生活習慣病の糖尿病の治療において処方されることのあるスージャヌ。
経口血糖降下薬としては比較的に新しいSGLT2阻害薬とTPP阻害薬の合剤のものになります。
SGLT2阻害薬とTPP阻害薬の合剤では日本ではカナリアの次に発売されたお薬で調剤薬局で調剤されることがまだまだない方です。
糖尿病用剤スージャヌとは 薬としての効果と副作用について紹介します。
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糖尿病用剤スージャヌとは
日本では2018年5月より販売されている、DPP-4阻害剤による血糖値に比例したインスリン分泌促進作用とSGLT2阻害剤によるグルコースの再吸収阻害により血糖を改善する薬の1つである「スージャヌ」。
ジャヌビアとスーグラの合剤になります。
ジェネリック医薬品はまだ発売されていないので、薬の負担を減らそうとジェネリック医薬品の選択はできません。
スージャヌの成分名はシタグリプチンリン酸塩水和物/イプラグリフロジンL-プロリンである。
糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンの量が不足したり作用が弱まったりして血液中の糖分「血糖」が上がってしまう病気です。
血液中の糖分「血糖」は、膵臓から分泌されるインスリンで調節されています。
インスリンは膵臓にあるランゲルハンス島にあるβ細胞でつくられています。
食事などで血糖値が上昇すると、膵臓のβ細胞が働いてインスリンを分泌します。
そのインスリンは全身の臓器にとどくと、血糖を取り込んでエネルギーとして利用したり、たくわえたり、タンパク質の合成や細胞の増殖を促進したりします。このように取り込まれた血糖はインスリンによって速やかに処理され血液中に一定の濃度で保たれています。
そのインスリンの量が不足したり働きが悪くなったりすると血液中の血糖を一定に保てなくなり糖尿病になるのです。
人体には重要なエネルギー源であるグルコースを無駄なく利用するために、再吸収という仕組みが備わっていたり、インクレチンを介したインスリン分泌促進作用をというものを持ち合わせています、それぞれの作用を阻害することで血糖が上がらないようにすることができます。
スージャヌはSGLT2阻害剤とDPP-4阻害剤という異なる作用を持ち合わせた合剤で過血糖を改善することになります。
人体の仕組みを逆手にとった画期的な合剤ですね。
禁忌
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡、1型糖尿病の患者(インスリンなどの適用である)
重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者(インスリンなどの適応である)
用法用量
2型糖尿病(シタグリプチンリン酸塩水和物とイプラグリフロジンL-プロリンを併用して状態が安定している場合、あるいはそれぞれの単剤で効果が不十分な場合に本剤の使用を検討します。)
通常成人では1日1回1錠(シタグリプチンリン酸塩水和物/イプラグリフロジンL-プロリンとして50mg/50mg)を朝食前または朝食後に経口投与する。
剤型
錠剤
スージャヌ配合錠 263.80円/1錠
糖尿病であることが確立した患者に対してのみ適用を考えること。(他の疾患でないことを確認する)
食事療法・運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること。
本剤を3ヶ月投与しても食後血糖に対する効果が不十分な場合はより適切な治療への変更を検討すること。
常に投与の継続性の可否、投与量、薬剤の選択に注意すること。
低血糖を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与する時は注意すること。
本剤とSU剤、インスリン製剤または速効性インスリン分泌促進剤との併用投与で低血糖のリスクが増加するおそれがあるので注意する。
本剤投与中は腎機能を定期的に検査し経過を十分に観察することが必要である。
腎機能障害のある患者では本剤投与中は腎機能を定期的に検査し経過を十分に観察して投与の必要性を慎重に判断すること。
本剤と他の糖尿病薬との併用における安全性は検討されていない。
本剤とGLP-1受容体作動薬との併用における有効性及び安全性は確立されていない。
本剤の作用により、ケトアシドーシスを起こすことがあるので、観察を十分に行い適切な対応をすること。
本剤の利尿作用により多尿・頻尿がみられることがある。また、体液量が減少することがあるので、観察を十分に行い、適切な対応(水分補給など)をすること。
排尿困難、無尿、乏尿あるいは尿閉の症状を呈する患者においては、その治療を優先するとともに他剤での治療を考慮すること。
本剤投与で体重減少が報告されているため、過度の体重減少には注意すること。
患者に対しては、低血糖症状およびその対処法について充分な説明を行うこと。
本剤投与中は、尿糖や血清1,5-AGは、血糖コントロールの参考にはならないので注意すること。
慎重投与
中等度の肝機能障害のある患者(シタグリプチンやイプラグリフロジンの服用状態から判断する)
重度の肝機能障害のある患者(使用経験がなく安全性が確立していない)
心不全(NYHA心機能分類Ⅳ)のある患者(使用経験がなく安全性が確立されていない)
脳下垂体機能不全または副腎機能不全状態(低血糖症状があらわれることがある)
栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足または衰弱状態の患者(低血糖症状があらわれることがある)
激しい筋肉運動をしている状態(低血糖症状があらわれることがある)
過度のアルコール摂取者(低血糖症状があらわれることがある)
尿路感染、性器感染のある患者(尿糖が増加することで症状が悪化するおそれがある)
