生活習慣病の脂質異常症の治療においてはあまり使われなくなったロレルコ。
LDLコレステロールが高い場合で主に黄色腫などで処方されることがあります。
調剤薬局ではこの薬剤はLDLコレステロールが高い場合の黄色腫とかでたまに調剤されています。
脂質異常症治療薬ロレルコとは、薬としての効果と副作用について紹介します。
Contents
脂質異常症治療薬ロレルコとは
日本では1985年2月より販売されている、コレステロールを下げるため使われる薬の1つである「ロレルコ」。
もう、すでにジェネリック医薬品が発売されていて、薬の負担を減らそうとするならジェネリック医薬品の選択が可能である。
ロレルコの成分名はプロブコールといいます。
脂質異常症は血液中のコレステロールやトリグリセリド(中性脂肪:TG)の数値異常がおこり、動脈硬化を早めたりするなど様々な病気を合併することになります。
コレステロールは小腸での吸収や肝臓での合成で作られ、全身に運ばれて性ホルモンへの合成などに使われることになります。
そして、余ったコレステロールは肝臓で胆汁酸に変えられて、胆管をとおして小腸に排泄され、90%以上が再吸収され残りが体外に出ていくことになります。
この胆汁酸への変換を促進する(コレステロール異化促進)のがロレルコの作用になり、結果的にコレステロールや中性脂肪の値を下げることになります。
この薬の特性としてHDLコレステロールも下げてしまうという点がありますが、HDLコレステロールがLDLコレステロールの回収に働いたことで減ったとの見方もあるようです。
同じ成分の先発薬でシンレスタールというお薬もあります。
禁忌
1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2)重篤な心室性不整脈(多源性心室性期外収縮の多発)のある患者
3)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
用法用量
高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、黄色腫
通常、成人にはプロブコールとして1日量500mgを2回に分けて食後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、家族性高コレステロール血症の場合は、1日量1000mgまで増量することができます。
治療に際しては高脂血症治療の基本である食事療法、運動療法などを検討し、薬剤の使用が妥当である場合のみに使用します。
投与中は定期的に心電図を測定することが望ましい。
治療効果が認められない時には投与を中止すること。
慎重投与
心筋梗塞の新鮮例及びうっ血性心不全のある患者
心室性不整脈のある患者
QT延長を起こしやすい患者(先天性QT延長症候群、低カリウム血症等)
本剤との併用でサンディミュン、ネオーラル(シクロスポリン)の作用が減弱する恐れがある。
陰イオン交換樹脂(クエストラン(コレスチラミン))との併用でHDLコレステロールを著しく低下させることがある。
高齢者は生理機能が低下していることが多いため慎重に投与すること。
授乳婦では投与を避けることが望ましい。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験が少ない)
薬としての効果
コレステロールは肝臓で胆汁酸に変えられて、胆管をとおして小腸に排泄されます。
この働きを促進してコレステロールや中性脂肪を下げるのがロレルコの作用です。
HDLコレステロールもLDLコレステロールの回収に働いたためか、同時に下がることがあるようです。
主に黄色腫をともなう高コレステロール血症に使われています。
副作用について
主な副作用としては、GOT上昇、GPT上昇、CK上昇、Al-P上昇、BUN上昇、尿酸上昇、空腹時血糖上昇、発疹、そう痒、貧血、白血球減少、血小板減少、下痢、軟便、嘔気・嘔吐、腹痛、胸やけ、食用不振等である。
その他ではQT延長、めまい、頭痛、腹部膨満感、倦怠感などがあります。
重大な副作用は心室性不整脈、失神(頻度不明)、消化管出血、末梢神経炎(頻度不明)、横紋筋融解症(頻度不明)があります。
ロレルコにはこれといって特有な副作用はないですが、下痢、便秘、腹痛などの胃腸症状が起こり得ます。
頻度は少ないのですが、横紋筋融解症にも少し注意する必要があります。
手足・肩・腰などの筋肉痛、手足がしびれる、脱力感、全身倦怠感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇(尿が赤褐色になる)などがみられたら横紋筋融解症を疑う必要があります。
CKの値が基準値の10倍となることが横紋筋融解症の目安です。
副作用についてはゼチーアとほぼ同じです。
まとめ
生活習慣病でよくありがちな脂質異常症の治療で、ロレルコはLDLコレステロールが高い場合の黄色腫とかで調剤されることがあります。
主な副作用は下痢、便秘、腹痛などの胃腸症状で、まれですが横紋筋融解症にも少しだけ注意を払う必要があります。