期待されて発売されたオプジーボ、適用が増えて使用される頻度が増えています。
薬価が高額だったため、適用が増えるとともに論議の的になり、2度にわたる薬価改正と用法用量の変更などが加えられました。
いろいろと注目されているオプジーボですが、発表された使用上の注意の改訂について考察します。
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使用上の注意の改定の内容
医薬品医療機器総合機構(PMDA)が2月12日に抗悪性腫瘍薬「オプジーボ(販売名)」(成分名:ニボルマブ)の改定情報を公開しました。
それは使用上の注意の中の重大な副作用に「血球貪食症候群」を追加するという内容でした。
そして、その流れで、すでにある「免疫性血小板減少性紫斑病」を「重篤な血液障害」と改め、「溶血性貧血」、「無顆粒球症」に関する記載も追加したようです。
この内容を公開するにあたり、
血球貪食症候群関連症例10例(この薬による可能性を否定できないもの3例)、
溶血性貧血関連症例15例(この薬による可能性を否定できないもの3例)、
好中球減少関連症例33例(この薬による可能性を否定できないもの12例)
が報告されていたという、
また、溶血性貧血関連症例の中には死亡例が1例あったが、この薬によるものではないとされています。
いろいろと難解な言葉が出てきましたね。
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[血球貪食症候群]
簡単に言うと、マクロファージというような組織球と呼ばれる細胞が、通常は食べて分解しない赤血球・白血球・血小板などを食べて分解してしまう病気です。
マクロファージなどはお掃除屋さんで、細胞の死がい(微生物などの)などを掃除してくれているんですが、異常に活性化すると大事な赤血球などを食べてしまうのです。
オプジーボの副作用っぽいですね。
[免疫性血小板減少性紫斑病]
血小板が減少することで出血しやすくなり、主に点状出血や紫斑を呈するようになる難病。
免疫がかかわっていることから、この薬の副作用らしいと思えます。
[溶血性貧血]
赤血球が壊れることが亢進した状態の総称です。赤血球の抗原と反応する自己抗体が産生され起こることもあります。
自己免疫が行きすぎた場合も当てはまるので、この薬の影響と思えます。
[好中球減少症]
血液中の好中球の量が正常よりも減っている状態のことです。
好中球などは殺菌にかかわっているので、感染するリスクが高くなります。
免疫にかかわるものだと思えます。
[無顆粒球症]
顆粒球とは白血球のうちの好中球・好酸球・好塩基球という3つのものの総称です。
顆粒球は顆粒という殺菌作用をもったものを含んでいます。
顆粒球(特に好中球)がほとんどなくなる病気のことです。
なので、細菌などに感染しやすくなり、重症感染症を起こして、生命の危険にさらされる場合があります。
これも、免疫にかかわるものと思えます。
考察
期待されて出てきた新薬ですが、やはり副作用も追加で出てきましたね。
薬とは副作用も必ずあるもの、それが重大かどうかは別にしてあるものです。
ガンという治りにくいというもの、命にかかわるものなら、なおさら注意しないといけない気がします。
この薬のコンセプトは副作用がおこりにくいように思えました。
でも、使用していくうちに、治験では見つからなかった副作用も見えてきています。
注射薬であるがゆえ、実際の使用状況などは見ることができませんが、注射薬であるがゆえ、効果がある、副作用があるなどははっきりするように思います。
血液中に入れるということはそういうことです。
効果も出やすいが、副作用も出やすい。
ガンになった人やその家族は、罹患したガンに適用されるなら、どうしても使いたいお薬でしょうが。
効果がある人、副作用がでる人は人それぞれでしょう。
使う人が有効に使用できることを願います。
まとめ
2月12日で厚生労働省は、必要があるとして、オプジーボの副作用情報を公開しました。
血液関連の重大な副作用があるので注意が必要でしょう。
オプジーボの有効性や副作用が今後どのようになっていくか見守りたいですね。
参考記事⇒オブジーボより高い薬になるかノバルティスの遺伝子療法薬