生活習慣病の高血圧症の治療にはβ遮断薬はあまり使われなくなった印象があります。
まあ、人によりますが、うまいこと使えば、心臓に負担がかからずに降圧効果が得られます。
この系統の薬は古くからある経済性に優れたものです。
高血圧症治療薬アセタノールとは、薬としての効果と副作用について紹介します。
Contents
高血圧症治療薬アセタノールとは
日本で販売開始は1981年9月になります。
降圧剤として使われるβ遮断薬の1つである「アセタノール」。
ジェネリック医薬品は発売されてますから、医師の許可があった上で希望をすればジェネリック医薬品の選択ができます。
アセタノールの成分名はアセブトロールです。
高血圧の自覚症状はこれといったものがなく進行がわかりにくいです。
長く続いた高血圧から合併症状として結果的に知ることになることが多いです。
そしてその発症は、生活習慣の乱れなどいろんなことが原因となり発現することになります。
その原因には、塩分の摂りすぎなどによる心拍出量の増加(心臓が送り出す血液が増える)や循環血液量の増加(体の中を流れる血液が増える)や末梢血管の抵抗の増加(末梢の血管の流れが悪くなる)や脱水症状を起こしたり、食習慣の悪化などによる血液の粘調度の増加(血液の粘調度で流れにくくなる)または、食習慣の悪化による動脈の硬化や劣化の増加(血管の弾力性がなくなり流れが悪くなる)などがあります。
アセタノールは心臓にある交感神経のβ受容体を遮断することにより結果的に心臓の拍動を抑えて血圧降下をもたらします。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴がある患者
糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者(心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある)
高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)、洞房ブロックのある患者(症状が悪化するおそれがある)
心原性ショック、肺高血圧による右心不全、うっ血性心不全の患者(症状が悪化するおそれがある)
非代償性の心不全患者(症状が悪化するおそれがある)
重度の末梢循環障害(壊疽など)のある患者(症状が悪化するおそれがある)
未治療の褐色細胞腫の患者(症状が悪化するおそれがある)
妊婦または妊娠している可能性のある婦人には投与しない。
用法用量
本態性高血圧症(軽症~中等症)
通常、成人にはアセブトロールとして1日200~400mgを1回ないし2回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
褐色細胞腫の患者には単剤で用いないようにする。(急激に血圧が上昇することがある)
剤型
カプセル剤
アセタノールカプセル100 14.70円/1カプセル
アセタノールカプセル200 26.20円/1カプセル
慎重投与
気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者(症状が悪化するおそれがある)
うっ血性心不全のおそれのある患者(症状が悪化するおそれがある)
甲状腺中毒症の患者(症状がわかりにくくなる)
特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者(低血糖を起こしやすく、その症状がわかりにくくなる)
重篤な肝障害・腎障害のある患者(薬物の代謝などに影響がでるおそれがある)
末梢循環障害(レイノー症候群、間欠性跛行症など)のある患者(症状が悪化するおそれがある)
徐脈、房室ブロック(Ⅰ度)のある患者(症状が悪化するおそれがある)
低血圧の患者(さらに血圧が下がるおそれがある)
異型狭心症の患者(症状が悪化するおそれがある)
手術前24時間は投与しないことが望ましい。
めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転などの危険を伴う機械の作業に注意させること。
交感神経に対し抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン、β遮断剤(チモロール等の点眼剤を含む)など)との併用で交感神経系の過剰の抑制(徐脈、心不全など)をきたすことがある。
カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピンなど)との併用で相互に作用を増強させる。
血糖降下剤(インスリン、トルブタミド、アセトヘキサミド等)との併用で血糖降下作用が増強されることがある。また、その症状がわかりにくくなることがある。
クロニジン(カタプレス)投与中止後に本剤を投与するとリバウンド現象(血圧上昇、頭痛、嘔気など)を増強するおそれがある。
ジソピラミド(リスモダン)、プロカインアミド(アミサリン)、アジマリン、などとの併用で過度の心機能抑制(徐脈、心停止など)があらわれることがある。
ジギタリス剤(ジゴキシン、ジギトキシン)との併用で房室伝導時間が延長し、徐脈、房室ブロックなどが発現することがある。
非ステロイド性抗炎症剤(インドメタシンなど)との併用で本剤の降圧作用が減弱することがある。
麻酔剤(エーテルなど)との併用で心機能の過度の抑制作用をきたすおそれがある。
フィンゴリモド(イムセラ、ジレニア)の投与開始時に本剤を併用すると重度の徐脈や心ブロックを引き起こすことがある。
高齢者は生理機能の低下から、副作用(脳梗塞など)が出やすい場合が多く、慎重に本剤を投与すること。
授乳中の婦人には投与しないこと。(動物実験で乳汁中へ移行することが報告されている)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない)
薬としての効果
古くからあるお薬で、効果的に使えば、心臓に負担を与えずゆっくりとした脈拍にして効果が得られる降圧剤になります。
インデラルやハイパジール、カルビスケン、ミケランなどに比べ気管支への影響が比較的少ないお薬です。
副作用について
主な副作用としては、徐脈、倦怠感、めまい、立ちくらみ、低血圧、浮腫、等である。
その他では発疹、そう痒、頭痛、心胸比増大、ふらつき、眠気、目の乾燥、動悸、うつ症状の悪化、食欲不振、下痢、悪心・嘔吐、GPT上昇、GOT上昇、CPK上昇、四肢冷感、手足のしびれなどがあります。
重大な副作用
心不全、房室ブロック(0.1%未満)
SLE様症状(初期:関節症状、皮膚症状など)
間質性肺炎
まとめ
古くからあるお薬で、効果的に使えば、心臓に負担を与えずゆっくりとした脈拍にして効果が得られる降圧剤になります。
利尿降圧剤のようにそれほどコストがかからないのはメリットの1つです。
テノーミンなどと同様でミケランなどに比べ気管支への影響が比較的少ないお薬です。
主な副作用としては、徐脈、倦怠感、めまい、立ちくらみ、低血圧、浮腫、等です。
注意する症状として徐脈があります。
まれですが喘息発作を誘発する可能性があるので注意してください。