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糖尿病

糖尿病用剤トルリシティは 薬としての効果と副作用について

投稿日:2018年2月8日 更新日:

 

 

生活習慣病の糖尿病の治療において処方されることのあるトルリシティ。

 

血糖降下薬としてはインクレチン関連薬のうちのGLP-1アナログのものになります。

 

インクレチン関連薬のうちのGLP-1アナログの中では4番目に発売されたお薬です。

 

糖尿病用剤トルリシティとは、薬としての効果と副作用について紹介します。

 

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Contents

糖尿病用剤トルリシティとは

 

日本では2015年9月より販売されている、インクレチンホルモンに類似した作用を持ち構造が違うことでDPP-4による分解を免れることでインスリン分泌促進などをもたらして血糖を改善する薬の1つである「トルリシティ」。

 

ジェネリック医薬品はまだ発売されていないので、薬の負担を減らそうとジェネリック医薬品の選択はできません。

 

トルリシティの成分名はデュラグルチドである。

 

糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンの量が不足したり作用が弱まったりして血液中の糖分「血糖」が上がってしまう病気です。

 

血液中の糖分「血糖」は、膵臓から分泌されるインスリンで調節されています。

 

インスリンは膵臓にあるランゲルハンス島にあるβ細胞でつくられています。

 

食事などで血糖値が上昇すると、膵臓のβ細胞が働いてインスリンを分泌します。

 

そのインスリンは全身の臓器にとどくと、血糖を取り込んでエネルギーとして利用したり、たくわえたり、タンパク質の合成や細胞の増殖を促進したりします。

 

このように取り込まれた血糖はインスリンによって速やかに処理され血液中に一定の濃度で保たれています。

 

そのインスリンの量が不足したり働きが悪くなったりすると血液中の血糖を一定に保てなくなり糖尿病になるのです。

 

インクレチンホルモンであるGLP-1は小腸に存在するL細胞から分泌されます。

 

GLP-1の作用には、

1.インスリン分泌促進

2.グルカゴン分泌抑制(グルカゴンは血糖値を上昇させます)

3.胃内容排出の遅延

4.満腹感の促進と食事摂取量の抑制

5.β細胞量の維持・増加(動物モデルによる)

などがあるとされています。

 

2型糖尿病では病歴が長引くとβ細胞量が減少して、インスリン分泌量が減少し、インスリン分泌促進薬であるSU剤をより効き目をなくさせてしなうという原因になります。

 

またGLP-1のインスリン分泌促進は血糖が存在することで示される(依存している)ため、投与によりGLP-1が増えすぎても低血糖を起こすことはありません。

 

これらのことによりGLP-1は糖尿病治療への応用が期待されています。

 

トルリシティはGLP-1のアナログでDPP-4という酵素による分解を構造を少し変えることで免れ、結果として長く血中に存在してインスリン分泌促進をもたらし過血糖を改善することになります。

 

デュラグルチドは1週間に1回皮下に投与します。

 

 

 

禁忌

本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

 

糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病の患者(インスリンの適用である)

 

重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者(インスリンの適応である)

 

 

 

用法用量

2型糖尿病

デュラグルチドとして、通常成人では1回0.75mgを1週間に1回皮下注射する。

 

毎週、同一曜日に投与させること。

 

投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が3日間(72時間)以上であれば(72時間未満であれば投与しないで、次の決められた曜日で投与する)、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ決められた曜日に投与すること。

 

使用前は、2~8℃に凍結を避けて遮光保存すること。

 

室温で保存する場合には、14日以内に使用すること。その際には、遮光して保存し、30℃以内で保存すること。

 

使用開始後は室温に遮光保存し、30日以内に使用すること。

 

皮下に投与すること。(静脈内や筋肉内に投与しない)

 

皮下注は、腹部、大腿部、上腕部に行うこと。注射部位は毎回変更すること。

 

注射針は装着しているものを用いること。

 

剤型

注射剤

トルリシティ皮下注0.75mgアテオス  3586.00円/1キット

 

2型糖尿病であることが確立した患者に対してのみ適用を考えること。(他の疾患でないことを確認する)

 

食事療法・運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること。

 

本剤を3~4ヶ月投与しても食後血糖に対する効果が不十分な場合はより適切な治療への変更を検討すること。

 

常に投与の継続性の可否、投与量、薬剤の選択に注意すること。

 

胃腸障害が発現した場合は急性膵炎の可能性を考慮し慎重に対処すること。

 

本剤投与中は、甲状腺関連の症候の有無を確認し、異常が認められれば、専門医を受診するよう指導すること。

 

低血糖を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与する時は注意すること。

 

本剤はインスリン製剤の代替薬ではない。本剤の投与に関しては、患者のインスリン依存状態を確認し、投与の可否を判断すること。

 

本剤とインスリン製剤との併用については有効性および安全性は検討されていない。

 

本剤とDPP-4阻害剤との併用では有効性および安全性は確認されていない。

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患者に対しては、低血糖症状およびその対処法について充分な説明を行うこと。

 

本剤は持続製剤であるから、投与中止後も効果が持続することを考慮すること。

 

本剤の自己注射にあたっては、患者に投与法及び安全な器具の廃棄方法の指導を行うこと。

 

