昨年末に中国武漢で多発した原因不明の肺炎は新型コロナウイルスによるものと診断された。
現地保健委員会の発表によると、2020年1月10日24時時点で患者数は41人で、重傷者は7人、死亡者は1人となっている。
2020年1月3日以降に現地にて新たな患者は確認されていないが、1月13日にWHO(世界保健機関)はタイにおいて新型コロナウイルスの輸入症例があると報告されたことを発表した。
1月8日にタイのスワンナブーム空港に到着した中国人女性とのことである。
コロナウイルスについてと、中国で多発した肺炎についての考察をします。
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コロナウイルスとは
電子顕微鏡で見るコロナウイルスは直径約100nmの球形で、形態が王冠に似ているので”コロナ”と命名されたようである。
コロナウイルスは自然界に存在するいろんな動物に感染し、様々な疾患を引き起こします。
症状としては、呼吸器症状や下痢、胃腸炎などが主である。
コロナウイルスには人間に風邪を引き起こす種類がある。
今の時点では4種類がわかっている。
また、2種類は動物から感染して人間に重症肺炎をもたらすウイルスがある。
サーズと呼ばれていた重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)、これはこうもりから広まったとされる。
中東で流行した中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)、これはラクダから広まったとされる。
というものである。
また、家畜や野生動物などで伝染して様々な疾患を引き起こす種類もあり、軽症の呼吸器症状や下痢を引き起こしたり、まれに致命的な症状を引き起こす場合も知られている。
該当する動物は豚や鶏、猫などが良く知られている。
なお、同一の種の中で感染し、他の動物に感染することはほとんどないようである。
中国の原因不明の肺炎について
WHOは中国からの情報提供により、患者から新型のコロナウイルスが検出されたことを確認した。
タイに観光で訪れていた中国人女性からも同じコロナウイルスを確認している。
香港でも中国の武漢を訪れた48人が原因不明の肺炎などの症状を示しているとのニュースがありますが詳細は不明のようです。
現時点でこの疾患は類似疾患の可能性は否定されています。
インフルエンザ、鳥インフルエンザ、アデノウイルス、重症急性呼吸器症候群(SARS:サーズ)、中東呼吸器症候群(MERS)などではないとしている。
咳などの呼吸器症状や発熱があると推定できますが、
どのような症状が、どのようなタイミングで出るのかなど、まだまだ詳しい情報がわかっていないため、今後の情報を待つしかありません。
現時点での治療法は対症療法しかないとアナウンスされています。
相手がコロナウイルスで、それも新型なので、ワクチンや特効薬などは今の時点ではないと思えます。
今後の情報次第でどういった対策をするのか、方向性が定まってくるでしょう。
おそらく、予防は呼吸器からの感染が主だと推測できるためマスクの着用やうがい、手洗いになるでしょう。(これがせめてもの予防)
時間経過などから、大規模な感染の広がりをみせていないが、家族間など、限定的にヒトからヒトへと感染する可能性もありえるとして、
さらなる感染を防ぐため医療機関向けに診断方法を示した手引きをウェブサイトに公表しました。
充分な情報収集で万全な対策が望まれます。
追記
1月16日に厚労省が日本国内で初めての患者を確認したと発表。
神奈川県に住む30代男性で、1月3日武漢で発熱の症状があり、1月6日に日本に帰国。
医療機関に受診し、9日に39度の高熱、悪化の兆しがあったので10日に入院、以後回復し15日に退院したという。
中国で肺炎患者と接触したのではないかと言われている。
人から人への感染は不明であるが、武漢に行った者の中で、咳・発熱があり疑わしき場合はマスク着用(ウイルスの飛沫を広めないように)で早期に医療機関を受診し渡航歴を申告するよう求めている。
追記(1月20日)
中国での死者が計3人となる。
タイで2人目の発症者確認、中国以外では3人目。
武漢でさらに136人が発症、こん後増える可能性がある、北京と広東省でも患者が発症(計3人)、韓国でも中国人女性1人感染確認。
中国は情報統制をしいており、不明な部分もある、今後の成り行きに注意しましょう。
人から人への感染については不明な部分があるが爆発的には増えていないとみられる。
追記(1月21日)
中国での状況が一気に変わりつつあります。
武漢では発症者は198人で、25人は軽快して退院、126人は軽症、35人は重症、9人は最重症、3人は死亡(4?)。
医療従事者の感染は14人。
それ以外の地域では
広東省の感染者は、14人。
北京市の感染者は、5人、1人は重症。
上海市の感染者は、1人(56歳女性)
となり、武漢に渡航歴のない感染者の接触者もあると報じられました。
中国国外については、
タイ2例
日本1例
韓国1例
感染源はやはり海鮮市場で売られていた野生動物の可能性がありそうですが、それ以外にも可能性がある。
死亡している4例のうち3例は高齢者で、その他の情報からもSARSやMERSに比べると重症度は低いと考えられる。
ヒトからヒトへの感染はありますが、それほど感染性は高くないようです、今後の推移を見守りましょう。
追記(1月22日)
中国の北京で記者会見が開かれた。
新型コロナウイルスでの死者9人、発症者440人に拡大した。
「ウイルスは変異する可能性があり、拡大する可能性がある」
ありうる話ですね、もともとインフルエンザも変異して人間への感染を広めている経緯があります。
コロナウイルスもそうなってもおかしくない。
各国での感染者の報告も徐々にみられるようになるかもしれない、一部ではもう出ているとの未確認情報がありますが、すでにそうなっていて確認がとれていないだけかも。
あるいは、メディアに届いていないとか。
武漢市へ行ったり、武漢市への渡航歴がある人と接触するのは避けたいですね。
追記(1月23日)
とうとう武漢封鎖か、まあ、そうする方が早く終息するかも。
外務省も「感染症危険情報レベル2」に引き上げた。
中国武漢への不要不急な渡航は中止しましょう。
追記(1月24日)
その後の研究で今回のウイルスの宿主はコウモリかヘビの可能性が示唆されました。
このウイルスはSARSに遺伝子的に80%似ているようですが悪性度はそれほどでもないようです。
まあ、そのことが感染の広がりをもたらしているようです。
ヒトからヒトに感染することが確定しているので、注意するようにしましょう。
追記(1月25日)
ウイルスも変異しているようです。
ヒトからヒトへの感染も今後増えるかもしれないですね。
中国以外での患者も増えていく可能性があります。
ウイルスなどの微生物も環境に適応して子孫を増やすために必死で生きていると思えば当然のことかもしれない。
追記(2月13日)
だんだんと解明されつつある。
人から人への感染がある、潜伏期間が24日との情報もある。
状態によって強制的に隔離させられるかも。
各地で感染者の確認がされている。(和歌山県と東京都で)
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まとめ
新しいタイプの呼吸器感染症のようですね。
まだまだ詳しい症状などがわかっていませんが、死亡例も1人ですが(現時点)あるので、
中国などの患者発生地域に行かれる場合は充分に注意が必要かと思います。
感染する恐れのある地域からの帰国後は自身の症状に注意し、場合によっては、マスクの着用するなどし、医療機関の受診をするようにしましょう。
参考記事⇒酸化ストレスとは その原因と対策について
参考記事⇒新型コロナウイルスの消毒について