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テロメア

ヘイフリック限界とは 細胞老化や寿命、テロメアとの関係について

投稿日:2019年9月19日 更新日:

 

 

2018年の日本人の平均寿命が、男性81.25歳、女性87.22歳で、最高値として更新することになりました。

 

健康寿命は、男性で72歳、女性で74歳とも言われている。

 

健康寿命を延ばすことの方が重要ですが、そもそもなんで寿命があるのかはヘイフリック限界で説明がつくようです。

 

ヘイフリック限界とはどんなもので、細胞老化や寿命との関係、テロメアとの関係について紹介します。

 

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Contents

ヘイフリック限界とは

 

ヘイフリックは発見した人の名前から付けられている。

 

カリフォルニア大学やスタンフォード大学で解剖学の教授を務めていたレオナルド・ヘイフリックがその人である。

 

アレクシス・カルレの唱える「普通の細胞は不死である。」という説をくつがえすこととなる「ヘイフリック限界」は1961年に発見された。

 

 

*定説をくつがえされたアレクシス・カルレはフランス生まれで外科医、解剖学者、生物学者である。

 

彼は31歳のころに渡米し、シカゴ大学からニューヨークのロックフェラー医学研究センターへと移り、1912年に「血管縫合および血管と臓器の移植に関する研究」でノーベル生理学・医学賞を受賞することになる。

 

その後アレクシス・カルレは鶏の心臓の一部を自ら設計したフラスコの中の栄養培地で培養し続け、彼が生きている間は細胞として生き続け、その細胞は彼が71歳で亡くなった2年後まで生き続けたという。

 

この彼の実験により「細胞は不死である。」という仮説が導かれ生物学の定説とされていました。

 

 

 

レオナルド・ヘイフリック博士はフィラデルフィアのWister Instituteにてガン発症へのウイルス関与の仮説のために正常細胞を培養していました。

 

その過程で、細胞が無限に分裂すると考えれば、説明しずらい現象に出くわして、定説を覆す検証にとりかかり、細胞の分裂には限界があることを発見しました。

 

ヘイフリック限界とは、ヒトの細胞を培養した場合に、分裂可能な回数が決まっていて、その回数のことである。

 

人間の分裂可能な回数は基本的には50~60回と言われています。(細胞によって違う場合があります)

 

ヘイフリック限界の発見後、いろんな研究がなされいろんなことが判明しました。

 

ヒトの様々な臓器からの細胞を培養すれば由来臓器に固有な分裂回数で増殖を停止すること、

 

年齢の高いヒトからの細胞は分裂回数が少ないこと、

 

遺伝的早老症患者から分離された細胞は健常者のそれより分裂回数が少ないこと、

 

ヒト以外の動物では、細胞の分裂回数は寿命の長い生物種より採取した細胞ほど多くなる傾向にあること、

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などです。

 

これらのその後の研究により、ヒト体細胞は定められた分裂可能回数を持つことは明白であった。

 

細胞老化や寿命との関係

 

細胞が無限に分裂すれば細胞は老化せずに不死になる。

 

細胞の分裂回数が増えれば、寿命も長くなる。

 

つまりは、ヘイフリック限界が多ければたくさん分裂できて寿命が長くなり、少なければ寿命が短くなる。

 

ヘイフリック限界しだいで細胞老化についてや寿命の長さについて決定づけられることになる。

 

ヒトのヘイフリック限界は50~60回で最大寿命は約120年、うさぎでは20回で約10年、ラットでは15回で約3年とされていてヘイフリック限界と最大寿命とに直線的な関係がみられます。

 

テロメアとの関係

 

ヒトの体細胞において、ヘイフリック限界が細胞によって違うことの理由としてテロメアに注目が集まり、

 

調べてみれば、テロメアが一定の長さまで短くなるとヘイフリック限界がおとずれることがわかりました。

 

ただ、現存する多くの単細胞生物は無限の増殖能を持つ上に、培養によって不死化(無限分裂能)株得られる細胞があることもあって、

 

ヒトの体細胞のヘイフリック限界は「ヒトの体細胞が無限に増殖できないのは、培養条件が最適でないからだ」とする反論が多く出されました。

 

この反論に終止符をうったのは、後のエリザベス・ブラックバーンによるテロメラーゼの発見である。

参考記事⇒テトラヒメナとは ノーベル賞に貢献 テロメアの研究にも使われる

 

テロメラーゼはテロメアDNAを修復させる酵素であり、無限分裂能を持つ細胞では強い活性を持ち合わせていることがわかりました。

 

また、ほとんどのヒト体細胞ではかなり弱い活性か、もしくは酵素自体がないこともわかりました。

 

棒状ではなく環状のDNAを持つ細胞や細胞小器官(ミトコンドリアと葉緑体)ではテロメアはありません、それらはテロメラーゼ活性が全くないにもかかわらずヘイフリック限界をもたないことも決め手になり、ヘイフリック限界とテロメアの関係は確実視されるようになりました。

 

 

人間の細胞の種類は約270種類と言われています。

 

その中で3種類の細胞がテロメアーゼを分泌することができてテロメアを保持できるので分裂し続けることができるようです。

 

その3種類とは、生殖細胞、がん細胞、幹細胞(分泌少ない)です。

 

まとめ

 

ヘイフリック限界を証明するためにテロメアの研究がすすみテロメラーゼの発見につながったとも言えますね。

 

いろんな研究者による発見が次の発見をもたらし、人類に多大な影響を与える発見を生み出すことになりました。

参考記事⇒テロメアの先駆者エリザベス ブラックバーン教授について

参考記事⇒ビル・アンドリュース博士とは ヒトテロメアの第一人者?功績は?

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