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インフルエンザ

タミフルの副作用とは それぞれの頻度はどれくらい 注意点について

投稿日:2017年10月11日 更新日:

 

 

インフルエンザの治療薬は、飲み薬はタミフル、吸入するお薬はリレンザやイナビル、注射薬はラピアクタというふうに、投与方法でラインナップがそろっています。

 

最初に発売されたタミフルでは「異常行動」という副作用が取りざたされて、10歳以上の患者に対しては原則として使用を差し控えるということになっています。

タミフルだけでなく他の薬剤でも「異常行動」という副作用がみられたとの報告もあるようです。注意しましょう。

 

タミフルの副作用とはどんなものがあって、それぞれの頻度はどれくらいなのかと注意点について紹介します。

 

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Contents

タミフルの副作用とは

 

タミフルの添付文書(くすりの説明書)には警告と題してこんな文言が初めに書かれています。

 

1.

本剤の使用にあたっては、本剤の実用性を慎重に検討すること。

 

2.

10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、本剤の服用後に異常行動を発現し、転落等の事故に至った例が報告されている。

このため、この年代の患者には、合併症、既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては、原則として本剤の使用を差し控えること。

また、小児・未成年者については、万が一の事故を防止するための予防的な対応として、本剤による治療が開始された後は、

(1)異常行動の発現のおそれがあること、

(2) 自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮すること

などについて患者・家族に対し説明を行うこと。なお、インフルエンザ脳症等によっても、同様の症状があるので、上記の説明を行うこと。

 

3.

インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチンによる予防であり、本剤の予防使用はワクチンによる予防に置き換わるものではない。

 

タミフルでの死亡例が一番多いので、きっちり異常行動について書かれています。

予防のためにタミフルを使うのをできるだけ止めましょうということも書かれています。

予防では基本はワクチンですか。

現行のワクチンでは予防はできないとの見方があり、ワクチンはウイルスが感染してからの重症化を防ぐということになっています。

もちろん流行するウイルスの型が違っていたり、その型に変異が起きていたりすると効果が無いか、少なくなります。

 

インフルエンザのワクチンは微妙な立ち位置ですね。

 

 

飛び降りなどの「異常行動」には具体的には他にどんなものがあるのかを以下に示します。

 

1.人を正しく認識できない。(身内を知らない人と言う)

2.食べ物とそうでないものの見分けができない。(手にかみつくなど)

3.幻覚、幻視を訴える。(動物が見えたり、アニメのキャラクターが見えたりする)

4.ろれつが回らない(意味不明の言葉を発したり、うなる)

5.感情の変化が激しい。(急に怒りだしたり、泣き出したり、怖がったりする)

6.急に走りだしたり、物を破壊しだす。

 

この異常行動の原因に関しては、

(1)ノイラミニダーゼ阻害薬自身の作用

(2)それぞれの薬物に含まれている添加物が原因

(3)インフルエンザウイルスが引き起こす症状が原因

のどれかだと思われていますが、今のところはっきりとした結論は出ていません。

 

この異常行動は、タミフルでもリレンザでもイナビルでもだいたい同じ頻度で起きていることが厚生省の調査で判明しています。

ただ、飛び降りるという事件に発展したのがタミフルが多かっただけのことのようです。

リレンザでも少し起きてますね。

イナビルはどうなんでしょうか。

あったらニュースになってますから、飛び降りまでは起きてないのでしょう。

 

鼻と気管支などの粘膜に適用するリレンザやイナビルの方が副作用が起きにくそうですが、全身を巡る確率の高いタミフルと同じとは意外でした。

もしかしたら、他剤のところでも書きましたが薬のせいではないのかもしれないですね。

あくまで私の感です。

(解熱剤での異常行動の報告もあるようなので、今後のデーターの集積によって全体像が見えてくるかもしれないですね。)

 

私は薬は基本的に飲まずに治します、あんまりインフルエンザにかかったことはないと思うのですが、個人の数少ない経験では、寝込むことはあっても「異常行動」を経験したことがありません。(医者にかかっていないのでインフルエンザにかかっていたかどうかはわかりません、未成年のころはしなかったですが成年になって医療機関で働き出してからはワクチンは職業柄ほとんど毎年接種してました、というかさせられていました。)

 

 

異常行動以外の他の副作用については、(添付文書より)

 

重大な副作用として

 

1.ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、じんましん、血圧低下、顔面・喉頭浮腫など)

 

2.肺炎

 

3.劇症肝炎、肝機能障害や黄疸(GOT、GPT、γ-GTP、Al-pの著しい上昇を伴う)

 

4.中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群などの皮膚障害

 

5.急性腎不全

 

6.白血球減少、血小板減少

 

7.神経・精神症状(意識障害、異常行動、譫妄(せんもう)、幻覚、妄想、痙攣等)

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8.出血性大腸炎、虚血性大腸炎

 

その他の副作用では(異常行動らしきものも含まれていますが)

発疹、じんましん、皮下出血、紅斑(多形紅斑を含む)、そう痒症、口唇炎、血便、メレナ、吐血、消化性潰瘍、下痢、悪心、嘔吐、腹痛、口内炎(潰瘍性を含む)、食欲不振、腹部膨満、口腔内不快感、便異常、激越、振戦、悪夢、めまい、頭痛、不眠症。傾眠、嗜眠、感覚鈍麻、上室性頻脈、心室性期外収縮、心電図異常(ST上昇)、動悸、GPT増加、GOT増加、γ-GTP増加、Al-p増加、血尿、蛋白尿、好酸球数増加、気管支炎、咳嗽、鼻出血、視覚障害(視野欠損、視力低下)、霧視、複視、結膜炎、眼痛、疲労、不正子宮出血、耳の障害(灼熱感、耳鳴等)、発熱、低体温、血中ブドウ糖増加、背部痛、胸痛、浮腫

