないことを検査したうえでの投与は推奨されます。
(2)活性型ビタミンD3製剤(カルシウムの血中濃度を高める)
(アルファロール、ワンアルファ、ロカルトロール、エディロールなど)
プラリアによって低カルシウム血症が起こることがあります、血中のカルシウム濃度が高くないことを確認したうえで、ビタミンDが充分あるのかを判断し、カルシウム製剤と一緒に投与することが推奨されます。
状況に応じて投与を調整します。
(3)ビスホスホネート製剤
(ボナロンやフォサマックなど)
詳しくはこちらの参考記事で
参考記事⇒ビスホスホネート製剤とは 顎骨壊死という副作用についてと対応策
併用することが治療上有用であるとのエビデンスが確率していないので併用は推奨されません。
(4)選択的エストロゲンモジュレーター(SERM)
(エビスタやビビアントなど)
詳しくはこちらの参考記事で
参考記事⇒骨粗しょう症治療薬ビビアントとは 他の薬との併用と副作用について
こちらも併用により効果が高くなるというデーターがないため、原則として併用は推奨されません。
(5)副甲状腺ホルモン製剤
(フォルテオやテリボン)
詳しくはこちらの参考記事で
参考記事⇒骨粗しょう症治療薬フォルテオとは 注射としての効果と副作用について
併用することが治療上有用であるとのエビデンスが確率していないので併用は推奨されません。
副作用について
主な副作用としては、低カルシウム血症、背部痛、高血圧、湿疹、関節痛、貧血、咽頭痛、口内炎、肝機能障害、胃炎などがあります。
このような症状に気が付いたら、医師か薬剤師にご相談ください。
低カルシウム血症
手足のふるえ、筋肉の脱力感、けいれん、しびれ、不整脈などがあらわれたら疑ってください。
他にもいろいろ副作用はありますから、不審に思ったら医師か薬剤師にご相談ください。
まれに、下記の副作用があらわれることがありますから、そのシグナルとなる症状がでましたら、使用を中止し、すぐに医師の診察を受けてください。
*顎骨壊死・顎骨骨髄炎
口の痛み、口のはれ、発赤、歯が浮いた感じ、歯のゆるみ、あごのしびれ感、あごが重たい、発熱、食欲不振などの症状
<この副作用の予防については>
1.医師と相談の上、必要に応じてこの藥を使い始める前に歯科検診を受け、できるだけ抜歯などの治療を済ませること。
2.ブラッシングなどで口腔内を清潔に保つこと。
3.定期的に歯科検診をすること。
4.鹿を受診するときには、この薬を使用していることを歯科医師に告げること。
5.この薬を使用している間は、できるだけ抜歯などの治療は避けること。
*アナフィラキシー
しゃがれ声、眼と口唇のまわりのはれ、じんましん、判断力の低下、どうき(動悸)、息切れ、息苦しい、からだがだるい、考えがまとまらない、ほてり、意識の低下。ふらつきなどの症状
*大腿骨転子下および近位大腿骨骨幹部の非定型骨折
太ももや太もものつけ根の痛みなどの症状
*重篤な皮膚感染症
さむけ、高熱、局所の痛みと熱を伴った赤いはれなどの症状
まとめ
ビスホスホネート製剤よりも骨吸収を抑える効果があるとのデーターがあるプラリア、同じ骨粗しょう症注射薬には使用期間が定められているものもありますが、プラリアには使用期間がとくに定めれられていないのも特徴です。
今のところフォルテオと同じように効果を期待されている薬剤です、今後のデーターの集積を待ちたいです。
骨粗しょう症で、2年間フォルテオを打ち終了した時に骨密度を測っていただいた結果、始めた時よりも悪くなっていました。
こんな事ってあるんですか?
その後、先生にプラリアを勧められた1回目が終わり、1か月すると赤い発疹が身体中に。かゆくてたまりません。皮膚科で塗り薬、飲み薬を頂いても発疹はおさまりません。これってプラリアの副作用ですか?
コメントありがとうございます。
閉経後の骨粗しょう症への効果が期待できるフォルテオ注の件ですが、2年間の注射の後に骨密度が悪くなっていたとのことですね。
あまり、そのような事例は聞いたことがありません。
もしかしたら聞いていないだけで実際はあるのかもしれません。
あまり効果のなかったことは広めたがらないと思いますので。
プラリアでは治療中に途中で薬を中止したら、場合によって反動で骨密度が以前より落ちると言われていますが、フォルテオは途中で中止してももとには戻っても以前より悪くなるとは聞いていないです。
医薬品は治療に対する効果を臨床試験によって確認したうえで製品化されます。でも、誰にでも100%効果があるとは言えません。中には効果が出ない場合や逆効果の場合もあるかもしれません。
フォルテオは他の骨粗しょう症の薬が効果のない場合の切り札として市場に出てきました。そのフォルテオも他の骨粗しょう症の医薬品同様効果が出ない場合などもあるのだと思います。
次にプラリアの赤い発疹の件ですが、プラリアには副作用が18%も起こりえることがわかっています。その主な副作用の中に湿疹があり、0.7%の頻度で起こりえるとされています。ひろみさまの服薬状態を詳しくは知らないので、はっきりしませんが、おそらくプラリアの副作用ではないかと思われます。主治医の先生に相談してみてください。
今の現状では、骨粗しょう症の治療において、保険診療の制約の中での最善策は、フォルテオを2年間使用して後に、プラリアに切り替えることだと結論付けられています。
医学にも限界があります、壁が出てはのりこえ、また壁が出るのくりかえしですね。
ひろみさまの症状が1日も早くよくなられますように祈っております。