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脂質異常症

脂質異常症治療薬リポバスとは 薬としての効果と副作用について

投稿日:2017年11月4日 更新日:

 

 

生活習慣病の脂質異常症の治療において中心的な役割を担っているスタチン系の薬剤。

 

LDLコレステロールが高い場合にはまず処方されることになります。

 

なので調剤薬局ではこの種類の薬剤が良く調剤されています。

 

リポバスはスタチン系の中ではあまり使われていない方です。

 

脂質異常症治療薬リポバスとは、薬としての効果と副作用について紹介します。

 

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Contents

脂質異常症治療薬リポバスとは

 

日本では2002年6月より販売されている、LDLコレステロールを下げる強さがマイルドな方(スタンダードスタチン)の1つである「リポバス」。

 

もう、すでにジェネリック医薬品が発売されていて、薬の負担を減らそうとするならジェネリック医薬品の選択が可能である。

 

リポバスの成分名はシンバスタチンです。

 

脂質異常症は血液中のコレステロールやトリグリセリド(中性脂肪:TG)の数値異常がおこり、動脈硬化を早めたりするなど様々な病気を合併することになります。

 

肝臓においてコレステロール合成が行われており、コレステロールが合成される過程においてHMG-CoA還元酵素というものが関わっています。

そして肝臓で作られたコレステロールは各組織に移行して細胞膜やホルモンの材料などになったり、胆汁酸として排泄されたりします。

 

スタチン系薬剤はHMG-CoA還元酵素を阻害し、コレステロール合成を抑えたり、血中から肝臓へのLDLコレステロールの取り込み促進により、血中LDLコレステロールを低下させるとされています。

肝臓でコレステロール合成が抑えられると、末梢に中性脂肪(TG)を運ぶ役目のVLDLというリポ蛋白の合成が低下するので血中の中性脂肪(TG)も低下することになります。

スタチン系製剤は他に、HDLコレステロールの上昇作用もあるとされています。

 

 

禁忌

1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

 

2)重篤な肝障害のある患者

 

3)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦

 

4)イトリゾール(イトラコナゾール)、フロリード(ミコナゾール)、レイアタック(アタザナビル)、インビラーゼ(サキナビルメシル酸塩)、テラビック(テラプレビル)、スタリビルド(コビシスタット含有製剤)、オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル(ヴィキラックス)を投与中の患者

 

中性脂肪が下がらない場合に、併用されるのがフィブラート系と併用されることがありますが。

腎機能の臨床検査値に異常がみられる場合には原則的には併用してはいけないことになっています。

副作用のうちの「横紋筋融解症」が起こりやすいことが理由です。

腎機能の臨床検査値に異常が見られない場合でも「横紋筋融解症」には注意が必要になります。

 

 

用法用量

高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症

通常、成人にはシンバスタチンとして5mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、重症の場合は20mgまで増量できる。
夕食後1回投与が望ましい。

治療に際しては十分な検査を実施し、薬剤の使用が妥当である場合のみに使用します。

 

 

慎重投与

アルコール中毒者、肝障害や腎障害のある患者には慎重に投与し、定期的に検査をして確かめるようにする。

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甲状腺機能低下症、遺伝性の疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者、薬剤性の筋障害の既往歴のある患者。(横紋筋融解症が起こりやすいので注意を要する)

 

高齢者は生理機能が低下していることが多いため慎重に投与すること。

 

小児等に対する安全性は確立していない。

 

リポバスはスタチン系の中でグレープフルーツといっしょに飲んではだめなものの1つである。他にはリピトールがあります。

グレープフルーツに含まれるフラノクマリンが小腸にあるCYP3A4という酵素を阻害することでリピトールやリポバスの代謝を阻害することになり、

分解されなくなったリポバスなどが血中にとどまって濃度が上昇し効きすぎたりします。

 

クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)の抗凝血作用をリポバスは増強する。

 

ボンゾール(ダナゾール)やニコチン酸との併用で急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。

 

サンディミュン・ネオーラル(シクロスポリン)はリポバスの血中濃度を上昇させます。

 

エリスロシン(エリスロマイシン)、クラリス・クラリシッド(クラリスロマイシン)、HIVプロテアーゼ阻害剤(メシル酸ネルフィナビル等)、ノービア(リトナビル)を併用すればリポバスの血中濃度を上昇させます。

 

ストックリン(エファビレンツ)は併用してリポバスの血中濃度を低下させます。

 

アンカロン(アミオダロン)、アムロジン(アムロジピン)、ワソラン(ベラパミル)との併用でリポバスの血中濃度を上昇させます。

 

ヘルベッサー(ジルチアゼム)との併用でリポバスの血中濃度を上昇させます。

 

グラジナ(グラゾプレビル)との併用でリポバスの血中濃度を上昇させます。

 

薬としての効果

 

スタチン系は脂質異常症の治療において高い効果が期待できるため、よく処方されることが多い薬剤になります。

 

そのスタチン系の中でもマイルドな方であるスタンダードスタチンの1つとされるリポバス(シンバスタチン)。

 

他のスタンダードスタチンとのLDLコレステロールを下げる強さの差はないとされています。

 

副作用について

 

主な副作用としては、CK上昇、肝機能障害、倦怠感、GOT上昇、GPT上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇、そう痒感、嘔気・嘔吐、貧血などである。(再審査終了時)

 

その他では膵炎、腹痛、下痢、光線過敏、筋肉痛、貧血、認知機能障害、抑うつ、頻尿、テストステロン低下、勃起不全、HbA1c上昇、血糖値上昇など多岐にわたります。

 

重大な副作用はいろいろあるのですが、そのうちでも頻度は少ないのですが、横紋筋融解症や肝障害には特に注意する必要があります。

手足・肩・腰などの筋肉痛、手足がしびれる、脱力感、全身倦怠感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇(尿が赤褐色になる)などがみられたら横紋筋融解症を疑う必要があります。

CKの値が基準値の10倍となることが横紋筋融解症の目安です。

 

横紋筋融解症よりも少し起こる確率が高い肝障害は、定期的に検査を行い、γ-GTP上昇、GOT上昇、GPT上昇などがあらわれると投与を中止するなど適切な処置を行う必要があります。

このような症状が見られた場合は服用を中止するなどの適切な措置をすることになります。

 

まとめ

 

生活習慣病でよくありがちな脂質異常症の治療にはスタチン系がよく使われます。その中でも効果のマイルドなリポバスは使用頻度は少なめであると言えます。

 

効き目がマイルドなこと、グレープフルーツに影響されることや相互作用が多めなことも使用が少ない理由なのかもしれません。

 

頻度が少ない重大な副作用で、横紋筋融解症と肝障害には注意する必要があります。

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