生活習慣病の糖尿病の治療において処方されることのあるソニアス。
経口血糖降下薬としては第三世代のSUであるグリメピリドとチアゾリジン類のピオグリタゾンの合剤のものになります。
グリメピリドとチアゾリジン誘導体の合剤として調剤薬局で調剤されることがそれほどない方です。
糖尿病用剤ソニアスとは 薬としての効果と副作用について紹介します。
Contents
糖尿病用剤ソニアスとは
日本では2011年6月より販売されている、第三世代のSU剤であるグリメピリドとインスリン抵抗性改善薬であるチアゾリジン類の合剤である「ソニアス」。
ジェネリック医薬品はまだ発売されていませんから、薬の負担を減らそうとしてジェネリック医薬品の選択はできません。
ソニアスの成分名はピオグリタゾン塩酸塩・グリメピリドである。
糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンの量が不足したり作用が弱まったりして血液中の糖分「血糖」が上がってしまう病気です。
血液中の糖分「血糖」は、膵臓から分泌されるインスリンで調節されています。
インスリンは膵臓にあるランゲルハンス島にあるβ細胞でつくられています。
食事などで血糖値が上昇すると、膵臓のβ細胞が働いてインスリンを分泌します。
そのインスリンは全身の臓器にとどくと、血糖を取り込んでエネルギーとして利用したり、たくわえたり、タンパク質の合成や細胞の増殖を促進したりします。
このように取り込まれた血糖はインスリンによって速やかに処理され血液中に一定の濃度で保たれています。
そのインスリンの量が不足したり働きが悪くなったりすると血液中の血糖を一定に保てなくなり糖尿病になるのです。
ソニアスは作用の違うインスリン分泌促進薬とインスリン抵抗性改善薬を組み合わせたお薬で、より血糖降下作用の増強が見込めます。
警告
重篤かつ遷延性の低血糖症を起こすことがあるので、使用には注意すること。
禁忌、
心不全の患者及び心不全の既往歴のある患者(悪化することが報告されている)
重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡、1型糖尿病の患者(インスリンの適用である)
重篤な肝または腎機能傷害のある患者(低血糖を起こすおそれがある)
重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者(インスリンの適応である)
下痢、嘔吐等の胃腸障害のある患者(低血糖を起こすおそれがある)
本剤の成分またはスルホンアミド系薬剤に対して過敏症の既往歴のある患者
妊婦または妊娠している可能性のある婦人(胎盤を通過して胎児に悪い作用を及ぼす可能性がある)
用法用量
2型糖尿病(既にピオグリタゾン塩酸塩及びグリメピリドを併用して状態が安定している場合、あるいはそれぞれの単剤で効果が不十分な場合に本剤の使用を検討すること)
通常、成人には1日1回1錠(ピオグリタゾン/グリメピリドとして15mg/1mgまたは30mg/3mg)を朝食前または朝食後に経口投与する。
剤型
錠剤
ソニアス配合錠LD 69.30円/1錠(ピオグリタゾン/グリメピリドとして15mg/1mg)
ソニアス配合錠HD 128.80円/1錠(ピオグリタゾン/グリメピリドとして30mg/3mg)
これらの薬剤は2型糖尿病の第一選択薬としない。
LD錠はピオグリタゾン1日15mgとグリメピリド1日1mgを併用している状態が安定している場合か、ピオグリタゾン1日15mgまたはグリメピリド1日1mgの単剤治療により効果が不十分な場合に使用を検討すること。
HD錠はピオグリタゾン1日30mgとグリメピリド1日3mgを併用している状態が安定している場合か、グリメピリド1日3mgの単剤治療により効果が不十分な場合に使用を検討すること。
ピオグリタゾンとグリメピリドのそれぞれの用量として適切な用量を選択し、それに適合していなければソニアスを使用するのではなく、適切な単剤の併用を考慮すること。
ピオグリタゾンの投与により浮腫が比較的女性に多く報告されているので、女性に投与する場合には、浮腫の発現に留意し、本剤に含まれるピオグリタゾンとして投与量は1日1回15mgから投与を開始することが望ましい。
ピオグリタゾンを投与された患者では膀胱がんの発生リスクが増加する可能性が完全には否定できないので注意すること。
糖尿病であることが確立した患者に対してのみ適用を考えること(他の疾患でないことを確認する)
食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること。
本剤を使用する場合に、インスリン抵抗性が推定される患者に限定すること。インスリン抵抗性の目安はBMIが24以上あるいはインスリン分泌状態が空腹時血中インスリン値で5μU/mL以上とする。
低血糖を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与する時は注意すること。
常に投与の継続性の可否、投与量、薬剤の選択に注意すること。
定期的に検査をして薬剤の効果を確かめ、効果が不十分な場合はより適切な治療への変更を検討すること。
急激な血糖降下に伴い、糖尿病性網膜症が悪化する例があるので注意すること。
他の糖尿病用剤との併用における安全性は確立されていない。
