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脂質異常症

脂質異常症治療薬ゼチーアとは 薬としての効果と副作用について

投稿日:2017年11月9日 更新日:

 

 

生活習慣病の脂質異常症の治療においてスタチン系の薬剤に追加で出されることもあるゼチーア。

 

コレステロールが高い場合には単独か併用で処方されることになります。

 

調剤薬局ではこの薬剤はコレステロールが高い場合でスタチンほどではないですが調剤されています。

 

脂質異常症治療薬ゼチーアとは、薬としての効果と副作用について紹介します。

 

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Contents

脂質異常症治療薬ゼチーアとは

 

日本では2007年6月より販売されている、コレステロールを下げるため使われる薬の1つである「ゼチーア」。

 

もう、すでにジェネリック医薬品が発売されていて、薬の負担が減らそうとするならジェネリック医薬品の選択が可能である。

 

ゼチーアの成分名はエゼチミブといいます。

 

脂質異常症は血液中のコレステロールやトリグリセリド(中性脂肪:TG)の数値異常がおこり、動脈硬化を早めたりするなど様々な病気を合併することになります。

 

コレステロールは生体内で合成されるものが約80%、食事として外から吸収されるものが約20%あります。

 

それぞれの量が増えることで脂質異常症の原因になり得ます。

 

ゼチーアが登場するまでは、HMG-CoA還元酵素阻害剤のスタチン系薬剤やPPARαを刺激することで作用するフィブラート系薬剤が主な脂質異常症の治療薬でしたが。

 

新たな作用機序を持つゼチーアの登場で選択肢が1つ増えたことになります。

 

スタチン系やフィブラート系では生体内でのコレステロールの生合成を阻害するものでしたが、ゼチーアは食事などからのコレステロールの吸収を阻害するものです。

 

ゼチーアが抑えるものは小腸コレステロールトランスポーターというもので、小腸でのコレステロールの吸収にかかわっている輸送体になります。

この輸送体を抑えれば、小腸で食事からのコレステロールも抑えることができますが、実際は食事由来以外のものも吸収を抑えているのです。

 

肝臓は胆汁酸というものを作って小腸に分泌しています。

この胆汁酸にはコレステロールがたくさん含まれていて、胆汁酸に含まれるコレステロールもまた、小腸コレステロールトランスポーターによって吸収されているので、

ゼチーアはこのコレステロールの吸収も阻害することになります。

 

 

 

禁忌

1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

 

2)本剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤を併用する場合、重篤な肝機能障害のある患者

 

 

 

用法用量

高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、ホモ接合体性シトステロール血症

通常、成人にはエゼチミブとして1回10mgを1日1回食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

治療に際しては脂質異常症治療の基本である食事療法、運動療法などを検討し、薬剤の使用が妥当である場合のみに使用します。

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治療効果が認められない時には投与を中止すること。

 

 

 

慎重投与

サンディミュン、ネオーラル(シクロスポリン)を投与中の患者(腎機能への影響を増大させることがある。)

 

肝機能障害のある患者

 

糖尿病患者

 

フィブラート系薬剤との併用は、有効性及び安全性が十分に確認されていないので、併用しないことが望ましい。

 

NMG-CoA還元酵素阻害薬(メバロチン(プラバスタチン)、リピトール(アトルバスタチン)、リバロ(ピタバスタチン)、クレストール(ロバスタチン)など)を併用する場合は
双方の薬剤の特性を理解し十分に注意して併用すること。

 

陰イオン交換樹脂(クエストラン(コレスチラミン))はゼチーアの作用を低下させることがある。

 

抗凝血薬(ワーファリン(ワルファリン))を投与中の患者(ワーファリン(ワルファリン)の作用を増強する)

 

高齢者は生理機能が低下していることが多いため慎重に投与すること。

 

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回る場合に投与すること。

 

授乳婦では投与を避けることが望ましい。

 

小児に対する安全性は確立していない。(使用経験が少ない)

 

薬としての効果

 

小腸コレステロールトランスポーター阻害薬は脂質異常症の治療においては追加して使用する位置づけで、LDLコレステロールが高い場合に追加で投与されることが多い薬剤になります。

 

コレステロールは肝臓での生合成で作られるのが約80%、食物などから吸収されるものが約20%になります。

 

その20%にかかわるのが小腸コレステロールトランスポーター阻害薬であることを考えれば、スタチン系などよりも効果が劣ることが想像がつくでしょう。

 

LDLコレステロールを下げる作用はスタチン系のスタンダードスタチンであるメバロチンと同程度といわれています。

 

副作用について

 

主な副作用としては、γ-GTP上昇、CK上昇、GPT上昇、便秘、発疹、下痢、腹痛、腹部膨満感、悪心・嘔吐等である。

 

その他では発疹、そう痒感、口内炎、鼓腸、便秘、下痢、胸やけ、食欲不振、貧血、全身倦怠感、抗核抗体陽性などがあります。

 

重大な副作用はアナフィラキシー(頻度不明)、横紋筋融解症(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)があります。

 

ゼチーアにはこれといって特有な副作用はないですが、下痢、便秘、腹痛などの胃腸症状が起こり得ます。

頻度は少ないのですが、横紋筋融解症にも少し注意する必要があります。

手足・肩・腰などの筋肉痛、手足がしびれる、脱力感、全身倦怠感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇(尿が赤褐色になる)などがみられたら横紋筋融解症を疑う必要があります。

CKの値が基準値の10倍となることが横紋筋融解症の目安です。

 

まとめ

 

生活習慣病でよくありがちな脂質異常症の治療で、LDLコレステロールの値を少しだけ下げたいとか、もう少し追加で下げたいとかになった場合には小腸コレステロールトランスポーター阻害薬が使われることがあります。

 

主な副作用は下痢、便秘、腹痛などの胃腸症状で、まれですが横紋筋融解症にも少しだけ注意を払う必要があります。

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