溶連菌感染症に使われる抗菌薬オラセフとは薬としての効果と副作用について

投稿日：2018年5月30日

溶連菌は子どもがかかりやすい感染症の1つです。

ただ、大人もかかることがあり得ますから注意しなければなりません。

のどの症状が出る場合が一番多く、赤くなったのどを見れば、溶連菌感染症を疑ってみましょう。

溶連菌感染症に使われる抗菌薬オラセフとは薬としての効果と副作用について紹介します。

Contents

溶連菌感染症に使われる抗菌薬オラセフとは

日本では1988年6月より販売されている、セフェム系の第2世代の抗生物質の１つである「オラセフ」。

ジェネリック医薬品は発売されていないので、薬の負担を減らすためにジェネリック医薬品を選択することができません。

オラセフの成分名はセフロキシムアキセチルである。

レンサ球菌は常在菌の一種で、誰でも皮膚などに持っている細菌である。

溶連菌感染症はそのレンサ球菌が何らかの原因で病原性を持つことになり症状を発症したものである。

溶連菌感染症とは、大きなくくりで言えば、グラム陽性球菌のうちのレンサ球菌属によっておこされる感染症すべてのことなのですが。

医療の中で注目されるのは、よくおこる化膿レンサ球菌のことについてです。

溶連菌は正しくは、A群β-溶血性連鎖球菌と言います。

主な症状はのどの痛み、発熱などがあります。

なので、抗菌薬と痛み止めや抗炎症薬、解熱鎮痛薬などが処方されていることが多いです。

抗菌薬はペニシリン系が一番多く、次にセフェム系、まれにマクロライド系が処方されています。

予防はワクチンがないので、マスクの着用や手洗いうがいが主になります。

治療のタイミングが早く服用をきっちりすれば、特に問題なく経過するようです。

最近では、耐性菌の問題から、患者の状況をよく考え、抗菌剤を出すかどうかを判断するようです。

オラセフは、溶連菌感染症でペニシリン系の次に良く使われるセフェム系抗生物質で、溶連菌を含むグラム陽性菌などに有効です、溶連菌に殺菌的に作用して溶連菌感染症を改善することになります。

禁忌

本剤の成分またはセフロキシムナトリウムによるショックの既往歴のある患者

原則禁忌（特に必要とする場合には慎重に投与する）

本剤の成分またはセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

用法用量

連鎖球菌属による、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、中耳炎など。

通常、成人には1回250mgを1日3回食後経口投与する。

重症または効果不十分の場合には1回500mgを1日3回食後経口投与する。

なお、年齢、症状などにより適宜増減する。

剤型

錠剤

オラセフ錠250mg　　　　　　　　　　　　60.90円/1錠

耐性菌の発現などを防ぐため、原則として感受性（効果があるかどうか）を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

慎重投与

ペニシリン系抗生剤に対し、過敏症の既往歴のある患者。

本人または両親、兄弟に気管支喘息、発疹、じんましんなどのアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者。

高度の腎障害のある患者。

経口摂取の不良な患者または非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者。（ビタミンK欠乏症があらわれることがある）

経口避妊薬（トリキュラー、アンジュ、ラベルフィーユなど）との併用で経口避妊薬の効果が減弱するおそれがある。

高齢者は生理機能が低下していることが多いので、副作用が出やすく、ビタミンK欠乏による出血傾向が出やすいので、本剤の投与には慎重に対応すること。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。

授乳婦への投与は慎重に行うこと。（ヒト母乳中へ移行するとの報告がある）

小児などに対する安全性は確立していない。

薬としての効果

オラセフはセフェム系の抗生物質でグラム陽性菌などに対して殺菌的に作用します。

ペニシリン系抗生剤が無効な菌に対しても抗菌力を示すことがあります。

溶連菌感染症で使われることもあります。

副作用について

主な副作用としては、下痢、悪心などの消化器症状（1.01％）、GOT、GPT上昇などの肝機能異常（0.48％）、好酸球増多、白血球減少などの血液異常（0.24％）などである。

その他の副作用としては、発疹、じんましん、発熱、浮腫、関節痛、貧血、腹痛、便秘、カンジダ症、めまい、頭痛、耳痛、口内炎、心悸亢進などがあります。

重大な副作用

ショック、アナフィラキシー

重篤な腎障害

ひどい皮膚症状

重篤な大腸炎（偽膜性大腸炎など）

重大な副作用（類薬で報告があるので注意する）

汎血球減少症、無顆粒球症、溶血性貧血

間質性肺炎、PIE症候群（好酸球性肺炎）

まとめ