定期的に心電図検査を行い、慎重に投与すること。
服用中の浮腫、急激な体重増加、心不全症状が見られた場合には投与中止あるいは、ループ利尿薬の投与など適切な処置を行うこと。
慎重投与
心不全発症のおそれのある心筋梗塞、狭心症、心筋症、高血圧性心疾患のある患者(心不全の発症のおそれがある)
肝または腎機能傷害のある患者
脳下垂体機能不全または副腎機能不全の患者
栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足または衰弱状態の患者
激しい筋肉運動をする者
過度のアルコール摂取者
低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣など)
対象薬剤
インスリン製剤、SU剤(スルホニルウレア剤)、速効型インスリン分泌促進薬、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボースなど)、DPP-4阻害剤、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤、プロベネシド、クマリン系薬剤(ワルファリンカリウム)、サリチル酸製剤(アスピリン、アスピリン・ダイアルミネート、など)プロピオン酸系消炎剤(ナプロキセンなど)、アリ―ル酢酸系消炎剤(アンフェナクナトリウム水和物など)、オキシカム系消炎剤(ロルノキシカム)、β-遮断剤(プロプラノロール塩酸塩、アテノロール、ピンドロールなど)、MAO阻害剤、クラリスロマイシン、サルファ剤(スルファメトキサゾールなど)、クロラムフェニコール、テトラサイクリン系抗生物質(ドキシサイクリン塩酸塩、テトラサイクリン塩酸塩、ミノサイクリン塩酸塩など)、シプロフロキサシン、レボフロキサシン水和物、クロフィブラート、ベザフィブラート、ジベンゾリンコハク酸塩、ジソピラミド、ピルメノール塩酸塩水和物、ミコナゾールなど
血糖降下作用を減弱する薬剤と併用する場合は血糖降下作用を減弱による高血糖症状に注意すること
高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭など)
対象薬剤
アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、卵胞ホルモン、利尿剤(チアジド系、クロルタリドン、フロセミドなど)、ピラジナミド、イソニアジド、ニコチン酸、フェノチアジン系薬剤、リファンピシン(リファジン)、フェニトイン、ブセレリン酢酸塩など
リファンピシン(リファジン)との併用で本剤の濃度の低下が起こりえるので、必要な場合には本剤を増量すること。
アンジオテンシン変換酵素阻害剤との併用で低血糖が起こりやすいとの報告がある。
高齢者では腎機能が低下していることが多いため、低血糖などの副作用が出やすいので慎重に投与すること。
授乳中の婦人には投与は避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。(動物実験でそれぞれの薬剤の乳汁中への移行が報告されている)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していない。(使用経験はない)
低血糖が起きた場合は(飲食が可能な場合)ぶどう糖または砂糖の入った吸収の良いジュース、キャンディーなどを摂取させる。
意識障害がある場合はぶどう糖液などの静注や点滴により血糖値の維持をはかること(場合によってはグルカゴンの投与を考慮する)
薬としての効果
ソニアスは作用の違うインスリン分泌促進薬とインスリン抵抗性改善薬を組み合わせたお薬で、より血糖降下作用の増強が見込めます。
特には肥満型の2型糖尿病に向くとされています。
原則として、第一選択薬にはなりません。まずは単剤での治療を優先します。
LDとHDで配合量が異なるので、それぞれ適した場合に使用するようにしましょう。
副作用について
主な副作用としては、浮腫、体重増加などである。(承認時)
その他では、血圧上昇、悪心・嘔吐、心窩部痛、下痢、便秘、腹痛、胸やけ、貧血、白血球減少、血小板減少、心電図異常、動悸、発疹、湿疹、めまい、頭痛、眠気、しびれ、倦怠感、GOT、GPT、AL-P、γ-GTP、LDH、CK、BUNの上昇、糖尿病性黄斑浮腫、などがあります。
重大な副作用
心不全
低血糖(0.1~5%未満)
浮腫(8.1%)
肝機能障害、黄疸
血液の異常
横紋筋融解症
間質性肺炎
胃潰瘍再燃
重大な副作用(SU剤で報告されている)
再生不良性貧血
まとめ
ソニアスは作用の違うインスリン分泌促進薬とインスリン抵抗性改善薬を組み合わせたお薬で、より血糖降下作用の増強が見込めます。
特には肥満型の2型糖尿病に向くとされています。
原則として、第一選択薬にはなりません。まずは単剤での治療を優先します。
LDとHDで配合量が異なるので、それぞれ適した場合に使用するようにしましょう。
主な副作用としては、、浮腫、体重増加などがあり。
低血糖にも注意が必要である。
重大な副作用としては、まれですが、肝機能障害や黄疸の可能性があります。
また、海外の研究で、服用が2年以上になると膀胱がんの発生リスクが増えるとの報告がありました。(現在では否定されています)