くすりのサイト

くすりのことなどについて書いています。

脂質異常症

高コレステロール血症治療薬レパーサ皮下注 使用上の注意と副作用について

投稿日:2017年10月31日 更新日:

 

 

生活習慣病の1つに高コレステロール血症があります。

 

よく話題にのぼる疾患のため、コレステロールはいかにも悪い物質のように思われがちですが。

 

実は体にとってなくてはならないものなのです。

 

コレステロールはステロイドホルモンや胆汁酸、そして細胞膜の原料となります。

 

その高コレステロール血症の治療薬で注射剤が2016年に発売されています。

 

高コレステロール血症治療薬レパーサ皮下注、使用上の注意と副作用について解説します。

 

スポンサーリンク

高コレステロール血症治療薬レパーサ皮下注

 

調剤薬局で服薬指導などをしていると、患者さんから、「野菜をよく食べているんだけど、コレステロール値が下がらないんです」ということを聞くことがあります。

ある一定の年齢になると、このような悩み事を持つようになるようですね。

食事だけでは十分な改善ができないようです。

 

昔、ある勉強熱心な医師が、高コレステロール血症の改善には、スタチンなどの薬を用いてスパッと下げるしか方法はないとおっしゃっていました。

 

最近ではそのスタチンでも十分な効果が得られないこともあるようで、そういうときの対策を求められていました。

 

レパーサ皮下注はその要望に応える注射剤で、スタチンによる脂質低下療法で十分な効果が得られない時に追加投与することで有意にLDLコレステロールが低下し、かつ長期にわたり効果が持続することが認められている。

 

2016年1月22日に製造販売が承認されたレパーサ皮下注は成分名をエボロクマブといいます。

 

エボロクマブは、LDL受容体分解促進タンパク質であるPCSK9を標的にするPCSK9阻害薬という新しい作用機序をもつ薬剤である。

本剤はヒト型モノクローナル抗体製剤で、PCSK9とLDL受容体の結合を、間に割って入ることで阻害し、LDL受容体が分解されることを抑制します。

ひいてはLDL受容体の存在を増やすことで肝臓内にLDLコレステロールを回収する作用を高め、血中のLDLコレステロール値を下げることになります。

 

用法用量

家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体、高コレステロール血症

通常、成人にはエボロクマブとして140mgを2週に1回皮下または420mgを4週に1回皮下投与する。

家族性高コレステロール血症ホモ接合体

通常、成人にはエボロクマブとして420mgを4週に1回皮下投与する。効果不十分の場合は420mgを2週に1回皮下投与できる。なおLDLアフェレーシスの補助として本剤を使用する場合は開始用量として420mgを2週に1回皮下投与できます。

レパーサ皮下注140mgペン(またはシリンジ)の製品があります。

LDLコレステロールをかなり下げる効果があるレパーサ皮下注ですが、薬価が極めて高く、月あたりに数万円かかります。(3割負担で1~2万円)

薬価は、140mg:22948円

 

家族性高コレステロール血症

遺伝子の突然変異で生じる遺伝性疾患であり、低年齢からLDLコレステロールが高くなることがわかっています。

そのタイプはホモ接合体とヘテロ接合体の2つに分かれていて、ホモ接合体はコレステロール調節遺伝子が両方とも変異しているもの、ヘテロ接合体はコレステロール調節遺伝子が片方だけ変異しているものである。

スポンサーリンク

ホモの発生頻度よりもヘテロの発生頻度が多く、日本では約500人に1人がヘテロ接合体を発症している。

 

使用上の注意について

 

エボロクマブの使用上の注意としては、

 

1)本剤の成分に対する重いアレルギーの既往歴がある場合は使用してはいけない。

 

2)スタチン系の高コレステロール剤(HMG-CoA還元酵素阻害剤)と併用すること。(日本人での本剤単独使用での安全性及び有効性は確率していない)

 

3)重度の肝機能障害患者には慎重に投与すること。(使用経験がない)

 

4)本剤投与の前に、高コレステロール血症治療の基本である食事療法や運動療法、禁煙、他のリスクファクター(糖尿病、高血圧等)の軽減等も十分考慮すること。

 

5)使用にあたり、血中脂質値を定期的に検査し、本剤の効果を確認し十分でない場合には使用を中止すること。

 

6)併用するスタチン剤及び他の脂質異常症治療薬の禁忌、慎重投与、重要な基本的注意、重大な副作用の内容を必ず確認すること。

 