脱水を起こしやすい患者(血糖コントロールが極めて不良の患者、高齢者、利尿剤(ループ利尿剤、サイアザイド系利尿剤)併用患者など)(脱水を起こすおそれがある)
腹部手術の既往または腸閉塞の既往のある患者(腸閉塞を起こすおそれがある)
血糖降下作用を増強する薬剤などと併用する場合は血糖降下作用の増強による低血糖症状に注意すること、(特にSU剤、インスリン製剤、速効性インスリン分泌促進剤との併用には注意する)
低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣など)
対象薬剤
インスリン製剤、スルホニルウレア剤(SU剤)、ビグアナイド製剤(メトホルミン塩酸塩など)、速効型インスリン分泌促進薬、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボースなど)、インスリン抵抗性改善薬(ビオグリタゾン、トログリタゾンなど)、GLP-1受容体作動薬、β-遮断剤(プロプラノロール塩酸塩、アテノロール、ピンドロールなど)、MAO阻害剤(セレギリン)、サリチル酸製剤(アスピリン、アスピリン・ダイアルミネート、など)、フィブラート系薬剤(ベザトールなど)など。
血糖降下作用を減弱する薬剤と併用する場合は血糖降下作用を減弱による高血糖症状に注意すること
高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭など)
対象薬剤
アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、など
利尿作用を有する薬剤(ループ利尿薬(ラシックスなど)、サイアザイド系利尿薬(フルイトランなど))との併用で利尿作用が増強されるおそれがある。
ジゴキシン(ジゴシン)との併用でジゴキシンの血中濃度がわずかに上昇したとの報告があるので注意すること。
高齢者などでは、一般的に生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦または妊娠している可能性のある婦人には本剤を投与せず、インスリン製剤などを使用すること。(動物実験で胎児への悪影響や移行が報告されている)
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。(動物実験で乳汁中への移行が報告されている。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していない。(使用経験はない)
薬としての効果
スージャヌはSGLT2阻害剤とDPP-4阻害剤という異なる作用を持ち合わせた合剤で過血糖を改善することになります。
双方の薬の特性から、低血糖がおこりにくい薬になっています。
また、SGLT2阻害剤としての作用がグルコースを体外に排出させるので、体重減少効果も期待できそうです。
原則として、第一選択剤とはしません。まずは、それぞれの単剤の治療を優先します。
シタグリプチンリン酸塩水和物とイプラグリフロジンL-プロリンを併用して状態が安定している場合、あるいはそれぞれの単剤で効果が不十分な場合に本剤の使用を検討します。
画期的な新薬ですので、まだまだこれからの薬といえます、カナリアと同様に見守るようにしましょう。
副作用について
主な副作用としては、頻尿、便秘、口渇、などである。
その他では、浮動性めまい、感覚鈍麻、糖尿病性ニューロパチー、体位性めまい、頭痛、貧血、糖尿病性網膜症、眼瞼浮腫、動悸、上室性期外収縮、上気道の炎症、膀胱炎、外陰部膣カンジダ症、鼻咽頭炎、腹痛、悪心、下痢、胃炎、歯周炎、胃食道逆流性疾患、口内炎、嘔吐、肝機能異常、多尿、尿管結石、腎結石、陰部そう痒症、湿疹、発疹、多汗症、冷汗、血管浮腫、関節痛、筋肉痛、四肢痛、背部痛、空腹、浮腫、倦怠感、体重減少、顔面浮腫、高血圧、GOT増加、GPT増加、γ-GTP増加、CK増加、体重増加、赤血球数減少、ケトン体増加、などがあります。
重大な副作用
低血糖(他の糖尿病薬(特にSU剤、インスリン製剤または速効性インスリン分泌促進剤との併用で))
アナフィラキシー反応
ひどい皮膚症状
肝機能障害、黄疸
急性腎不全
急性膵炎
間質性肺炎
腸閉塞
横紋筋融解症
血小板減少
類天疱瘡(水疱、びらんがあらわれた場合は、適切な処置をすること)
腎盂腎炎、敗血症
脱水
ケトアシドーシス
まとめ
スージャヌはSGLT2阻害剤とDPP-4阻害剤という異なる作用を持ち合わせた合剤で過血糖を改善することになります。
双方の薬の特性から、低血糖がおこりにくい薬になっています。
また、SGLT2阻害剤としての作用がグルコースを体外に排出させるので、体重減少効果も期待できそうです。
原則として、第一選択剤とはしません。まずは、それぞれの単剤の治療を優先します。
シタグリプチンリン酸塩水和物とイプラグリフロジンL-プロリンを併用して状態が安定している場合、あるいはそれぞれの単剤で効果が不十分な場合に本剤の使用を検討します。
画期的な新薬ですので、まだまだこれからの薬といえます、カナリアと同様に見守るようにしましょう。
主な副作用としては頻尿、便秘、口渇、などがあり。
また他の糖尿病用剤との併用では低血糖に注意が必要になります。
多尿、頻尿などにより脱水が疑われる場合は、それに引き続き腎障害、不整脈、脳梗塞を含む血栓・塞栓症などを発現したとの報告があるので注意すること。
ケトアシドーシスというケトン体により血液が酸性に傾く状態になることがあります、吐き気や嘔吐、腹痛、のどが渇く、倦怠感などがありましたら、医師の診断をうけましょう。
尿に糖分がたくさん出ることで膀胱炎や尿路感染症、膣カンジダ症などの性器感染症があらわれることがあります。
まれですが、急性膵炎を起こすことがあります。また肝障害や腎不全、重い腎盂腎炎からの敗血症、腸閉塞、横紋筋融解症などの報告があるので注意が必要です。