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糖尿病

糖尿病用剤ビデュリオンとは 薬としての効果と副作用について

投稿日:2018年2月7日 更新日:

 

 

生活習慣病の糖尿病の治療において処方されることのあるビデュリオン。

 

血糖降下薬としてはインクレチン関連薬のうちのGLP-1アナログのものになります。

 

インクレチン関連薬のうちのGLP-1アナログの中では日本で3番目に発売されたお薬です。

 

糖尿病用剤ビデュリオンとは、薬としての効果と副作用について紹介します。

 

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Contents

糖尿病用剤ビデュリオンとは

 

日本では2013年5月より販売されている、インクレチンホルモンに類似した作用を持ち構造が違うことでDPP-4による分解を免れることでインスリン分泌促進などをもたらして血糖を改善する薬の1つである「ビデュリオン」。

 

ビデュリオンはバイエッタと同じでアメリカの砂漠に生息するオオトカゲの唾液に含まれるexendin-4を人工的に合成したものを成分にしている。

 

このトカゲは食事にありつけたときだけ唾液中にexendin-4を分泌してインスリン分泌を促進するようにしていたようです。

 

これを薬に応用し持続製剤化したものがビデュリオンになります。

 

GLP-1とのアミノ酸配列の相同性が大きいとされています。

 

ジェネリック医薬品はまだ発売されていないので、薬の負担を減らそうとジェネリック医薬品の選択はできません。

 

ビデュリオンの成分名は持続性エキセナチドである。

 

糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンの量が不足したり作用が弱まったりして血液中の糖分「血糖」が上がってしまう病気です。

 

血液中の糖分「血糖」は、膵臓から分泌されるインスリンで調節されています。

 

インスリンは膵臓にあるランゲルハンス島にあるβ細胞でつくられています。

 

食事などで血糖値が上昇すると、膵臓のβ細胞が働いてインスリンを分泌します。

 

そのインスリンは全身の臓器にとどくと、血糖を取り込んでエネルギーとして利用したり、たくわえたり、タンパク質の合成や細胞の増殖を促進したりします。

 

このように取り込まれた血糖はインスリンによって速やかに処理され血液中に一定の濃度で保たれています。

 

そのインスリンの量が不足したり働きが悪くなったりすると血液中の血糖を一定に保てなくなり糖尿病になるのです。

 

インクレチンホルモンであるGLP-1は小腸に存在するL細胞から分泌されます。

 

GLP-1の作用には、

1.インスリン分泌促進

2.グルカゴン分泌抑制(グルカゴンは血糖値を上昇させます)

3.胃内容排出の遅延

4.満腹感の促進と食事摂取量の抑制

5.β細胞量の維持・増加(動物モデルによる)

などがあるとされています。

 

2型糖尿病では病歴が長引くとβ細胞量が減少して、インスリン分泌量が減少し、インスリン分泌促進薬であるSU剤をより効き目をなくさせてしなうという原因になります。

 

またGLP-1のインスリン分泌促進は血糖が存在することで示される(依存している)ため、投与によりGLP-1が増えすぎても低血糖を起こすことはありません。

 

これらのことによりGLP-1は糖尿病治療への応用が期待されています。

 

ビデュリオンはGLP-1のアナログでDPP-4という酵素による分解を構造を少し変えることで免れ、結果として長く血中に存在してインスリン分泌促進をもたらし過血糖を改善することになります。

 

ビデュリオンはバイエッタの持続性製剤版で週に1回の投与で済む製剤になっています。

 

 

 

禁忌

本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

 

糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病の患者(インスリンの適用である)

 

重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者(インスリンの適応である)

 

透析患者を含む重度腎機能障害のある患者

 

 

 

用法用量

2型糖尿病(食事療法・運動療法に加えてSU剤、ビグアナイド系薬剤及びチアゾリジン系薬剤(各薬剤単独療法または併用療法を含む)で充分な効果が得られない場合に限る)

 

エキセナチドとして、通常成人では1回2mgを週に1回皮下注射する。

 

1ヶ月に1回なので決められた日に忘れることもありえますが、忘れた場合は気づいたときにすぐ注射してください。

 

ただし、次の注射日が2日以内に迫っている場合は注射せず、次の注射日まで待ってください。

 

使用前は凍結を避け、2~8℃で遮光保存すること。

 

懸濁用液と薬剤を混ぜた後はすぐに使用すること。

 

皮下に投与すること。(静脈内や筋肉内に投与しない)

 

皮下注は、腹部、大腿部、上腕部に行うこと。注射部位は毎回変更すること。

 

注射針は付属の適合したものを用いること。

 

剤型

注射剤

ビデュリオン皮下注2mg    3586.00円/1キット

ビデュリオン皮下注2mgペン  3586.00円/1キット(2015年5月発売、自己注射が簡便になるようにペン型になっています)

 

糖尿病であることが確立した患者に対してのみ適用を考えること。(他の疾患でないことを確認する)

 

本剤からバイエッタ皮下注に切り替える際には、本剤とバイエッタ皮下注では併用可能な薬剤が異なることに留意すること。

 

食事療法・運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること。

 

本剤を3~4ヶ月投与しても食後血糖に対する効果が不十分な場合はより適切な治療への変更を検討すること。

 

常に投与の継続性の可否、投与量、薬剤の選択に注意すること。

 

本剤の投与を新たに開始するには効果発現までの期間を考慮すること。空腹時血糖が低下し安定するまで約3週間かかる場合がある。

 

本剤は持続製剤であるので、投与中止後も効果が持続する可能性を考慮すること。

 

胃腸障害が発現した場合は急性膵炎の可能性を考慮し慎重に対処すること。

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低血糖を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与する時は注意すること。

 

