日常生活でおしっこが急にしたくなったことがありませんか。
問題がおしっこだけに恥ずかしくて相談しずらいということはないでしょうか。
日常生活に不便を感じていたらお医者さんに相談してもいいかもしれませんよ。
過活動膀胱治療薬トビエースとは、薬としての効果と副作用について紹介します。
Contents
過活動膀胱治療薬トビエースとは
ファイザー社が創製し、2013年3月より販売が開始されている過活動膀胱の治療薬の1つである「トビエース」。
デトルシトールのプロドラッグタイプのお薬で、体内に入って活性代謝物に変わり効果をあらわします。
デトルシトールの欠点を改善しています。
まだ、ジェネリック医薬品が発売されていないので、支払いを安くすることができません。
トビエースの成分名はフェソテロジンフマル酸塩です。
過活動膀胱と言っても何?と思われるかもしれませんね。
「急におしっこがしたくなる」
「夜間に何度もトイレに起きる」
「すぐにまたおしっこがしたくなる」
「我慢しきれず漏らすことも」
なんてことがあれば過活動膀胱の症状かもしれないなと思いましょう。
上記のような症状は頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感、尿漏れとも表現できます。
このような症状に苦しんでいる人が日本国内に1040万人もいると推定されている。
今後、高齢化が進むにつれ、もっと増えることになります。
なんとかしないといけないですね。
尿が溜まるまでに膀胱が収縮してしまう、つまりは過活動な膀胱なのです。
なぜ、そのようになるのかは原因はいろいろあります。
「トイレが近い」の原因となるものには、
膀胱炎、前立腺炎、前立腺肥大症、腹圧性尿失禁、膀胱結石、膀胱や前立腺のがん、間質性膀胱炎、糖尿病、脳卒中の後遺症、脊髄の病気、睡眠障害、降圧利尿薬・α遮断薬の副作用、過剰な水分摂取、精神的な緊張や不安、加齢など
さまざまです。
「トイレが近い」の原因をいろいろ書いたので、中には怖いものもありますが、気にはしないでください、ありえるものを網羅したので、あなたがそうだとは限りませんから。
このようなことが原因でトイレが近くなるのですが、この原因をつきとめて治療をしたところで改善がされないことがあるのです。
その時は、過活動膀胱になっているんじゃと疑いましょう。
過活動膀胱の原因ははっきりしていません、加齢、精神的なストレス、膀胱のセンサーが過敏になってる、脳の中にある排尿をつかさどる部分や自律神経の乱れ、などが複雑にからみあっているのでしょう。
さて、過活動膀胱と診断された場合に、男性の薬物治療においては前立腺肥大症がかかわっていることが多く、α1アドレナリン受容体阻害薬を投与することが多いです。
前立腺肥大症がおさまっていけば、過活動膀胱の症状もしだいにおさまっていくことが多いのですが、そうでない人もいるので、その時は抗コリン薬などで治療となっています。
女性の薬物治療においては抗コリン薬を投与することが一般的でした。
抗コリン薬は膀胱にあるムスカリン受容体に作用してアセチルコリンの神経伝達を阻止することで膀胱の異常な収縮が起きないようにするための薬になります。
トビエースは、膀胱平滑筋に存在するムスカリン受容体をブロックすることで膀胱の不随意な排尿筋の収縮を抑制し過活動膀胱の症状を改善します。
禁忌
本剤の成分あるいは酒石酸トルテロジンに対し過敏症の既往歴のある患者
尿閉を有する患者(症状が悪化するおそれがある)
眼圧が調整できない閉塞隅角緑内障の患者(症状が悪化するおそれがある)
幽門、十二指腸または腸管が閉塞している患者及び麻痺性イレウスのある患者(症状が悪化するおそれがある)
胃アトニーまたは腸アトニーのある患者(症状が悪化するおそれがある)
重症筋無力症の患者(症状が悪化するおそれがある)
重度の肝障害のある患者(Child-Pugh分類C)(血中濃度が過度に上昇するおそれがある)
重篤な心疾患の患者(症状が悪化するおそれがある)
用法用量
過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿および切迫性尿失禁
通常、成人にはフェソテロジンフマル酸塩として4mgを1日1回経口投与する。
なお、症状に応じて1日1回8mgまで増量できます。
重度の腎障害のある患者、中等度の肝障害のある患者(Child-Pugh分類B)またはアタザナビル、クラリスロマイシン、インジナビル、イトラコナゾール、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、テリスロマイシンなどを投与中の患者では、1回4mgを1日1回投与とし、8mgへの増量は行わないものとする。
剤型
錠剤
トビエース錠4mg 180.90円/1錠
トビエース錠8mg 271.90円/1錠(2011年4月販売開始)
慎重投与
下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症など)を合併している患者(尿閉を誘発するおそれがある)
消化管運動が低下する危険性のある患者(腸管の閉塞をまねくおそれがある)
眼圧が調節可能な閉塞隅角緑内障の患者(症状が悪化するおそれがある)
狭心症などの虚血性心疾患のある患者(症状が悪化するおそれがある)
腎障害のある患者(本剤の血中濃度が上昇するおそれがある)
肝障害のある患者(本剤の血中濃度が上昇するおそれがある)
認知症または認知機能障害のある患者(症状が悪化するおそれがある、また、過活動膀胱の症状を明確に認識できない場合には本剤の投与対象にならない)
