ヘルペス性角膜炎は、単純ヘルペスウイルスが角膜に感染することにより発症します。
多くは、乳幼児の時に初感染を起こして、身体の神経組織に潜んでいます。
そのウイルスが、発熱・紫外線・ストレスなどを引き金にして、再度、活動を開始し、角膜へ移動して角膜炎を起こします。
単純疱疹治療薬ゾビラックス眼軟膏とは、薬としての効果と副作用について紹介します。
Contents
単純疱疹治療薬ゾビラックス眼軟膏とは
日本では1985年10月より販売されている、単純疱疹などの原因となるヘルペスウイルスに効く抗ウイルス薬の軟膏の1つである「ゾビラックス眼軟膏」。
一番古くからあるお薬で、ジェネリック医薬品が発売されていて、支払いを抑えることができます。
高いお薬なので少しは安くなるでしょう。
ゾビラックスの成分名はアシクロビルである。
単純疱疹はヘルペスウイルスの1種、単純ヘルペスウイルスによって起こります。
単純ヘルペスウイルスはⅠ型とⅡ型が大半を占めることになります。
Ⅰ型によるものは、口唇ヘルペスなどの上半身のものが多く。
Ⅱ型によるものは、臀部ヘルペス、性器ヘルペスなどの下半身のものが多いです。
症状は帯状疱疹ほど激しくはなく、場合によっては気がつかないままに治ることもあるようです。
単純ヘルペスウイルスは感染力が強いですが、主に接触感染でうつることになります。
タオルや食器などの物を介してうつることもあるので注意する必要があります。
帯状疱疹のように空気感染することはありません。
初感染の時の症状が一番強く、再発するにつれて症状が弱くなるようです。
ほとんど7割の人がウイルスを保持していて、再発による発症がほとんどになります。
ストレスや過労などが引き金となってウイルスに対する免疫力が低下すると、かくれていたウイルスが再び活動をはじめ再発します。
口唇ヘルペスなどは年に1回程度発症します。
臀部ヘルペスなどは年に数回ほど再発を繰り返します。
これら単純疱疹の症状はそれほどひどくなく後遺症は特にありません。
水疱の出現の仕方は帯状疱疹のように不規則な大きさが並ぶことはなく、どちらかと言えば均一な大きさのものが並ぶ傾向があるようです。
ヘルペス性角膜炎は、単純ヘルペスウイルスが角膜に感染することにより発症します。
そのために、無菌的に製造した眼軟膏が作られています。
ゾビラックスは核酸類似体でありデオキシグアノシン三リン酸と競合的に拮抗してヘルペスウイルスDNAの複製を阻害するすることで、抗ウイルス作用を示します。
既存の経口抗ヘルペスウイルス薬と作用機序が同じため、交差耐性を示すことがあります。
ゾビラックスは水痘・帯状疱疹ウイルス及び単純ヘルペスウイルスに対して抗ウイルス活性を有していて帯状疱疹や単純疱疹などにも適応症があります。
禁忌
1)本剤の成分あるいはバラシクロビル塩酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者
用法用量
単純ヘルペスウイルスに起因する角膜炎
通常、適量を1日5回回塗布する。なお、症状により適宜回数を減じる。
治療においては、できるだけ早期に治療を開始することが望ましい。
治療においては本剤を7日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること。
剤型
軟膏剤
ゾビラックス眼軟膏3% 541.5円/1g
ジェネリック医薬品が発売されています。
外用剤のため、局所に作用するので、それほど神経質になることはないようです。
併用についても特に慎重にならなくていいです。
眼科用としてのみ使用すること。
使用中はコンタクトレンズの着用を避けること。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(動物実験では大量に皮下投与した場合に胎児に異常がみられたとの報告があります)
小児に対する安全性は確立していない。(使用経験が少ない)
薬としての効果
単純疱疹のため古くからある薬で、外用剤のため局所的に作用するので、安全性も確立していて副作用も少ないと言えますが、効果が不十分な人がいるかもしれません。
眼軟膏としての適用は単純ヘルペスウイルスのみですが、内服薬が帯状疱疹ウイルスにも使われることから帯状疱疹ウイルスによる眼の炎症などにも使われています。
三叉神経節に潜伏していた帯状疱疹ヘルペスウイルスは、風邪などにより免疫が低下すると再び活動をはじめ、眼のまわりの皮膚、まぶた、場合によっては眼球を侵します。
眼球が侵され、眼のあたりに炎症が起こるとゾビラックス眼軟膏が使われることがあります。(内服薬や点滴なども使われることがあります)
副作用について
主な副作用としては、びまん性表在性角膜炎、結膜びらん等である。
その他では結膜炎、角膜潰瘍、眼瞼炎、一過性刺激、接触皮膚炎、血管浮腫、じんましん等があります。
まとめ
単純疱疹のため古くからある薬で、外用剤のため局所的に作用するので、安全性も確立していて副作用も少ないと言えますが、効果が不十分な人がいるかもしれません。
眼軟膏としての適用は単純ヘルペスウイルスのみですが、内服薬が帯状疱疹ウイルスにも使われることから、医療現場では帯状疱疹ウイルスによる眼の炎症などにも使われています。
ジェネリック医薬品が販売されているため、より安く治療できる場合があります。