本剤はインスリン製剤の代替薬ではない。本剤の投与に関しては、患者のインスリン依存状態を確認し、投与の可否を判断すること。

 

SU剤と併用する場合は、低血糖のリスクが増加するおそれがあるので、状況に応じてSU剤の減量も検討すること。

 

本剤とインスリン製剤、速効性インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、DPP-4阻害剤との併用については検討されていない。

 

患者に対しては、低血糖症状およびその対処法について充分な説明を行うこと。

 

本剤投与中は、甲状腺関連の症候の有無を確認し、異常が認められれば、専門医を受診するよう指導すること。

 

本剤投与中に心拍数の増加がみられることがある、心拍数の持続的な増加がみられれば適切な処置を行うこと。

 

本剤の自己注射にあたっては、患者に投与法及び安全な器具の廃棄方法の指導を行うこと。

 

 

 

慎重投与

糖尿病胃不全麻痺、重度の胃腸障害のある患者(症状が悪化する可能性がある)

 

中等度または軽度の腎機能障害のある患者

 

肝機能障害のある患者

 

膵炎の既往歴のある患者

 

腹部手術の既往または腸閉塞の既往のある患者(腸閉塞を起こすおそれがある)

 

脳下垂体機能不全または副腎機能不全状態(低血糖症状があらわれることがある)

 

栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足または衰弱状態の患者(低血糖症状があらわれることがある)

 

激しい筋肉運動をしている状態(低血糖症状があらわれることがある)

 

過度のアルコール摂取者(低血糖症状があらわれることがある)

 

糖尿病用剤と併用する場合は血糖降下作用の増強による低血糖症状に注意すること(特にインスリン製剤、スルホニルウレア剤と併用する場合はリスクが増加する)

低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣など)

対象薬剤

インスリン製剤、スルホニルウレア剤(SU剤)、ビグアナイド製剤(メトホルミン塩酸塩など)、速効型インスリン分泌促進薬、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボースなど)、インスリン抵抗性改善薬(ピオグリタゾン、トログリタゾンなど)、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、β-遮断剤(プロプラノロール塩酸塩、アテノロール、ピンドロールなど)、MAO阻害剤、サリチル酸製剤(アスピリン、アスピリン・ダイアルミネート、など)など。

 

血糖降下作用を減弱する薬剤と併用する場合は血糖降下作用を減弱による高血糖症状に注意すること

高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭など)

対象薬剤

アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、など

 

クマリン系薬剤(ワルファリンカリウム(ワーファリン))と併用するとワルファリンカリウムの作用の発現を遅らせることがあるので注意すること。

 

HMG-CoA還元酵素阻害剤(ロバスタチン(クレストール)など)との併用でこれらの薬剤の作用の発現を遅らせることがあるので注意すること。

 

高齢者では生理機能が低下していることが多いため患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

 

妊婦または妊娠している可能性のある婦人には本剤を投与せず、インスリンを使用すること。(安全性は確立されていない、動物実験での大量投与で胎児への有害作用が報告されている)

 

授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を中止させること。(動物実験で乳汁中への移行が報告されている)

 

低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立されていない。(使用経験はない)

 

薬としての効果

 

ビデュリオンはGLP-1のアナログでDPP-4という酵素による分解を構造を少し変えることで免れ、結果として長く血中に存在してインスリン分泌促進をもたらし過血糖を改善することになります。

 

血糖に依存し比較的ゆるやかに作用しますから、単独投与では低血糖がおこりにくいです。

 

ビクトーザに比べて血糖降下作用が強めで、やや嘔気などの消化器系の副作用が多い印象があるようです。

 

作用が違う別系統と併用することが多いです。

(SU剤、ビグアナイド系(メトホルミンなど)、チアゾリジン系のビオグリタゾン(アクトス)です。)

 

食欲を増進させることがなく、体重増加をきたしにくいので新規発症者や高齢者に向いているようです。

 

肥満型や非肥満型の糖尿病にも有用とされています。

 

ビデュリオンはバイエッタの持続性製剤版で週に1回の投与で済む製剤になっています。

 

副作用について

 

主な副作用は、注射部位硬結(19.7%)、悪心(12.7%)、嘔吐(7.6%)、注射部位そう痒感退(6.7%)、便秘(6.0%)、下痢(5.3%)などである。

 

その他では、浮動性めまい、食欲減退、消化不良、腹部不快感、腹部膨満、注射部位結節、注射部位の紅斑などがあります。

 

重大な副作用

低血糖(SU剤などとの併用による)

腎不全

急性膵炎(0.2%)(激しい腹痛など)

アナフィラキシー反応、血管浮腫

腸閉塞(ひどい便秘、腹部膨満など)

 

まとめ

 

ビデュリオンはGLP-1のアナログでDPP-4という酵素による分解を構造を少し変えることで免れ、結果として長く血中に存在してインスリン分泌促進をもたらし過血糖を改善することになります。

 

血糖に依存し比較的ゆるやかに作用しますから、単独投与では低血糖がおこりにくいです。

 

ビクトーザに比べて血糖降下作用が強めで、やや嘔気などの消化器系の副作用が多い印象があるようです。

 

作用が違う別系統と併用することが多いです。

(SU剤、ビグアナイド系(メトホルミンなど)、チアゾリジン系のピオグリタゾン(アクトス)です。)

 

ビデュリオンはバイエッタの持続性製剤版で週に1回の投与で済む製剤になっています。

 

主な副作用としては、注射部位硬結(19.7%)、悪心(12.7%)、嘔吐(7.6%)、注射部位そう痒感退(6.7%)、便秘(6.0%)、下痢(5.3%)などがあり。

 

重大な副作用では、まれですが、腎不全や急性膵炎、腸閉塞、アナフィラキシー反応、血管浮腫などがありますから注意しましょう。

 

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