溶連菌は子どもがかかりやすい感染症の1つです。
ただ、大人もかかることがあり得ますから注意しなければなりません。
のどの症状が出る場合が一番多く、赤くなったのどを見れば、溶連菌感染症を疑ってみましょう。
溶連菌感染症に使われる抗菌薬ビクシリンとは 薬としての効果と副作用について紹介します。
Contents
溶連菌感染症に使われる抗菌薬ビクシリンとは
日本では2009年9月より販売されている、ペニシリン系の抗生物質の1つである「ビクシリン」。
ジェネリック医薬品はもう発売されているので、薬の負担を減らすためにジェネリック医薬品を選択することができます。
ビクシリンの成分名はアンピシリン水和物である。
レンサ球菌は常在菌の一種で、誰でも皮膚などに持っている細菌である。
溶連菌感染症はそのレンサ球菌が何らかの原因で病原性を持つことになり症状を発症したものである。
溶連菌感染症とは、大きなくくりで言えば、グラム陽性球菌のうちのレンサ球菌属によっておこされる感染症すべてのことなのですが。
医療の中で注目されるのは、よくおこる化膿レンサ球菌のことについてです。
溶連菌は正しくは、A群β-溶血性連鎖球菌と言います。
主な症状はのどの痛み、発熱などがあります。
なので、抗菌薬と痛み止めや抗炎症薬、解熱鎮痛薬などが処方されていることが多いです。
抗菌薬はペニシリン系が一番多く、次にセフェム系、まれにマクロライド系が処方されています。
予防はワクチンがないので、マスクの着用や手洗いうがいが主になります。
治療のタイミングが早く服用をきっちりすれば、特に問題なく経過するようです。
最近では、耐性菌の問題から、患者の状況をよく考え、抗菌剤を出すかどうかを判断するようです。
ビクシリンは、溶連菌感染症で良く使われるペニシリン系抗生物質で、溶連菌を含むグラム陽性菌などに有効です、溶連菌に殺菌的に作用して溶連菌感染症を改善することになります。
禁忌
本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
伝染性単核症の患者(発疹の発現頻度を高めるおそれがある)
原則禁忌(特に必要とする場合には慎重に投与する)
本剤の成分またはペニシリン系抗生物質に対し、過敏症の既往歴のある患者
用法用量
連鎖球菌属による、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、中耳炎、しょう紅熱など。
通常、成人にはアンピシリン水和物として1回250~500mgを1日4~6回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
通常、小児にはアンピシリン水和物として1日25~50mg/kgを4回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
剤型
カプセル剤
ビクシリンカプセル250 20.60円/1カプセル
ドライシロップ剤
ビクシリンドライシロップ10% 12.50円/1g(2009年10月販売開始)
耐性菌の発現などを防ぐため、原則として感受性(効果があるかどうか)を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
慎重投与
セフェム系抗生剤に対し、過敏症の既往歴のある患者。
本人または両親、兄弟に気管支喘息、発疹、じんましんなどのアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者。
高度の腎障害のある患者。
経口摂取の不良な患者または非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者。(ビタミンK欠乏症があらわれることがある)
経口避妊薬(トリキュラー、アンジュ、ラベルフィーユなど)との併用で経口避妊薬の効果が減弱するおそれがある。
アロプリノール(ザイロリック)との併用で発疹が出ることが増加するとの報告がある。
高齢者は生理機能が低下していることが多いので、副作用が出やすく、ビタミンK欠乏による出血傾向が出やすいので、本剤の投与には慎重に対応すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合には、授乳を避けさせること。(母乳中へ移行することが報告されている)
薬としての効果
ビクシリンはペニシリン系の抗生物質でグラム陽性菌などに対して殺菌的に作用します。
その殺菌作用はサワシリンより弱い。
溶連菌感染症で使われることがあります。
副作用について
主な副作用としては、下痢、食欲不振、発疹、じんましん、発熱、悪心などである。
その他の副作用としては、好酸球増多、顆粒球減少、血小板減少、貧血、GOT上昇、口内炎、カンジダ症、ビタミンK欠乏症、ビタミンB群欠乏症、などがあります。
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー
ひどい皮膚症状
無顆粒球症、溶血性貧血(0.1%未満)
重篤な腎障害(0.1%未満)
重篤な大腸炎(偽膜性大腸炎など)
まとめ
ビクシリンはペニシリン系の抗生物質でグラム陽性菌などに対して殺菌的に作用します。
その殺菌作用はサワシリンより弱い。
溶連菌感染症で使われることがあります。
主な副作用としては、下痢、食欲不振、発疹、じんましん、発熱、悪心などです。
腎障害や血液障害、大腸炎、ひどい皮膚障害などの重い副作用はめったに出ないですが、高齢者や長期に服用する時は、念のため注意しておくほうがいいでしょう。