生活習慣病の糖尿病の治療において処方されることのあるビクトーザ。
血糖降下薬としてはインクレチン関連薬のうちのGLP-1アナログのものになります。
インクレチン関連薬のうちのGLP-1アナログの中では日本で初めて発売されたお薬です。
糖尿病用剤ビクトーザとは、薬としての効果と副作用について紹介します。
Contents
糖尿病用剤ビクトーザとは
日本では2010年6月より販売されている、インクレチンホルモンに類似した作用を持ち構造が違うことでDPP-4による分解を免れることでインスリン分泌促進などをもたらして血糖を改善する薬の1つである「ビクトーザ」。
ジェネリック医薬品はまだ発売されていないので、薬の負担を減らそうとジェネリック医薬品の選択はできません。
ビクトーザの成分名はリラグルチドである。
糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンの量が不足したり作用が弱まったりして血液中の糖分「血糖」が上がってしまう病気です。
血液中の糖分「血糖」は、膵臓から分泌されるインスリンで調節されています。
インスリンは膵臓にあるランゲルハンス島にあるβ細胞でつくられています。
食事などで血糖値が上昇すると、膵臓のβ細胞が働いてインスリンを分泌します。
そのインスリンは全身の臓器にとどくと、血糖を取り込んでエネルギーとして利用したり、たくわえたり、タンパク質の合成や細胞の増殖を促進したりします。
このように取り込まれた血糖はインスリンによって速やかに処理され血液中に一定の濃度で保たれています。
そのインスリンの量が不足したり働きが悪くなったりすると血液中の血糖を一定に保てなくなり糖尿病になるのです。
インクレチンホルモンであるGLP-1は小腸に存在するL細胞から分泌されます。
GLP-1の作用には、
1.インスリン分泌促進
2.グルカゴン分泌抑制(グルカゴンは血糖値を上昇させます)
3.胃内容排出の遅延
4.満腹感の促進と食事摂取量の抑制
5.β細胞量の維持・増加(動物モデルによる)
などがあるとされています。
2型糖尿病では病歴が長引くとβ細胞量が減少して、インスリン分泌量が減少し、インスリン分泌促進薬であるSU剤をより効き目をなくさせてしなうという原因になります。
またGLP-1のインスリン分泌促進は血糖が存在することで示される(依存している)ため、投与によりGLP-1が増えすぎても低血糖を起こすことはありません。
これらのことによりGLP-1は糖尿病治療への応用が期待されています。
ビクトーザはGLP-1のアナログでDPP-4という酵素による分解を構造を少し変えることで免れ、結果として長く血中に存在してインスリン分泌促進をもたらし過血糖を改善することになります。
リラグルチドの半減期は14~15時間で1日1回皮下に投与します。
禁忌、
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病の患者(インスリンの適用である)
重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者(インスリンの適応である)
用法用量
2型糖尿病
リラグルチドとして、通常成人では1回0.9mgを1日1回朝または夕方に皮下注射する。ただし、1日1回0.3mgから開始し、1週間以上の間隔で0.3mgずつ増量する。
なお、患者の状況に応じて適宜増減するが、1日0.9mgを超えないこと。
可能な限り毎日同じ時刻に投与すること。
使用開始後は室温に保管し、30日以内に使用すること。
他の薬剤とは混ぜないようにする(分解するおそれがある)
皮下に投与すること。(静脈内や筋肉内に投与しない)
皮下注は、腹部、大腿部、上腕部に行うこと。注射部位は毎回変更し、2~3cm離すこと。
注射針は毎回新しいものを使用すること。
注射針は適合したものを用いること。
剤型
注射剤
ビクトーザ皮下注18mg 10245.00円/1キット
2型糖尿病であることが確立した患者に対してのみ適用を考えること。(他の疾患でないことを確認する)
食事療法・運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること。
本剤を3~4ヶ月投与しても食後血糖に対する効果が不十分な場合はより適切な治療への変更を検討すること。
常に投与の継続性の可否、投与量、薬剤の選択に注意すること。
胃腸障害が発現した場合は急性膵炎の可能性を考慮し慎重に対処すること。
低血糖を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与する時は注意すること。