などがあります。

補足説明:

中毒性表皮壊死融解症や皮膚粘膜眼症候群とは皮膚だけでなく眼、口唇、陰部などの粘膜に起きるやけどのような薬疹のひどいものを指します。

そう痒とはかゆいこと。

GPT、GOT、Al-p、γ-GTPともに肝機能が悪くなると上昇します。

メレナとはタール便、黒色便ともいいます、血便の一種。

激越とは感情が高ぶって、言葉や行動が非常に激しいこと。

振戦とはふるえのことです。

嗜眠とは、放っておくと眠ってしまい、刺激に対する反応も鈍く中々目覚めない状態をいう、この症状の軽いものが傾眠という。

霧視はかすみ目のこと。

複視はものが二重に見えること。

 

それぞれの頻度はどれくらい

 

それぞれの副作用の頻度を示します。

 

「異常行動」

重度の異常行動の頻度では

2011/2012年シーズンのデーターではタミフル9件、イナビル9件、リレンザ7件が起きていますので、だいたいそれぞれの薬剤で0.01%ぐらいと推測されます。

軽度の異常行動(うわごとなど)の頻度では

15%くらいの頻度で起こるだろうとの報告があります。

 

他の副作用では(異常行動らしきものも含まれていますが)

 

頻度不明のもの、それほど少ないともとれます>

「ショック、アナフィラキシー」

「肺炎」「劇症肝炎、肝機能障害や黄疸」「そう痒」

「中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群などの皮膚障害」

「急性腎不全」「白血球減少、血小板減少」

「神経・精神症状(意識障害、異常行動、譫妄(せんもう)、幻覚、妄想、痙攣等)」

「出血性大腸炎、虚血性大腸炎」

「皮下出血」「紅斑(多形紅斑を含む)」「そう痒症」

「口唇炎」「血便」「メレナ」「吐血」「消化性潰瘍」

「激越」「振戦」「悪夢」

「上室性頻脈」「心室性期外収縮」「心電図異常(ST上昇)」

「血尿」

「気管支炎」「咳嗽」「鼻出血」

「視覚障害(視野欠損、視力低下)」「霧視」「複視」「結膜炎」

「疲労」「不正子宮出血」「耳の障害(灼熱感、耳鳴等)」「発熱」

 

0.1%未満のもの>

「じんましん」

「口内炎(潰瘍性を含む)」「食欲不振」「腹部膨満」「口腔内不快感」「便異常」

「傾眠」「嗜眠」「感覚鈍麻」

「動悸」

「GOT増加」「γ-GTP増加」「Al-p増加」

「眼痛」

「血中ブドウ糖増加」「背部痛」「胸痛」「浮腫」

 

0.1%以上

「発疹」

「下痢(0.9%)」「悪心(0.5%)」「嘔吐」「腹痛(0.6%)」

「めまい」「頭痛」「不眠症」

「GPT増加」

「蛋白尿」

「好酸球数増加」

「低体温」

*( %)は治験と製造後販売調査での頻度

 

注意点について

 

本剤は腎排泄型の薬剤であり、腎機能が低下している場合には血漿中濃度が高くなるおそれがあるので、クレアチニンクリアランス値に応じて、慎重に投与する。

 

インフルエンザに感染した後に細菌感染症を合併したり、細菌感染症でもインフルエンザ様症状と混同される場合があるので、細菌感染症の場合には、抗菌剤などを投与するなど適切な処置をすること。

 

妊娠または妊娠している可能性がある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に使用すること。

 

授乳婦に投与する場合には授乳をやめさせること。

 

1歳未満の患児(低出生体重児、新生児、乳児)に対する安全性は確率されていない。

 

過量投与時に、嘔吐、傾眠、浮動性めまい等が発現することがあるので、このような場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。

 

次のような症状に気づいたら、使用をやめて、すぐに医師に相談してください。

顔や上半身の紅潮・熱感、皮膚のかゆみ、じんましん、口唇や舌・手足のしびれ感、むくみ、吐き気、顔面蒼白、手足が冷たくなる、冷や汗、息苦しさ・胸苦しさ。

 

次のような症状に気づいたら、早めに医師に相談してください。

頭痛、手指のしびれ感、不眠症、下痢、悪心、嘔吐、食欲不振、咽喉乾燥、口渇、口内炎、舌あれ、味覚障害、動悸、発熱、発汗、首が痛い、背中が痛いなど。

 

まとめ

 

タミフルはたくさん使われていることもあり副作用の種類も多いですね。

ただ、頻度としては下痢(0.9%)、腹痛(0.6%)、悪心(0.5%)などが多いほうなので、他はそれ以下の頻度になります。

異常行動はタミフルの副作用なのかインフルエンザウイルスのなせるわざなのかははっきりしませんが、状況に応じて適切な対応が必要です。

観察を充分して異変を感じたら医師などに相談することをおすすめします。

 

タミフル・リレンザ・イナビル・ラピアクタともに2日間は「異常行動」に注意して見守りましょう。

まあ、ラピアクタの場合は入院している可能性が高いので医療機関におまかせになると思います。

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