溶連菌は子どもがかかりやすい感染症の1つです。
ただ、大人もかかることがあり得ますから注意しなければなりません。
のどの症状が出る場合が一番多く、赤くなったのどを見れば、溶連菌感染症を疑ってみましょう。
溶連菌感染症とは、いつごろ多いのかと、その症状と治療について紹介します。
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溶連菌感染症とは
大きなくくりで言えば、グラム陽性球菌のうちのレンサ球菌属によっておこされる感染症すべてのことなのですが。
医療の中で注目されるのは、よくおこる化膿レンサ球菌のことについてである。
溶連菌は正しくは、A群β-溶血性連鎖球菌と言います。
溶連菌に感染して、2~5日くらいの潜伏期間ののちに、主に発熱やのどの痛みなどの症状がでてきます。
溶連菌の感染経路は咳やくしゃみなどによる飛沫感染と溶連菌が付着した手などによる接触感染になります。
うがい・手洗いをしっかり行い、マスクの着用をしたり、家庭内に患者がいる場合は食器の共用なども控えましょう。
溶連菌がおこす病気には、
咽頭炎、扁桃炎、しょう紅熱(体や手足に赤い小さな発疹がでる)、中耳炎、副鼻腔炎、とびひ(伝染性膿痂疹)、蜂巣炎(皮下の深いところ)、丹毒(皮下の浅いところ)、肺炎、菌血症、トキシックショック症候群などがあります。
治療には痛みや熱などに効く対症療法の薬や原因菌を退治する抗菌薬が用いられます。
中でも抗菌薬は重要な薬となり。
不十分な抗菌薬の服用で(症状が治まったのでのむのをやめるなど)心臓弁膜に障害などを起こすリウマチ熱や急性糸球体腎炎などの合併症につながったり、劇症型というものに変異して大変なことになることもありえますので、
十分な期間(10~14日)しっかり抗菌薬は服用しましょう。
溶連菌には、いろいろなタイプがあるので、一度かかっても、繰り返し別のタイプに感染する可能性があります。
一度かかったから溶連菌じゃないとは思わないようにしましょう。
いつ頃多い
基本的に年中ありますが、冬が多くて夏が少ない目です、あらわれる症状としては最も多いのが咽頭炎・扁桃腺炎で大まかな時期としては12月~3月。
次に特徴的なのはとびひと呼ばれる皮膚症状で7月~9月に多いようです。
その症状と治療について
症状はいろいろありますが、風邪と思わせるような、咽頭炎、扁桃腺炎、発熱(38℃~)、のどの痛みが多くみられます。
あと、とびひ(伝染性膿痂疹)も溶連菌でみられることがあります。
(とびひは主に黄色ブドウ球菌によるものがほとんどなのですが。)
その他の症状としては、体や手足の小さな赤い発疹、舌にいちごのようなブツブツができたり(イチゴ舌)、頭痛、腹痛、首筋のリンパの腫れ、などがあります。
溶連菌感染症とわかれば、熱やのどの痛みを和らげる対症療法の薬や、抗菌薬が処方されます。
抗菌薬は病気の原因となっている溶連菌を退治する大切なお薬になります。
抗菌薬をのみ始めると、2~3日で熱が下がり、のどの痛みなども和らいできます。
発疹が出ていた場合は、急性期をすぎて、手足の先から皮むけが始まります。
症状が良くなってきたからと言って、すぐにお薬をのむのをやめてしまっては、また、再発するかもしれません。
しばらくは飲み続けることが必要になります。
10日~14日はのむことを推奨されています。
抗菌薬は、通常、ペニシリン系の抗菌薬が第一選択になります。
時には類似した化学構造をもつセフェム系抗菌薬が使われることもあります。
ペニシリン系抗菌薬は良く効いて、耐性菌の報告もまれのようです。
ただ、患者によってはペニシリン系などにショックなどのアレルギー反応がでることもあるので、その時はマクロライド系抗菌薬をチョイスすることもあるようです。
マクロライド系では耐性菌の報告が多くあり注意が必要とされています。
まとめ
溶連菌は咽頭炎などで冬場に多い感染症になりますが、夏場にも「とびひ」という形で目立つこともあるようです。
咽頭炎などの形であらわれた場合はのどの痛みや発熱が主要症状なので、対症療法の薬と抗菌薬で治療を開始します。
特に抗菌薬は合併症のために、症状が落ち着いてもきっちり医師の指示通りにのむことが必要になります。