生活習慣病の痛風の治療において尿酸の排泄を促進することで痛風を改善するために出されるユリノーム。
痛風の原因である尿酸を尿中にたくさん排泄することで痛風発作が出ないようにします。
調剤薬局での調剤内容をみると、比較的処方されるようです。
痛風治療薬ユリノームとは 薬としての効果と副作用について紹介します。
Contents
痛風治療薬ユリノームとは
日本では1984年6月より販売されている、痛風の原因となる尿酸の排泄を促進することで痛風の改善に使われる薬である「ユリノーム」。
この薬剤にはジェネリック医薬品が発売されているので薬剤費を抑えることができます。
ユリノームの成分名はベンズブロマロンです。
痛風は血液中の尿酸濃度が上昇し、それが結晶となって析出することで激しい痛みを生じる疾患となります。
痛風が起きる前には、血液の尿酸値が高い状態が続くことになり、この状態のことを高尿酸血症と呼びます。
この状態を放置していると、何らかの引き金により、足の親指のつけ根などの関節が炎症を起こし赤くはれて痛みだすことになります。
この痛みは痛烈で、”風に吹かれても痛い”ほどなので”痛風”と呼ばれています。
このような発作はそれほど長くは続かないのですが、高尿酸血症を改善しない限りは、また同じような症状に悩まされることになります。
そして、再発を繰り返していると、いろんな部位に腫れが起きるようになったり、腎臓にも悪影響を及ぼしたり、尿酸結石ができたりしてきます。
最終的には重症の慢性痛風になる可能性がありますので、高尿酸血症を放置することは危険とされています。
痛風にかかるのは20歳以降の男性が多いようです。
ストレスにも深く関わっているので、マラソン選手などでは年齢に関係なく罹患している人が多いそうです。
血清尿酸値は遺伝と環境の両方の因子が関係しますから、それらの知識を持ったうえで対応する必要があります。
専門性の高い医師に相談の上、それぞれに応じた治療法を考えることが必要になります。
この痛風の治療には血液中の尿酸値を適正値に改善することが必要になります、その改善の仕方にはいろいろあるのですが、ユリノームは腎臓に働いて、尿酸を尿中にたくさん排泄することで、体内の尿酸を減らし痛風の改善をもたらします。
禁忌
1)肝障害のある患者(症状を悪化させることがある)
2)腎結石を伴う患者または高度の腎機能障害のある患者(症状を悪化させるおそれがある)
3)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない
4)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
用法用量
痛風(他にも適応あり)
通常、成人にはベンズブロマロンとして1日1回25~50mgを経口投与し、その後維持量として1日50~150mgを1~3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
剤型
錠剤
ユリノーム錠25mg 14.0円/1錠
ユリノーム錠50mg 25.6円/1錠
副作用回避のため、投与開始前に肝機能検査をして、肝障害のないことを確認すること。
急性痛風発作が治まるまで、本剤の投与を開始しないこと。(痛風発作が一時的に増強するおそれがある)
本剤の作用が著しいので、投与初期に痛風発作を誘発することがある。
尿が酸性の場合、この薬剤が尿酸の排泄を促進することで、痛風患者に尿路結石及びこれに由来する血尿、腎仙痛、肋骨脊椎痛などの症状を起こしやすいので、これを防止するため、水分の摂取による尿量の増加及びアルカリ化を図ること。
なお、この場合には酸とアルカリのバランスには注意すること。
慎重投与
ワーファリン(ワルファリンカリウム)との併用でワルファリンの抗凝血作用を増強するおそれがある。
ピラマイド(ピラジナミド)との併用で本剤の作用が弱まることがある。
アスピリンなどとの併用で本剤の作用が弱まることがある。
高齢者は生理機能が低下していることが多いので、慎重に投与すること。
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)
薬としての効果
ユリノームは腎尿細管における尿酸の再吸収を抑制してその尿酸排泄を促進し、血清尿酸値を低下させ痛風の症状の改善をはかります。
飲み初めに、かえって痛風発作を起こしてしまうことがあります、これは尿酸の結晶が関節から溶け出すためです、良くなるための過程ですから、少し辛抱することになるかもしれません。
関節にたまっている尿酸が排泄されてしまうと痛風発作は起こらなくなります。
ユリノームは作用が強く効果が確実ですが、重大な副作用である肝障害に注意する必要があります、定期的に検査をするなどして備えることになります。(特に投与開始6ヶ月以内は大事です)
また、ひどい倦怠感、食欲不振、吐き気、発熱、尿が褐色になる、眼が黄色くなるなどといった症状があらわれたら、すぐに医師等に相談してください。
副作用について
主な副作用としては、胃部不快感(0.33%)、胃腸障害(0.29%)、そう痒感(0.29%)、発疹(0.27%)、下痢(0.18%)等である。
その他ではじんましん、GOT上昇、GPT上昇、軟便、胸やけなどがあります。
重大な副作用
重篤な肝障害(0.09%)(定期的に検査が必要)
まとめ
生活習慣病でよくありがちな痛風の治療で、作用が強く効果が確実に出るため良く使われている尿酸排泄促進薬であるユリノーム。
ただ、重大な副作用で肝障害には、念のため注意しておく必要があります。投与開始6ヶ月以内はもちろん重要ですがそれ以後も定期的な検査をする必要があります。
また、ひどい倦怠感、食欲不振、吐き気、発熱、尿が褐色になる、眼が黄色くなるなどといった症状があらわれたら、すぐに医師等に相談してください。
主な副作用は胃部不快感(0.33%)、胃腸障害(0.29%)、そう痒感(0.29%)、発疹(0.27%)、下痢(0.18%)等になります。