本剤とDPP-4阻害剤との併用では有効性および安全性は確認されていない。
患者に対しては、低血糖症状およびその対処法について充分な説明を行うこと。
本剤の自己注射にあたっては、患者に投与法及び安全な器具の廃棄方法の指導を行うこと。
慎重投与
インスリン製剤またはスルホニルウレア剤(SU剤)を投与中の患者(低血糖のリスクが増加するおそれがある)
腹部手術の既往または腸閉塞の既往のある患者(腸閉塞を起こすおそれがある)
肝機能障害または腎機能障害のある患者
膵炎の既往歴のある患者
糖尿病胃不全麻痺、炎症性腸疾患などの胃腸障害のある患者(症状が悪化する可能性がある)
脳下垂体機能不全または副腎機能不全状態(低血糖症状があらわれることがある)
栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足または衰弱状態の患者(低血糖症状があらわれることがある)
激しい筋肉運動をしている状態(低血糖症状があらわれることがある)
過度のアルコール摂取者(低血糖症状があらわれることがある)
糖尿病用剤と併用する場合は血糖降下作用の増強による低血糖症状に注意すること(特にインスリン製剤、スルホニルウレア剤と併用する場合はリスクが増加する)
低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣など)
対象薬剤
インスリン製剤、スルホニルウレア剤(SU剤)、ビグアナイド製剤(メトホルミン塩酸塩など)、速効型インスリン分泌促進薬、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボースなど)、インスリン抵抗性改善薬(ピオグリタゾン、トログリタゾンなど)、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、など。
高齢者など腎機能の低下が懸念される患者に対しては適切な用量から開始し、胃腸障害や低血糖が発現しやすいので慎重に投与すること。
妊婦または妊娠している可能性のある婦人には本剤を投与せず、インスリンを使用すること。(安全性は確立されていない、動物実験での大量投与で胎児への有害作用が報告されている)
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。(動物実験で乳汁中への移行が報告されている)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立されていない。(使用経験はない)
薬としての効果
ビクトーザはGLP-1のアナログでDPP-4という酵素による分解を構造を少し変えることで免れ、結果として長く血中に存在してインスリン分泌促進をもたらし過血糖を改善することになります。
血糖に依存し比較的ゆるやかに作用しますから、低血糖がおこりにくいです。
単独で用いられるほか、作用がやや弱いので作用が違う別系統と併用することが多いです。
(SU剤、速効型インスリン分泌促進薬、α-グルコシダーゼ阻害薬(グルコバイ、ベイスン、セイブル)、ビグアナイド系(メトホルミンなど)、チアゾリジン系のピオグリタゾン(アクトス)、インスリン製剤などです。)
食欲を増進させることがなく、体重増加をきたしにくいので新規発症者や高齢者に向いているようです。
肥満型や非肥満型の糖尿病にも有用とされています。
半減期は14~15時間で、1日1回皮下に投与します。
副作用について
主な副作用としては、便秘(8.5%)、悪心(6.3%)などである。
その他では、下痢、胃不快感、食欲減退、消化不良、腹部膨満、嘔吐、頭痛、甲状腺結節、糖尿病性網膜症、注射部位の紅斑・発疹など、GPT上昇、などがあります。
重大な副作用
低血糖
膵炎(激しい腹痛など)
腸閉塞(ひどい便秘、腹部膨満など)
まとめ
ビクトーザはGLP-1のアナログでDPP-4という酵素による分解を構造を少し変えることで免れ、結果として長く血中に存在してインスリン分泌促進をもたらし過血糖を改善することになります。
血糖に依存し比較的ゆるやかに作用しますから、低血糖がおこりにくいです。
単独で用いられるほか、作用がやや弱いので作用が違う別系統と併用することが多いです。
(SU剤、速効型インスリン分泌促進薬、α-グルコシダーゼ阻害薬(グルコバイ、ベイスン、セイブル)、ビグアナイド系(メトホルミンなど)、チアゾリジン系のピオグリタゾン(アクトス)、インスリン製剤などです。)
半減期は14~15時間で、1日1回皮下に投与します。
主な副作用としては、便秘(8.5%)、悪心(6.3%)などがあり。
きわめてまれですが、膵炎や腸閉塞などがありますから注意しましょう。