7)自己投与にはレパーサ皮下注の専用ペンを用いること。

 

8)自己投与の実施にあたり、医師がその妥当性を慎重に検討した上で、患者の自己投与に向けての教育訓練を実施し、患者自身が確実に投与ができることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。

 

9)自己投与の実施後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な場合には、速やかに医療施設に連絡するよう指導し、直ちに自己投与を中止させるなど適切な処置を行うこと。

 

10)本剤は1回使用の製剤である。使用後、再使用しないように患者に注意し、安全な廃棄方法の指導を徹底すること。

 

11)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦には投与しないこと。(併用薬の胎児への影響を考慮する)

 

12)低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確率されていない。

 

13)高齢者には慎重に投与すること。

 

14)皮下にのみ投与すること。

 

15)投与前30分程度、遮光した状態で室温に戻してから投与すること。

 

16)注射剤を激しく振とうしないこと。

 

17)注射剤の内容物を目視により、変色、にごり、浮遊物がないことを確認したうえで使用すること。

 

18)注射部位は、上腕部、腹部又は大腿部とし、同一部位への反復投与は行わないこと。皮膚が敏感なところ、挫傷、発赤又は硬結している部位への注射は避けること。

 

19)LDLアフェレーシス(血液浄化法の1つ、血漿交換、二重濾過法など)と併用する場合には、アフェレーシス施工後に本剤を投与すること。

 

 

副作用とは

 

主な副作用(承認時:2016年1月)

糖尿病(1.4%)、注射部位反応(0.7%)、肝酵素異常(0.7%)、CK上昇(0.7%)、頸動脈内膜中膜肥厚度増加(0.7%)、筋肉痛(0.7%)

 

その他副作用

貧血、動悸、心筋虚血、下痢、放屁、胃粘膜病変、食道静脈瘤、無力症、倦怠感、末梢腫脹、低比重リポ蛋白減少、血小板凝集亢進、尿中蛋白陽性、尿中ビリルビン増加、関節痛、背部痛、四肢不快感、四肢痛、感覚鈍麻、頭痛、不眠症、女性化乳房、慢性気管支炎、発疹、そう痒性皮疹、皮膚炎、皮膚しわ、じんましん、潮紅など

 

副作用が起こる頻度は少ないようですね。

 

まとめ

 

スタチン系の高コレステロール血症治療薬が無効時に、追加投与されるレパーサ皮下注はLDLコレステロールと強力に下げるようです。

使用上の注意をよく確認しちゃんと使うようにしたいですね。

 

参考記事⇒高コレステロール血症治療薬プラルエント皮下注 使用上の注意と副作用について

スポンサーリンク

このサイトについて

ここには、自己紹介やサイトの紹介、あるいはクレジットの類を書くと良いでしょう。

検索

このサイトについて

ここには、自己紹介やサイトの紹介、あるいはクレジットの類を書くと良いでしょう。

検索

-脂質異常症

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

高血圧症と脂質異常症の治療薬カデュエットとは 薬としての効果と副作用について

  スポンサーリンク   生活習慣病の高血圧症の治療においてカルシウム拮抗薬は、心臓や体の血管を拡げて血流を良くすることで血圧を下げることになります。   この系統は効き …

脂質異常症治療薬クエストランとは 薬としての効果と副作用について

  スポンサーリンク   生活習慣病の脂質異常症の治療において処方されることのあるクエストラン。   コレステロールが高い場合には補助的に併用で処方されることがあります。 …

脂質異常症治療薬リピトールとは 薬としての効果と副作用について

  スポンサーリンク     生活習慣病の脂質異常症の治療において中心的な役割を担っているスタチン系の薬剤。   LDLコレステロールが高い場合にはまず処方され …

脂質異常症治療薬ゼチーアとは 薬としての効果と副作用について

  スポンサーリンク   生活習慣病の脂質異常症の治療においてスタチン系の薬剤に追加で出されることもあるゼチーア。   コレステロールが高い場合には単独か併用で処方される …

脂質異常症のメカニズムとは 食事についてと注意すべきことについて

  スポンサーリンク   生活習慣病の1つである脂質異常症はどうして起こるのでしょう。   そのメカニズムはどのようなもので、食事をどうしたらいいのか、また注意点はどうな …

病院や調剤薬局で勤務経験豊富な薬剤師の目線から情報を提供していきます。