男性に比べ女性の方が骨粗しょう症の発症リスクがあります。
もともと骨の量が少ないので必然的にそうなっています。
閉経後にエストロゲンの分泌が急に減るということも一因なようです。
そんな閉経後の骨粗しょう症にはエビスタという藥があります。
骨粗しょう症治療薬エビスタとは、ビビアントとの比較と使う意味について紹介します。
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骨粗しょう症治療薬エビスタとは
2004年から使われている骨粗しょう症治療薬エビスタという薬剤があります。
このお薬はビビアントと同じで、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの骨吸収を抑制して骨量を増やすということに着目して作られたものである。
飲み薬として錠剤が発売されています。(エビスタ錠60mg)
ビビアントの前に発売されたサーム(SERM)と呼ばれる選択的エストロゲン受容体モジュレーターのことである。
閉経後の骨粗しょう症を治療します。ホルモン補充療法に近いので骨密度を測定せずとも使用が可能です。
薬の特性上、女性にしか使用できません。
ビスホスホネート製剤などのように早い治療効果は期待できません。ゆっくりと段階を踏んでの治療です。
ビスホスホネート製剤のように服用時の注意点はない。(服用しやすいです)
エストロゲンの作用を骨粗しょう症に使うには以下のような問題点がありました。
ただやみくもにエストロゲンとしての作用を発揮し過ぎると乳がんなどのリスクを高めたりするようなので工夫が必要でした。
その工夫というのが、骨のエストロゲンの作用するところには効いて、乳房や子宮などに悪影響を与えないようにすることであった。
エビスタなどはこの点に関して良好な効果を持っているとされています。(乳がんを抑制するとか)
後で少し改良されて発売されているビビアントに比べると、非椎体骨折に効果が低いというデーターがあります。
背骨以外の骨折のリスクがよりあったとのことです。
ただ、骨粗しょう症の予防と治療のガイドラインでは評価は同じなので、それほどの差はないのかもしれません。
ビビアントとの比較
ビビアントとエビスタとの比較ですが。
効能効果は同じです。
発売年は、エビスタ2004年、ビビアント2010年。
用法・用量は、エビスタ:1日1回、60mg錠を1錠、ビビアント:1日1回、20mgを1錠
ガイドラインでの評価は同じ。
一部のデーターでビビアントの方が骨折予防効果が高いとなっています。
薬価は、エビスタ錠60mg1錠:109.20、ビビアント錠20mg1錠:109.70
エビスタには後発品(ジェネリック医薬品)が発売されています。
エビスタには併用注意として、クエストラン(コレスチラミン:コレステロールを下げる薬)などと併用するとエビスタの吸収を阻害するようです。
その他、血栓の治療薬であるワーファリンなどを効きにくくしたり、抗生物質のアンピシリンによってエビスタの血中濃度の低下が起こるなど注意しなければなりません。
この点もビビアントでの改良点でしょう。
副作用ではほぼ同じようですが。
エビスタで目立つ副作用では、ヘモグロビン減少、腹部膨満、嘔気、皮膚炎、膣の分泌物、多汗、体重増加など
ビビアントで目立つ副作用は、腹痛、発疹、貧血、口渇、耳鳴り、線維嚢胞性乳腺疾患、関節痛など
です。
使う意味について
エビスタは発売されて10年以上経っています。
使用例もたくさんあるし、安全性については問題ないでしょう。
ただ、効果の面でビスホスホネート製剤などには劣るようですが。
女性などが、早い段階から飲み続けることには向いていると思えます。
そしてビビアントと違う点といえば、ジェネリック医薬品がもう発売されているということですね。
閉経後の急なホルモンの減少を抑えるために、早い段階から長期間服用しなければならないので、薬剤費の負担の軽減になると思えます。
エビスタを選択するならジェネリック医薬品でいいのではないでしょうか。
ただ、併用注意には気を付けてください。
まとめ
閉経後骨粗しょう症治療薬であるエビスタ錠は骨に対しての作用を限定できる選択的エストロゲン受容体モジュレーターである。
乳がんの抑制効果もあるとされビビアントとともに有効な使用が望まれます。
エビスタは先に発売され、ジェネリック医薬品も発売されているので、長期使用においての薬剤費負担の軽減を図れると思いますので、その意味ではエビスタを使うならジェネリック医薬品を選択するのもいいかもしれません。
ただ、エビスタには併用注意もありますから、服用しているお薬を医師や薬剤師にお伝えして相談されるのがよろしいかと思います。
問題は薬はあなたに合うのかどうかまではわからないので、一度試してみて判断されるのが良いかと思います。
参考記事⇒骨粗しょう症治療薬ビビアントとは 他の薬との併用と副作用について