 

 

慎重投与

糖尿病胃不全麻痺、炎症性腸疾患などの胃腸障害のある患者(症状が悪化する可能性がある)

 

膵炎の既往歴のある患者

 

SU剤、速効性インスリン分泌促進剤またはインスリン製剤を投与中の患者

 

脳下垂体機能不全または副腎機能不全状態(低血糖症状があらわれることがある)

 

栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足または衰弱状態の患者(低血糖症状があらわれることがある)

 

激しい筋肉運動をしている状態(低血糖症状があらわれることがある)

 

過度のアルコール摂取者(低血糖症状があらわれることがある)

 

糖尿病用剤などと併用する場合は血糖降下作用の増強による低血糖症状に注意すること(特にインスリン製剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤と併用する場合はリスクが増加する)

低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣など)

対象薬剤

インスリン製剤、スルホニルウレア剤(SU剤)、ビグアナイド製剤(メトホルミン塩酸塩など)、速効型インスリン分泌促進薬、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボースなど)、インスリン抵抗性改善薬(ピオグリタゾン、トログリタゾンなど)、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、β-遮断剤(プロプラノロール塩酸塩、アテノロール、ピンドロールなど)、MAO阻害剤、など。

 

血糖降下作用を減弱する薬剤と併用する場合は血糖降下作用を減弱による高血糖症状に注意すること

高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭など)

対象薬剤

アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、など

 

クマリン系薬剤(ワルファリンカリウム(ワーファリン))と併用するとワルファリンカリウムの作用の発現を遅らせることがあるので注意すること。

 

高齢者など腎機能の低下が懸念される患者に対しては適切な用量から開始し、慎重に投与すること。

 

妊婦または妊娠している可能性のある婦人には本剤を投与せず、インスリンを使用すること。(安全性は確立されていない、動物実験での大量投与で胎児への有害作用が報告されている)

 

授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。(乳汁中への移行は不明である)

 

低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立されていない。(使用経験はない)

 

薬としての効果

 

トルリシティはGLP-1のアナログでDPP-4という酵素による分解を構造を少し変えることで免れ、結果として長く血中に存在してインスリン分泌促進をもたらし過血糖を改善することになります。

 

血糖に依存し比較的ゆるやかに作用しますから、低血糖がおこりにくいです。

 

単独で用いられるほか、作用が違う別系統と併用することもあります。

(SU剤、ビグアナイド系(メトホルミンなど)、などです。)

 

食欲を増進させることがなく、体重増加をきたしにくいので新規発症者や高齢者に向いているようです。

 

肥満型や非肥満型の糖尿病にも有用とされています。

 

デュラグルチドの半減期は108時間である。

 

1週間に1回皮下に投与し、食前食後は気にしなくていいです。

 

副作用について

 

主な副作用としては、便秘(6.2%)、悪心(6.1%)、下痢(5.8%)などである。(承認時)

 

その他では、腹部不快感、食欲減退、消化不良、腹部膨満、腹痛、嘔吐、注射部位反応(紅斑、炎症、そう痒感、腫脹、発疹など)などがあります。

 

重大な副作用

低血糖(特にSU剤、速効性インスリン分泌促進剤、インスリン製剤などと併用時)

アナフィラキシー反応、血管浮腫

 

重大な副作用(類薬にて報告されているので注意する)

急性膵炎

腸閉塞

 

まとめ

 

トルリシティはGLP-1のアナログでDPP-4という酵素による分解を構造を少し変えることで免れ、結果として長く血中に存在してインスリン分泌促進をもたらし過血糖を改善することになります。

 

血糖に依存し比較的ゆるやかに作用しますから、低血糖がおこりにくいです。

 

単独で用いられるほか、作用が違う別系統と併用することもあります。

(SU剤、ビグアナイド系(メトホルミンなど)などです。)

 

デュラグルチドの半減期は108時間である。

 

1週間に1回皮下に投与し、食前食後は気にしなくていいです。

 

トルリシティのアテオスと呼ばれる注入器は、注射針があらかじめ装着されており、あてて押すだけ(アテオス)で簡便に1回分が注入されるようになっています。

 

そのため、廃棄に際しては針の部分の取り外しができないため、廃棄の費用負担がよりかかるとの指摘がある。

 

また、既存のビデュリオン(週1回投与製剤)では投与時に薬剤を懸濁させる必要があり、太い注射針(23G)が用いられていたが、トルリシティは薬剤調整が必要なく細い注射針(29G)が用いられていて針を刺す痛みが軽減されている。

 

GLP-1アナログ製剤のなかでは、週1回で食前食後を気にする必要がなく、注入器の簡便さ、注射針の細さゆえの痛みの軽減など、注目されていることが多く、処方数がのびていっています。

 

主な副作用としては、便秘(6.2%)、悪心(6.1%)、下痢(5.8%)などがあり。

 

重大な副作用では、低血糖に注意が必要で(特にSU剤などとの併用で)、きわめてまれですが、アナフィラキシー反応や血管浮腫などにも注意し、また類薬で急性膵炎や腸閉塞の報告もありますからから注意しておくべきでしょう。

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