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横紋筋融解症とは何か、原因や症状、診断と治療などについて紹介します。

投稿日:2019年11月21日 更新日:

 

 

首が痛い、腰が痛いなどの症状を感じている場合には、

 

まれに横紋筋融解症という病気を起こしていることがあります。

 

尿の色や出方に注意して、早急に病院などに受診することをおすすめします。

 

横紋筋融解症とは何か、原因や症状、診断と治療などについて解説します。

 

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Contents

横紋筋融解症とは何か

 

横紋筋融解症を英語で示すと、Rhabdomyolysisとなります。

 

横紋筋融解症とは、筋肉を作っている骨格筋細胞に融解や壊死が起こり、筋肉の成分が血液中に流れ出してしまう病気です。

 

主に流れだす筋肉成分はミオグロビンというヘムタンパク質の1つになります。

 

ミオグロビンは筋肉組織内に血液中の酸素を運ぶ役割があります。

 

重症になれば、腎機能の低下をもたらし、腎不全から臓器機能不全を発症して死亡する場合もあります。

 

原因や症状

 

横紋筋融解症を引き起こす状態としては、夏場の熱中症や充分な水分補給もなく激しい運動をした時、

 

震災や事故(自動車や電車)などの不測の事態としての挫滅(クラッシュ)症候群など、つまりは筋肉へ強い衝撃が加わるような場合、

 

各種薬剤投与などがあります。

 

夏場の熱中症では深部体温が40℃を超えて骨格筋の変性や壊死が起こり、筋細胞よりタンパク質(主にミオグロビン)やミネラルなどの成分が流出し横紋筋融解症になります。

 

水分が不足した状態での激しい運動(マラソンなど)では、脱水や筋肉内にたまる熱などにより筋肉に損傷を受けやすくなり熱中症ほどではないですが横紋筋融解症を起こすことがあります。

 

挫滅症候群では、災害や事故などで、手足、腹部、臀部などの筋肉が挫滅したり2時間以上圧迫を受けたりすると骨格筋の損傷が起き、横紋筋融解症になります。

 

原因となる薬物は以下のようなものがあります。

 

脂質異常症(高脂血症)治療薬のフィブラート系やHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系)による症例が代表例です。

 

その他、ニューキノロン系抗生物質、パーキンソン病治療薬、抗精神病薬でもあります。

 

原因となるお薬の例を以下に示しておきます。

 

脂質異常症治療薬

HMG-CoA還元酵素阻害薬・・・アトルバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、ピタバスタチン

フィブラート系薬剤・・・クリノフィブラート、フェノフィブラート、ベザフィブラート、クロフィブラート、クロフィブラートアルミニウム

その他・・・プロブコール、コレスチミド

 

抗生物質

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ニューキノロン系・・・オフロキサシン、ロメフロキサシン、ガチフロキサシン、プルリフロキサシン、スパルフロキサシン、ノルフロキサシン、トシル酸トスフロキサシン、メシル酸パズフロキサシン、エノキサシン、フレロキサシン、シプロキサシン、レボフロキサシン

マクロライド系・・・クラリスロマイシン

β-ラクタム系・・・ピペラシリン、セフカペンピボキシル、ファロペネム、タゾバクタム・ピペラシリン

 

神経系に作用する薬剤・・・エチゾラム、ブロムペリドール、ハロペリゾール、デカン酸ハロペリドール、リスペリドン、ペロスピロン

 

抗うつ薬・・・クロミプラミン、マプロチリン

 

そう病治療薬・・・炭酸リチウム、バルプロ酸ナトリウム

 

ベンゾジアゼピン系睡眠薬・・・フルニトラゼパム

 

キサンチン系気管支拡張薬・・・テオフィリン、アミノフィリン、コリンテオフィリン、プロキシフィリン、ジプロフィリン

 

解熱消炎鎮痛薬・・・シクロフェナク

 

免疫抑制薬・・・シクロスポリン

 

痛風・高尿酸血症治療薬・・・アロプリノール、コルヒチン

 

上記以外に、消化性潰瘍薬、総合感冒薬、高血圧治療薬、骨格筋弛緩薬、抗真菌薬などがあります。

 

 

横紋筋融解症を引き起こす因子として以下のものにも注意しておきましょう。

 

加齢(80歳以上)

腎機能障害

高血圧

代謝異常(先天性代謝性筋疾患など)

感染症

慢性的なアルコール摂取

糖尿病

けいれん

BMI低値

肝疾患、胆道閉塞性疾患

甲状腺機能低下症

術後

低カリウム血症

低ナトリウム血症

閉塞性動脈疾患

同じ姿勢を長時間続ける

 

 

それらにより引き起こされた骨格筋細胞の融解や壊死で、以下の症状がでることがあります。

 

四肢のしびれ、脱力。

全身倦怠感。

筋肉(手足・肩・腰・全身)の痛み圧痛、硬直、腫れ。

ミオグロビンやCPKなどの血中流出。

赤褐色尿(ミオグロビンによる)。

高カルシウム血症。

高尿酸血症。

高カリウム血症。

高リン血症。

ひどい場合は急性腎不全など

(筋肉の成分(主にミオグロビン)が血液中に流出した結果、腎臓に負担がかかり、尿が出にくくなるなど)

 

診断と治療

 

診断としては、

全身の状態(痛み・筋組織の所見など)

脱水の状態

ミオグロビン尿(赤褐色)

CPK(CK)の数値上昇(基準値、男:50~230U/L 女:50~210U/L BMLによる参考値)

などにより判断されます。

 

主な治療には

原因となる薬剤服用の中止

脱水改善

尿のアルカリ化

輸液療法

血液透析

などがあります。

 

まとめ

 

運動をしたときや風邪を引いたときにも似たような症状がでるので間違うこともありますが。

 

ミオグロビン尿とCPK値の上昇で判断できます。

 

状況を総合的に判断して、おかしいなと思った時は、早期に医療機関を受診することをおすすめします。

 

薬物の場合はスタチン系とフィブラート系の併用で発生頻度が高くなります。

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