パーキンソン症状または脳血管障害のある患者(症状の悪化あるいは精神神経症状があらわれるおそれがある)
潰瘍性大腸炎のある患者(中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある)
甲状腺機能亢進症の患者(頻脈などの交感神経興奮症状が悪化するおそれがある)
眼調節障害(霧視など)、傾眠が起こることがあるので、高所作業、自動車の運転など危険を伴う作業に従事する場合には注意する。
過活動膀胱の適応を有する選択的β3アドレナリン受容体作動薬と併用する際は尿閉などの副作用の発現に十分注意すること。
効果が認められない時は、漫然と投与を続けず、他の適切な治療を考慮すること。
プロテアーゼ阻害薬(アタザナビル(レイアタック)、インジナビル(クリキシバン)、ネルフィナビル(ビラセプト)、リトナビル(ノービア、カレトラ、ヴィキラックス)、サキナビル(インビラーゼ))、ケトライド系抗生物質(テリスロマイシン(ケテック))、アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール(イトリゾール)、ミコナゾール(フロリード)など)、マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン(エリスロシン)、クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド))との併用で本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
抗コリン作用を有する、フェノチアジン系(ペルフェナジン(ピーゼットシー、トリラホン)など)・ブチロフェノン系抗精神病薬、三環系抗うつ薬(アミトリプチリン(トリプタノール)、ノルトリプチリン(ノリトレン)、イミプラミン(トフラニール)など)、モノアミン酸化酵素阻害剤などとの併用で抗コリン作用が増強されるおそれがある。
フェニトイン(アレビアチン)、カルバマゼピン(テグレトール)、リファンピシン(リファジン)、フェノバルビタール、セイヨウオトギリソウなどとの併用で本剤の効果が減弱する可能性がある。
キニジン、パロキセチン(パキシル)などとの併用で本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
高齢者は生理機能が低下していることが多いので、副作用が出やすく、本剤の投与には慎重に対応すること。
妊婦および妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(動物実験では高い濃度の投与で胎児への影響が認められている)
本剤投与中の婦人は授乳を避けること。(トルテロジンにおいて動物実験で乳汁移行がわずかに認められている)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児などに対する安全性は確立していない。(使用経験がない)
薬としての効果
トビエースは、「過活動膀胱」の効能・効果が認められた抗コリン薬です。
デトルシトールは薬物代謝酵素により活性代謝物に変化することで作用を示しますが、人によりその酵素活性がちがうので効く人と効かない人の差が大きくなるという欠点がありました。
このデトルシトールの欠点をプロドラック型にすることで改良した薬となります。
デトルシトール4mgは通常トビエース4mgと同等な効果を示します。
過活動膀胱の薬として他の薬から変更した患者さんから、よく効いていると聞くことが何度かありました。
膀胱選択性が高いことから、口渇などの副作用が比較的少ないです。
脳への移行が少ないので認知障害を起こしにくいとされています。
徐放性製剤なので1日1回の服用で済むので管理がしやすいです。
副作用について
主な副作用としては、口内乾燥、便秘、頭痛、等である。
その他では、眼乾燥、霧視、めまい、味覚障害、傾眠、心電図QT延長、動悸、頻脈、高血圧、咽喉乾燥、鼻乾燥、咳嗽、口腔咽頭痛、GOT上昇、GPT上昇、γ-GTPの上昇、消化不良、腹痛、悪心、下痢、胃食道逆流性疾患、腹部不快感、嘔吐、胃炎、鼓腸、排尿困難、膀胱炎、腎盂腎炎、残尿、尿流量減少、皮膚乾燥、発疹、血管浮腫、CK上昇、浮腫、疲労、などがあります。
重大な副作用
尿閉(1.1%)
血管浮腫
重大な副作用(類薬で見られたので注意する)
QT延長、心室性頻拍、房室ブロック、徐脈など
まとめ
トビエースは、「過活動膀胱」の効能・効果が認められた抗コリン薬です。
デトルシトールは薬物代謝酵素により活性代謝物に変化することで作用を示しますが、人によりその酵素活性がちがうので効く人と効かない人の差が大きくなるという欠点がありました。
このデトルシトールの欠点をプロドラック型にすることで改良した薬となります。
デトルシトール4mgは通常トビエース4mgと同等な効果を示します。
過活動膀胱の薬として他の薬から変更した患者さんから、よく効いていると聞くことが何度かありました。
膀胱選択性が高いことから、口渇などの副作用が比較的少ないです。
脳への移行が少ないので認知障害を起こしにくいとされています。
徐放性製剤なので1日1回の服用で済むので管理がしやすいです。
主な副作用としては、口内乾燥、便秘、頭痛、等です。
他には霧視(かすみ目)、めまい、腹痛、眠気、排尿困難などが出ることがあるでしょう。
また、他の薬に比べ少ないですが、高齢者では一時的に認知症のような症状が出ることがあります。
重い副作用はめったにないですが、血管浮腫、尿閉などに注意しておきましょう。