11月13日のニュースで、17年前にフェレットに咬まれて蜂窩織炎を発症した大分県警大分中央署の警部補が、
2019年の1月に41歳で死亡していたと書かれていた。
通報を受けてフェレットを捕獲しようとしたときに咬まれた、その後3ヶ月後に蜂窩織炎を発症して以降、
死亡するまでの間入退院を繰り返していたと言われている。
この死亡は、17年前の公務でのフェレットのよるものと判断したようで、公務災害と認定されている。
蜂窩織炎とはどんなものか、フェレットとの関連や、17年間も闘病するようなものなのかについて考察してみます。
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蜂窩織炎とは
蜂窩織炎(ほうかしきえん)は皮膚の細菌感染症の1つである。
名前が耳慣れず、特殊な病気かなと思いますが、実は身近な病気です。
病巣が皮下の深いところに及ぶのが蜂窩織炎で、浅い場合は丹毒と呼ばれます。
通常の皮膚は細菌に対して強いバリアを持っていますが、何らかの原因でそのバリアが破られることがあります。
1.皮膚が損傷している。
2.アトピー、水虫、とびひ、やけど、手術後などのために皮膚が弱っている。
のような場合には蜂窩織炎に感染しやすくなることが考えられます。
その原因となる細菌は多くの種類がありますが、最も一般的なものはレンサ球菌とブドウ球菌である。
症状としては、
<局所症状>
皮膚が赤くはれる。
皮膚が熱をおびる。
皮膚の痛み。
<全身症状>
発熱。
悪寒。
ふるえ。
頻脈。
低血圧。
頭痛。
関節痛。
だるさ。
混乱。
などです。
診断は、見た目や症状、採血検査結果、レントゲンなどを総合的に判断して行われます。
治療は、抗菌薬による薬物療法で、迅速に適切に行えば、多くの場合は5~14日程度で治療が終了しますが、
中には悪化して長引く場合もあるようです。
ちゃんと治療ができていれば、再発することはないですが、1年以内の再発率は8~20%とされている。
同じ部位に再発を繰り返せば、リンパ管の損傷がおこり、ずっとはれたままになることもあります。
蜂窩織炎の患者と接しても、通常はうつることはありません、ただ、ケガなどをしている場合は注意が必要です。
傷口から感染する可能性があるからです。
フェレットとの関連性
フェレットの口腔内には、パスツレラやコリネバクテリウムなどの常在菌があるらしい。
日本は狂犬病清浄地域となっているのですが、狂犬病の可能性は低いが全くゼロとは言い切れない。
まあ、狂犬病の場合は蜂窩織炎とは別の話になるので、今回の場合はないと考えてもようさそうです。
病院での咬傷治療はきっちりされていると考えるのが通常ですが、フェレットという動物が小さな動物なので手を抜いたと考えることもありえる。
ただ、手を抜いたとしても、3ヶ月後に蜂窩織炎を発症することと関係があるのかと言われれば、なんとも言えない。
それまで、症状が出てないのなら関連性は薄いと思えますね。
ただ、フェレットにより咬まれたことで皮膚が弱っていると考えれば、蜂窩織炎にかかりやすい状態であるとは言えます。
3ヶ月たって皮膚が弱ったままなのかと言われれば、個人差があることでもあるので、なんとも言えないですが。
17年間も闘病するのか
この闘病生活が、フェレットに咬まれたことと結びつけるのはどうか?
17年間は長い。
咬まれて、3ヶ月は発症しなかったのはどう説明する。
それほど、長くあとを引くものなのか?
ハッキリ言えば、よくわからないとしか言えないですね。
まとめ
蜂窩織炎は身近な皮膚感染症ですが、今回のケースで17年もの闘病のもとになったと言えるかはわかりません。
難しい判断と言えるでしょう。